2022年01月02日

新年のご挨拶

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明けましておめでとうございます。

新年最初の一杯め。
年末に買い求めたルワンダ/ニャルシザを開封、心をこめて淹れる。
豆の豊かな香りをたのしみ、ほどよい酸味と優しい苦みをあじわった。

初詣は近所の神社へ。
この一年の健康を、そして音楽に対し誠実に向き合い良い仕事ができるよう祈願する。

帰宅すると賀状が届いていた。
さっそく一葉一葉じっくりと目を通す。
昨年来、感染予防対策に最善を尽くしつつ活動を継続している都内のシニア合唱団、その団員さんからの
「コーラスが命の綱です」
とのメッセージに胸が熱くなる。

気兼ねなく歌い奏でることのできる日常が一日も早く戻りますように。
そしてこれからも変わらず音楽に対し真摯な愛情をもって接してゆくことをここに誓う。

本年も「音楽ノート」をどうぞよろしくお願いいたします。

令和4年元日 小澤和也
posted by 小澤和也 at 00:13| Comment(0) | 日記

2021年12月24日

Kerstmis

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Vrolijk Kerstfeest iedereen! :-)

みなさま、
素敵なクリスマスをお過ごしください。
posted by 小澤和也 at 23:26| Comment(0) | 日記

2021年11月30日

イベントのご案内



東京・立川市の新街区「グリーンスプリングス」にて ”サウンド・オブ・クリスマス“ という催し物が12月に開かれ、そのプレイベントのひとつとして立川市民オペラ合唱団が出演します。

§日時: 2021年12月22日(水) 13:00〜/ 14:00〜 (2回公演) 入場無料
§会場: グリーンスプリングス (JR立川駅下車徒歩8分) 「LIVING ROOM W」
§出演: 立川市民オペラ合唱団有志/越前皓也、清水新 (ピアノ)/ 小澤和也 (指揮)
§曲目: 天使の糧 (フランク)、クリスマスソングメドレー 他

それぞれ30分ほどのステージです。
ご都合がよろしければお気軽にお立ち寄りください。
posted by 小澤和也 at 23:35| Comment(0) | 演奏会情報

2021年11月27日

カヴァレリア・ルスティカーナの源流をたどる (1)



イタリアオペラにおけるヴェリズモ (verismo:現実主義) の起点となった「カヴァレリア・ルスティカーナ」(マスカーニ作曲)。

つい先日、ちょっとしたきっかけでその原作となる小説を初めて手にした。
文庫本で10ページちょっとの短編。
拍子抜けするほどの簡潔さであった。
そして、この物語がオペラ化される前段階として戯曲「カヴァレリア〜」なるものが存在することを不覚にもこれまた初めて知る。

オペラ中の合唱ナンバーである「オレンジの花香り」と「レジナ・チェリ」、これらのシーンはいずれも (当然といえば当然だが) 小説にも戯曲にも出てこない。
ならばせめて両底本をじっくり読み込んで、舞台の情景や人物たちの心情を少しでも理解したいと思うようになった。

まずは小説から。


【小説/カヴァレリア・ルスティカーナ】

ジョヴァンニ・ヴェルガ作
短編集「田舎の生活」(1880年刊) 所収

主な登場人物:
ヌンツィア (トゥリッドゥの母親)
トゥリッドゥ・マッカ
ローラ (農園主アンジェロの娘)
アルフィオ (馬車引き、ローラの夫)
サントゥッツァ (農園主コーラの娘)

小説 (および戯曲) ではトゥリッドゥの母親の名前はヌンツィア、オペラではルチーアとなる。
そしてもうひとつ。
サントゥッツァが「(豚のような金持ちの) 農園主コーラのかわいい娘」と本文中に明記されているのだ。
オペラの中での設定と微妙に異なるように感じるのは僕だけではないだろう。(後述)


本文は特に段落等の区切りを置いていないが、ここでは便宜的に全体を5つの部分に分けて要約を試みる。

[T]
その1: 
トゥリッドゥの風貌や素行についての描写。
彼は自分の兵役中にリコーディアの男 (=アルフィオ) と婚約してしまったローラの窓下で毎夜、彼女への侮蔑を歌にし怒りをぶちまける。

その2:
ようやく出会ったローラとの会話。
未練たらたらのトゥリッドゥ、対してまったく意に介することのないローラ。
『(アルフィオとの婚約について) だって神様の思し召しですもの!』
トゥリッドゥはそんなローラの態度が面白くない...そしてアルフィオは金持ちだ。
『この雌犬め、今に見ていろよ!』

[U]
その1:
トゥリッドゥはアルフィオの家の前に住む農園主コーラに取り入ってその家に出入りするようになり、彼の娘に甘い言葉をかけ始める。
サントゥッツァとトゥリッドゥの会話。
『お前にぞっこんだ...眠れないし食事も喉を通らない』
『ウソばっかり』
サントゥッツァも次第にその気に。

その2:
二人の様子を毎夜隠れて聞いていたローラ。
ある日トゥリッドゥに声をかける。
『それじゃあ、昔の友達にはもう声もかけないの?〜その気があるなら、あたしなら家にいるわよ!』

その3:
トゥリッドゥはまたローラに会いにたびたび通うようになる。
それに気付き、窓を叩いて悔しがるサントゥッツァ。

[V]
復活祭を間近に控え、大いに稼いで帰ってきたアルフィオとサントゥッツァの会話。
『あんたが留守の間に奥さんは家を飾っていたのよ』
ローラとトゥリッドゥの不義を聞かされ血相を変えるアルフィオ。
『よし、わかった...礼を言うぜ』

[W]
その1:
アルフィオが家に戻って以来トゥリッドゥは日々居酒屋で油を売っている。
復活祭前日、そこへアルフィオが現れる。
二人の会話。
互いに決闘のキスを交わし、トゥリッドゥはアルフィオの耳を噛む...こうして彼は約束を必ず守ると誓いを立てた。

その2:
息子の帰りを待っていたヌンツィアに語りかけるトゥリッドゥ。
『母さん...俺が兵隊に行ったときのようにキスしてくれないか、俺は明日の朝遠くへ行ってしまうんだ』

その3:
ローラとアルフィオの会話。
『まあ!そんなに急いでどこへ行くの?』
『すぐ近くさ...お前にはもう俺が戻ってこないほうがよいのだろうが』
ベッドの足元でひたすら祈るローラ。

[X]
トゥリッドゥとアルフィオの決闘の場面。
『俺が間違っているのはわかっている...でも...老いた俺の母さんを泣かせないために...俺はお前を犬ころのように殺すだろう』
『よし、わかった』

トゥリッドゥは腕に突きを受け、アルフィオの鼠径部を刺し返す。
不意にアルフィオが砂を掴み相手の目に向けて投げつける...怯むトゥリッドゥ。
アルフィオはトゥリッドゥを捕まえ、腹へ、そして最後は喉元へ...
『これで三つだ!俺の家を飾ってくれた礼だぜ』
崩れ落ちるトゥリッドゥ。
血が喉から泡を立てて流れ出る。
『ああ、母さん!』

ー 完 ー


オペラ化に際して新たに色付けされた部分は当然ながら多い。
上述のように合唱が登場する場面はほぼそうである。
またオペラではサントゥッツァの存在が軸となり、彼女とルチーア (小説ではヌンツィア)、彼女とトゥリッドゥ、同じくアルフィオとの対話が物語を運んでゆくわけであるが、小説においてはアルフィオとのやりとりしか描かれていない...扱いが軽いのだ。
その意味で決定的なのが決闘の場面のトゥリッドゥの言葉である。
彼は自分の非を認めつつそれでも闘う理由として『母さんを泣かせたくないから』とアルフィオに告げている。
(オペラにおいては [酒場での決闘の約束のシーンで] サントゥッツァを残して死ぬわけにはいかない、と心情を吐露している...この違いは大きい)

逆のパターンもある。
物語のラスト、トゥリッドゥとアルフィオの決闘の場面 ([5]) が小説の中では実に克明に描かれているのだ。
(オペラでは決闘は舞台の外で行われ、目撃者による叫び声によってトゥリッドゥの死が告げられるだけである)
また上記 [U] の部分、サントゥッツァを口説くトゥリッドゥ、人妻ローラの誘惑の場面もオペラでは (既知のものとして) 省かれている。


ヴェルガのこの原作、短いけれど内容の濃い、読み返すほどに味の出るスルメのような小説であった。
戯曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」についても追って触れてみたいと思っている。


[参考資料]
・カヴァレリーア・ルスティカーナ/河島英昭訳 (岩波文庫)
・短編「カヴァレリア・ルスティカーナ」翻訳/武田好 (星美学園短期大学研究論叢第40号)
・Cavalleria rusticana/Giovanni Verga (OMBand Digital Editions)
posted by 小澤和也 at 00:44| Comment(0) | 音楽雑記帳

2021年10月02日

シューベルト: 第6交響曲雑感

 
§交響曲 (第6番) ハ長調 D589
1817-18年作曲。
完成時、シューベルト21歳。
幼少期よりハイドン、モーツァルトそしてベートーヴェンを教材として学んできた若き巨匠による意欲作だ。
以下、この曲についての取り留めもないメモである。
 
 
§第1楽章
Adagio、ハ長調、3/4拍子〜Allegro、ハ長調、2/2拍子、ソナタ形式
 
堂々たる序奏に続く主部、第1主題は木管楽器による朗らかで快活な音楽。
調性こそ異なるがハイドンの「軍隊」交響曲を即座に連想させる。
 
充実した呈示部に比べると展開部はやや物足りない感あり。
弱音主体の美しい場面が続くが、ほどなくしてそのまま第1主題の再現へと静かにすべり込む。
 
この楽章のもう一つの目玉は “più moto” のコーダであろう。
いかにもロッシーニのオペラ序曲風。
1816年11月、歌劇『幸福な錯覚』によってウィーンにロッシーニ旋風が巻き起こる。
翌月には『タンクレーディ』も上演され、シューベルトはこれに大いに魅せられたという。
 
 
§第2楽章
Andante、ヘ長調、2/4拍子
 
A-B-A’-Bの二部形式。
第1主題がとってもチャーミング。
特に第25小節〜の美しさ!
主旋律はヴァイオリン、そこへ木管がカノンのように寄り添う。
A’(主部再現) ではこのメロディがなぜか出てこない...だからなおさら愛おしいのだ。
 
副次部 (B) はハ長調、三連符主体のリズミカルな楽想。
ハ&ト音のチューニングのまま用いられるティンパニの活躍ぶりが楽しい。
(ベートーヴェン第1交響曲の第2楽章がヒントになっているだろうか)
 
 
§第3楽章
スケルツォ: Presto-Più lento-Presto、ハ長調-ホ長調、3/4拍子
 
スケルツォ主題を一見してふと気付いた。
リズムの骨格は明らかにベートーヴェン第1交響曲のそれをベースにしていると思われる。
それでも、調性的にはベートーヴェンの主題が古典派らしくハ長調→ト長調 (属調) へと運ばれるのに対し、シューベルトではハ長調→ホ短調へと進むあたりが実に彼らしい。
 
中間部はレントラー舞曲風。
ひなびた田園風景が浮かんでくるようだ。
 
 
§第4楽章
Allegro moderato、ハ長調、2/4拍子、展開部を欠くソナタ形式
 
中期以降のシューベルト作品によく見られる “急速テンポでないフィナーレ”。
冒頭の主題がこれ。
さて、
ここで恥ずかしながら告白すると...
僕ははじめてこれを聴いたとき、あろうことか次に挙げる音楽をパッと頭に浮かべてしまったのだ。
ご存じ、国民的アニメ「サザエさん」の劇中音楽である。
(調べたところ「サブタイトル4」という題名らしい)
未だその呪縛からは解き放たれていない。
 
この楽章では実に多くの魅力的な主題が次から次へと示される。
それは良いのだが、悩ましいのはそれらの各々に相応しい速度感がまちまちであること。
そこで今回この作品を取り上げるにあたっては、敢えて積極的にテンポを動かしている。
 
すべての主題の再現ののちコーダの大団円となるのだが、個人的にはこれもAllegro moderatoの曲想とは思えない。
天国に安らうシューベルトに許しを乞いつつ、僕の心の中から湧き出る音楽を奏でたいと考えている。
 
 
明日10月3日(日)、湘南アマデウス合奏団の皆さんとこの交響曲を演奏します。
よろしければぜひお運びください。
 
演奏会の詳細はコチラ↓
 
 
posted by 小澤和也 at 16:08| Comment(0) | 日記