![]() 日本・ベルギー協会による文化交流イベントに参加しました。 まず訪れたのが東京・渋谷の國學院大學博物館。 日本ベルギー修好160周年記念「美と知の交流の軌跡」を拝観しました。 (國學院大學およびルーヴェン・カトリック大学による共催) 入館してすぐ私たちを迎えてくれたのが、明治天皇がベルギー王室に贈進された花瓶(宮川香山作)と美しい蒔絵の施された文箱。どちらもとても立派なもので、「なるほどこれが国同士のやり取りというものか...」などと、至極当たり前の感想しか思い浮かばぬほどに圧倒されました。 続いて、両国の交流の起点となる「日白修好通商航海条約批准書」の原本や数々の外交文書、さらには国王レオポルド2世による肉筆のメモ書きなどの貴重な史料を見ることができました。 批准書の署名が「源慶喜」であることに、(1866年はまだ徳川家の治世だったと)頭では解っていたものの改めてハッとさせられました。 またレオポルド2世はベルギー王国第二代の国王...建国三十余年...なんて若い国! ─ そう、両国の交流の歴史は“そう遠くない”歴史なのでした。 そして、展示史料に添えられた説明書きを見ながら「ああ、この頃ブノワはアントワープに移ったのだったな」「ブノワが◯◯を作曲した頃の出来事か」などと擦り合わせて考えるといっそう興味は尽きませんでした。 その他にも、ベルギーの博物館所蔵の浮世絵(保存状態が素晴らしかった!)などさまざまな展示がありましたが、これらは時間の都合もあって早足で。 その後会場をベルギー王国大使館へ移し、友好条約締結の歴史的背景についての講演を拝聴しました。 登壇されたデルイベルさん(本業は貿易関連の駐日ベルギー政府高官)は実に流暢な日本語で、当時ベルギーの全権大使であったオーギュスト・トキント(Auguste t'Kint de Roodenbeke)の江戸での奮闘ぶりを語ってくださいました。 ベルギーが“国”となる遥か昔から、フランダース地域は数々の自治都市として、交易によって栄華をきわめてきたという歴史があります。その熱意がトキントに、さらにはデルイベルさんに引き継がれているのかと思わせるような濃密な内容でした。 講演終了後のレセプションで、デルイベルさん、そして展覧会で解説(こちらも素晴らしい日本語)をしてくださったKUルーヴェンのカルボネ准教授にご挨拶をすることができました。 私がペーテル・ブノワ研究を続けていることを話したところ、カルボネ先生の第一声が 『それは...どういう風の吹き回しですか?』 チョコレートとビールとワッフルの国の方からこのような日本語を聞くとは...! いっぺんに先生のファンになってしまいました。 この特別展、もう一度じっくりと拝観したいと考えています。カルボネ先生の解説を脳内で再生しながら。 |
2026年06月01日
日白友好160周年の歴史
posted by 小澤和也 at 11:24| Comment(0)
| 日記
2026年05月13日
ご来場御礼
富士山コール・アニバーサリー
The 4th Concert
おかげさまで無事終演いたしました。
(4月26日 @御殿場市民会館 小ホール)
ご縁に恵まれ2024年の夏よりご一緒しているアニバーサリーの皆さんとの、
(合唱祭を除いて)初の大きな本番でした。ご来場くださいましたみなさま、お心を寄せてくださいましたみなさまに厚く御礼申し上げます。
メイン曲として名作「水のいのち」が決まったのは昨年の6月でした。一年に満たない準備期間のなかでの苦労もありましたが、何とか歌い切ることができました。
私自身にとっては高校生の頃から知る“馴染みの歌”でしたが、今回の演奏会に向け改めて詩への理解を深めることができたのは大きな喜びであり、作品理解のための大きな財産となりました。
【音楽ノート】〜過去ログへのリンク
(よろしければご覧ください)
・「水のいのち」考
(第4曲「海」について書いています)
http://kazuyaozawa.com/s/article/191507055.html
・「水のいのち」考(2)…「水たまり」
http://kazuyaozawa.com/s/article/191554344.html
・「水のいのち」考(3)...「川」
http://kazuyaozawa.com/s/article/191620881.html
加えてもう一つステージを構成するのあたって、これまでアニバーサリーでは『四季』にまつわる歌をプログラムに加えていることを知り、(それならば!)と瀧廉太郎の組歌「四季」を提案しました。
4曲全てが混声合唱のための曲ではないのですが、作曲家への敬意を常に心に置きつつ今回「アニバーサリー版」を編みました。
メンバーからは『難しい!』とのお声もありましたが、挑戦できてよかったと個人的には感じています。
愛唱曲を集めたオムニバスステージの選曲は合唱団の皆さんにお任せしたのですが、その中に「くちなし」(田三郎)が含まれていたがとても嬉しかったです。この歌は着任してすぐの頃、合唱団の声とハーモニーをつくり上げるための「練習曲」のような位置づけで手掛けたものでしたが...気づけばアニバーサリーの十八番になっていました。
永くこの合唱団のピアニストでいらっしゃる津田有紀先生にはほんとうにお世話になりました。何かにつけて楽観的に事を運ぼうとする私に絶妙の力加減でブレーキをかけてくださる「コールアニバーサリーの“良心”」的存在でいらっしゃいます。
この一年半あまり、メンバーの皆さんには『何を“歌うか”だけでなく“どう表現するか”が大切』と伝えてきました。その意味が少しずつですが確実に伝わっているように感じます。次回の演奏会へ向けて、合唱を通して皆さんに“歌う喜び”をたくさん味わっていただけるようさらに前進したいと思います。
posted by 小澤和也 at 13:16| Comment(2)
| 日記
2026年05月03日
ファンファーレオルケストの清新な世界
ことりファンファーレオルケスト サードコンサート を聴く。 (5月2日、福生市民会館小ホール) ファンファーレオルケスト(以下FO)とは、主にオランダやベルギーで広く普及・愛好されている「金管楽器とサクソフォン、打楽器で構成された」管楽合奏団の形態である。(オルケスト=orkestはオランダ語) 私がFOに興味を持ったのはつい最近である。ペーテル・ブノワがこの編成のための作品を遺していることを知ったのとほぼ同時期に洗足学園大学ファンファーレオルケストが同曲(Ouverture fantastique=幻想序曲)を演奏したのがそのきっかけとなったのだった。 2023年11月の拙ブログ記事はこちら↓↓ 『ファンファーレオルケスト初体験』 http://kazuyaozawa.com/s/article/190663997.htm 総勢30名弱の小編成にもかかわらず、ことりファンファーレオルケストの皆さんの演奏はこのジャンルへの深い愛情を感じさせる暖かく折目正しいもの。個人的にはスパーク「ベニーのためのバラード」とフォード「アイリッシュ組曲」が作品の充実もあって楽しめた。 「FOの魅力、差別化/セールスポイントってなんだろう」 演奏を聴きながらしばらく考えた。 そこで得られた結論は(ありきたりのものではあるけれど...) 「各楽器(セクション)ごとの響きの違いを際立たせて表現の幅を拡げる」 ─ やはりこれに尽きると思う。 フリューゲルホルンやユーフォニアム、そしてサクソフォンはパートあたり複数人の「厚み」で聴かせるセクションであろうし、ホルンは4名、トロンボーンは3名でそれぞれ一つの有機体を成すパートだと感じるからだ。 そして今後、FOのためのさらに魅力的なオリジナル作品が、あるいは優れたアレンジによるポピュラー名曲(吹奏楽もしくはオーケストラからの)が世に出ることでFOファンが増え、それによって楽団の活動もますます活性化してゆく、といった好循環が生まれるとよいなと思った。 私の中では、ブノワの「幻想序曲」をぜひオリジナル編成で手掛けたいという新たな目標が生まれたこともあり、FOの今後の動向に注目していきたいと考えている。 |
posted by 小澤和也 at 22:44| Comment(0)
| 日記
2026年04月04日
毛利文香さんのイザイ演奏を拝聴しました
ベルギー王国大使館よりご招待を賜り、素敵なコンサートを拝聴しました。 毛利文香(ヴァイオリン)トークコンサート 日本・ベルギー友好160周年記念 主催: 日本イザイ協会 この日演奏されたのはベルギーの作曲家で名ヴァイオリニストであったウジェーヌ・イザイ(1858-1931)の無伴奏ソナタ作品27より「第5番ト短調」「第2番イ短調」「第4番ホ短調」の3曲。これらすべてが私にとって実演に触れる初めての機会でしたが、目くるめく超絶技巧の奥に確たる造形美が見て取れ、(佳い作品を聴いた!)という率直な感想を抱きました。 イザイについて、また彼の作品に関して私はこれまでほとんど表面的な知識しか持ち合わせていませんでした。そのような私の心をも震わせてくださった毛利文香さんの演奏は、単に「美しい音色が〜」「完璧なテクニックが〜」といった次元をはるかに超えて作曲家の精神に深く迫るものであったと思います。 終始真剣な面持ちで音を紡ぎ続ける毛利さんのお顔が、時折ふっと柔らかな笑みをたたえる瞬間が何度かありました。そのたびに音楽もさっと表情を変え、新たな方向へと進んでいきました。 (この感覚は耳で聴いただけではわかり得ない、これこそが“作品に触れる”ということなのだな)...それが判るほどの距離でこの日の演奏を聴けたことにこのうえない幸せを感じました。 毛利文香さんのイザイ、素晴らしかったです。 作品はいずれも優れたものでしたが、中でも目を引いたのが「第2番イ短調」の各楽章に付けられた標題でした。 T. Obsession (妄執) U. Malinconia (憂鬱) V. Danse des ombres (影たちの踊り) W. Les furies (復讐の女神たち) 一瞥した瞬間に脳裡をよぎったのが、ペーテル・ブノワ「フルートと管弦楽のための交響詩」でした。この曲にも同じように「哀愁」「鬼火の踊り」といったタイトルが施されているのです。 ブノワはこれらを祖国フランデレンの伝承・民話から採っていますが、イザイのそれらはどのようにしてもたらされたのでしょう...実に興味深いです。 終演後のカクテルレセプションでは毛利さんやコンサートの司会進行をつとめられた村中由美子先生、日本イザイ協会の永田郁代会長ほか多くの方々とご挨拶かたがたペーテル・ブノワ研究会のことなどをお話しすることができました。こうした「ブノワを知っていただく」ためのさまざまなアクションが今後必要になってゆくのだな、と改めて感じ入りました。 |
posted by 小澤和也 at 11:07| Comment(0)
| 日記
2026年04月03日
演奏会のご案内
ご縁に恵まれ2024年夏よりご一緒している市民合唱団「富士山コール・アニバーサリー」(静岡県御殿場市) の演奏会が開催されます。 富士山コール・アニバーサリー The 4th Concert 2026年4月26日(日) 13:30開場/14:00開演 御殿場市民会館 小ホール (入場無料・全席自由) プログラム: 田三郎/混声合唱組曲「水のいのち」 瀧廉太郎/組歌「四季」 愛唱曲集 他 出演: 富士山コール・アニバーサリー 津田有紀(ピアノ) 小澤和也(指揮) 後援: 御殿場市教育委員会 御殿場市文化協会 みなさま どうぞお運びください。 |
posted by 小澤和也 at 09:40| Comment(0)
| 演奏会情報


