2010年02月28日

津波

藤沢と茅ヶ崎でオーケストラのトレーニング。
団の規模も、そして趣向もまったく異なる二つの団体であるが、目標に向かって楽曲を仕上げて行くその「眼差し」はどちらも真剣そのものだ。

今日稽古したのはそれぞれモーツァルトとラフマニノフ。
お国柄も別ならスタイル(時代)も違うのだが、どちらの曲もこのうえなく美しい。
限られた楽器編成と和声によって、この世のものとも思えぬほどに透明で清澄なモーツァルトの音楽。
豊富な音のパレットを用いて、極彩色の響きを綿々と連ねてゆくラフマニノフの音楽。

改めて、この芸術の底知れぬ「深さ」のようなものを感じる。


東海道線の運転見合わせのために、今日はとにかく移動に苦労した。
もちろん、津波への警戒が原因である。
日本から見て、地球の真裏にも近いであろう南米チリでの大地震…
そのエネルギーが津波となって日本にまで到達することに驚異を覚えつつ、被災された方々の無事と、少しでも早い復興を願うばかりである。
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2010年02月27日

始動

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ホルツブラスカペーレの稽古へ。
今年で創団20周年を迎える、横浜で活動する吹奏楽団である。
設立時は団員としてお世話になった。
そして…指揮者としてもすでに7年近くのおつき合いになろうか。

「常に上達を目指す」のか、「楽しくやりたい」と考えるか…
アマチュア音楽団体が常に抱えるテーマである。
どちらも大切なことなのだが、両立は決して容易ではない。
ホルツの場合は、これら両者のバランスがよく取れていると思うのだ。

6月の演奏会に向けて、本格始動だ。
今回も、佳い音楽を客席に届けたい。
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2010年02月24日

ぶらり(一瞬)途中下車

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久しぶりの「小町」稽古へ。

稽古場まで電車→バスと乗り継ぐ。
偶然にも、そのバスが僕の生家のすぐ脇を通っていることに先日気づいた。
今日は天気も良く暖かかったので、少しだけ早く家を出る…
そして、そのバス停で途中下車してみた。

バスを降りるとすぐ、よく連れて来られた(であろう)大きな池のある公園。
そこから家まではドブ川?沿いの道を歩いたはずなのだが、その川はすでになく、その上を首都高速が走っている。
家のあった場所はすぐに判った。
そこには古い感じの低層ビルが建っていた。

もっと見て回りたかったのだが、残念ながら時間切れ。
かすかに記憶として残っている幼稚園、銭湯、近所の町工場…
今もあるのだろうか。
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2010年02月22日

ブノワ(3):ブノワの生涯[2]

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([1]からのつづき)

1857年からのドイツ留学中、ブノワはさらに「弦楽四重奏曲」「クリスマスカンタータ」、そして多くのピアノ曲を作曲した。
クリスマスカンタータ」は、テノール独唱、混声合唱と管弦楽のための、9分ほどのチャーミングな作品である。
ここでは二重合唱は用いられていないが、ところどころ女声合唱と男声合唱が対になるような構成となっている。
また、「スケルツァンド」「マズルカ」「幻想曲」などと題されたピアノ小品は、まさに "ショパン風" のサロン音楽そのものである。

ブノワにとっての次のステージはパリであった。
この「音楽の都」で、オペラ作曲家としての地位を確立させたかったのだ。
  【留学中に家族へ宛てた手紙の中でも、早くパリへ行きたい
   と記している。また、当時すでにいくつかのオペラを完成
   させていた。】
1859年春、パリ到着。
グノーのヒット作「ファウスト」がパリ・リリック劇場で初演された数週間後のことであった。
…だが、必死の努力にもかかわらず、ブノワはついにこの街のオペラ・シーンを征服することはできなかった。

それでも彼はいくつかのオペラを書き、その合間に連作ピアノ曲「物語とバラッド集」を作曲する。
  【この作品は大いに注目され、後年パリで出版された。】
ブノワはさらに、各楽章に標題を持つ「フルートと管弦楽のための交響詩」「ピアノと管弦楽のための交響詩」を発表した。
これら3曲はいずれも、彼の故郷ハレルベケの古い伝説や物語が発想の源となっている。
…彼はこれら2つの交響詩と「物語とバラッド集」とを、一晩の演奏会で一緒に演奏して欲しいと望んでいた。

(つづく)
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2010年02月21日

最近ハマっていること その2

§オランダ語

Dag!
Hoe is het met u?
Vandaag heb ik vrij.

…と、こんな感じで、いまオランダ語にハマっている。
きっかけは、(このblogにも書いている)フランドルの作曲家ペーテル・ブノワの作品との出会いだ。

一昨年に手掛けた "Hoogmis"(荘厳ミサ)のスコアを開く。
まずオランダ語、その下にイタリア語やフランス語が添えられる形で指示記号や注意書きが記されている。
こういった場合、我々はついつい見慣れたイタリア語だけを読んで済ませてしまうのだが、そのイタリア語が「イマイチ的を射ていない」箇所が多いのだ。
例えば57ページ、

  Breed en geheimvol(オランダ語、幅広く、神秘的に)
  Poco largo    (イタリア語、少し幅広く)

ん?「神秘的に」はどこへ行ってしまった?!
「これではイカン」と、スコアのオランダ語を全て調べたのが…今思えばスタートラインであった。

オランダ語の習得が、祖国を、そして母国語をこよなく愛した作曲家ブノワのより深い理解に少しでも繋がれば…
と思っている。

dank u!
Goedenacht!
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2010年02月20日

光明

今週も合唱団あしべの稽古へ。
前回苦労した「ねこじゃらし」(新実徳英「花に寄せて」より)に再挑戦。
メンバーの必死の努力の甲斐あって、ほんの少し「光明」が見えてきたか。
〜よし、この調子だ!


久しぶりに家で飲む。
CHIMAYのホワイトをいただく。
ベルギービール…口当たりはとてもいいが、アルコール度数が高い。
チーズをつまみながら、至福のひととき。
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2010年02月18日

私の愛聴盤(2)

§ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲
 ジョージ・セル指揮クリーヴランド管('64年録音)

初めて聴いたのは大学生の頃である。
当時、本業の勉強もそこそこに、サークル活動の合唱に熱中し演奏会や展覧会にもせっせと通っていたものだった。
ある日、美大に通う友人からブラームスのLPを借りた。
その余白に入っていたのがこのハイドン・ヴァリエーション。
(メインは第3交響曲だったと思う…そちらの記憶はほとんどない)
その友人も、「変奏曲がとてもいい」と言っていた。
そしてこう付け加えた…「これを聴いていると『青』を感じるの」
「ふーん…」
躍起になって聴いたが、当時の私にはよく解らなかった。
(さすがは美大生だな…面白いこと言うなぁ…)
なんて思っていたかも知れない。

つい最近、久しぶりにCDを買い求めて聴いてみた。
確かに「色」を感じる!…『青』、あるいは『碧』に近いか。
この指揮者の清廉な音楽創り、そしてオーケストラの切れ味良い音の断面に、光る碧が見えるような気がするのだ。
そのときに友人が感じた『青』と同じかどうか、今となっては知る由もないが…
磨かれた音色と完璧なプロポーションがこのうえなく魅力的な演奏である。

木目の手触りのようなベイヌム盤、長編小説のようなフルトヴェングラー盤など、他にも好きな演奏は多いが、現在のお気に入りはこのセル盤である。
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2010年02月17日

演ずること、歌うこと

「小町百年の恋」稽古へ。
今日で三日連続となる。
今週はじめより立ち稽古に入り、いよいよ本格始動といったところだ。
タイトルロールの腰越満美さんはじめ、皆さん素晴らしい歌声を聴かせてくださっている。

オペラであるからには当然のことながら、この段階で歌い手は譜面を外さなければならない。
これは大変なことだ。
歌唱と演技の両立…そのためにできる最大限のフォローをしたい。
音楽スタッフの一員として切に思う。
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2010年02月16日

ブノワ(2):ブノワの生涯[1]

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ペーテル・ブノワ(Peter benoit)は、1834年8月17日、ベルギー・フランドル地方南西部のハレルベケに生まれた。
【ネーデルランドから独立し、ベルギー王国が成立したのが1830年の
 ことである。それまでこの地域は数百年にわたり、スペイン・オー
 ストリア・フランスなどの支配下にあった。】
フランドルはオランダ語圏であるが、当時のベルギーはフランス語を用いる少数のエリートの支配が優位を占めていた。
そしてフランドル地域は政治的、また文化的にも軽視され、疲弊していた。
若き日のブノワもやむなくフランス語で手紙を書き、自らの名前をフランス風にPierre(ピエール)と綴っていた。

1851年、首都ブリュッセルの王立音楽院に入学、F-J.フェティスらに作曲を学ぶ。
当時のブノワはかなり厳しい経済的状況にあったようである。
卒業後もブリュッセルに留まり、1857年、カンタータ「アベルの殺害」でベルギーのローマ大賞を受賞、ドイツ主要音楽都市への留学を認められた。
【「アベルの殺害」のテキストはフランス語である…当時の政府によ
 って約定されていた】
彼はドレスデン、ライプツィヒ、ミュンヘンに滞在、またベルリンではこの頃に作曲の「アヴェ・マリア」が演奏された。
この作品は二重合唱で書かれている…ブノワはこの美しい小品に「作品1」の番号を与えた。
そしてこれが、彼の作曲家としてのキャリアの本格的なスタートであった。

(つづく)
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2010年02月15日

ブノワ(1):ペーテル・ブノワをご存じですか?

ペーテル・ブノワ(Peter benoit,1834-1901)は、ベルギー、アントウェルペン地方に生まれた作曲家・指揮者・教育者である。
後半生をアントウェルペンでの音楽教育に捧げたため、作曲家としてはほとんど知られていないようである。
母国ベルギーにおいてですら、彼の作品が取り上げられる機会はそう多くないという。
(そこには、様々な歴史的事情があるようなのだが…)

私がブノワに興味を持つきっかけとなったのが、彼の "Hoogmis"(荘厳ミサ)との出会いである。
素朴ながら美しい旋律線と、しばしば現れる絶妙な転調にまず惹かれた。
またこの曲は、他の多くのミサ曲と異なり、全曲を通して合唱が重要な位置を占める。
(独唱はテノールのみ)
そして最大の特徴が、大小二群の混声合唱を用いている点であろう。
さらに、そのうちのKlein Koor(小合唱)にはtuttiとsoloの指定がある。
これにより、非常に立体的な響きの造形が実現されているのだ。

…とまあ、魅力を語りだすとキリがない。
これから少しずつ、ブノワと彼の作品について書いていきたいと思う。
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2010年02月14日

今日は何の日?

茅ヶ崎交響楽団の弦分奏へ。
ラフマニノフ晩年の大作「交響的舞曲」のフィナーレを集中して稽古。
とにかく難曲である。
聴くだけならば、この作曲家特有の絢爛なサウンドと甘美なメロディにひたすら身を任せているだけで良いのだが…
演奏する側としてはそれなりに大変だ。
和声もリズムも複雑さを窮める。

テンポを落として念入りにさらう。
そして再度、全ての声部を合わせたとき…
響きが変わり、ラフマニノフに「一歩近づく」、この瞬間が嬉しい。
(セクション練習はこの繰り返しだ。)

帰り際に、ある団員さんからサッと紙袋を渡された。
「えっ?」と思ったが…すぐに状況を理解した。
今日は「2月14日」だったな、と。
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2010年02月12日

悪戦苦闘…

合唱団あしべの稽古へ。
「ドイツ歌曲」にここのところずっと取り組んでいる。
「野ばら」「菩提樹」「歌の翼に」など、美しい日本語訳のあるものも多い。
簡潔で折り目正しい楽曲様式、そして何より美しいメロディに味わい深い魅力を感じる。
今日も「春へのあこがれ」「ローレライ」を歌い込む。

これらと並行して練習しているのが、新実徳英「花に寄せて」である。
第2曲「ねこじゃらし」…軽快なテンポと跳ねるようなリズムに、今日はかなり苦戦気味。
こんな日もあるさ…気長にさらっていこう。

がんばれ、あしべ!
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2010年02月11日

小町百年の恋

来月に水戸で上演されるオペラ「小町百年の恋」の音楽稽古へ。
指揮は、この作品の作曲者である平井秀明さん。
2003年に彼の「かぐや姫」をお手伝いしてからのお付き合いになる。

高橋虫麻呂/深草少将(二役)のテノール、上原正敏さん。
とろけるような艶のある声が、アリアの美しさと相俟って実に魅力的だ。
この作品に散りばめられているアリアはみな、和歌がテキストの中核を成しており、独特の柔らかさが特徴である。

来週から立ち稽古に入る。
どのような形で仕上がってゆくか楽しみだ。
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2010年02月10日

休日

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一気に春がやって来たかのような、気持ちのよい陽気。
今日はオフ…
部屋の片付けや書棚の整理などをして過ごす。

日曜日にいただいたお花を活けてみた。
まったくの自己流だが…これが意外と楽しい。

部屋に置いた花を眺めながら、星野富弘さんの詩の一節を思い出していた。

花は自分の美しさを
知らないから
美しいのだろうか
知っているから
美しく咲けるのだろうか
(「てっせん」…「四季抄 風の旅」より)
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2010年02月08日

私の愛聴盤(1)

私が好きでよく聴くCDなどのことを、折に触れて書きたいと思う。
第一回目は…やはりベートーヴェンに敬意を表して。

§ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」
 フェレンツ・フリッチャイ指揮ベルリン・フィル('58年録音)

かなり以前であるが、この指揮者のリハーサル(スメタナ「モルダウ」)の映像を観たことがある。
言葉で、顔つきで、両腕…否、全身で、作品への熱い思いを楽員に伝えていく。
すると音楽がにわかにその表情を変え、生命を吹き込まれてゆくのが手に取るように感じられる。
素晴らしいリハーサル風景だった。

この「エロイカ」も、とても情感豊かな演奏である。
「人間くさい」と言ってもよい。
歌い、叫び、むせび泣く。
しかし、それらが決して「ベートーヴェン=ウィーン古典派」のフォルムを壊していない。
「知」と「情」のバランスが、実に高い次元で保たれているのだ。
また、オーケストラがフルトヴェングラー時代の響きを未だ残している気がする。

私の中学生の頃からの愛聴盤である。
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2010年02月07日

ご来場御礼

SWO定期演奏会、無事終演。
天候にも恵まれ、会場の鎌倉芸術館大ホールは満席となった。
私の指揮する第一部、メンバーは現有の力を出し切ったと思う。
今日の演奏が、そして彼らの情熱がお客様の心に届いていることを願うばかりである。

打ち上げ会場でお客様からいただいたアンケートに目を通す。
その中に懐かしい名前を発見。
大学時代のサークル仲間がお子さん連れで来てくださっていたようだ。
会えなくて残念…
でも嬉しいものだ。


〜ご来場くださった皆様、ありがとうございます〜
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2010年02月06日

いよいよ明日

午後から三菱SWOの稽古へ。
いよいよ明日に迫った演奏会のための最終確認。
昨秋から約4ヶ月をかけて少しずつ積み上げてきた練習の成果をかみしめるように、オープニングの「フラッシング・ウィンズ」(ファンデルロースト作曲)のタクトを振り下ろす。
決して難解ではないが、勢いに任せず美しく響かせるには各プレイヤーの高い意識と明確なイメージを必要とする曲である。
今日のSWOはなかなか佳い音で応えてくださった。

そして、メインの「火星」&「木星」。
細部にわたり微妙なニュアンスを再度確認、構築していく。
根気が要るが楽しい作業だ。
リハが進むにつれ、流れ出る音楽の表情が豊かさを増す。
今回は、これまで以上に高い次元をメンバーに求めてきた。
果たして出来映えは…??
本番に大いに期待しよう。
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2010年02月05日

春へのあこがれ

金曜日。
合唱団あしべの稽古へ。
江戸川区で長年活動している女声合唱団だ。

今日の一曲めは「春へのあこがれ」。
…モーツァルトの最晩年に書かれた珠玉の歌曲である。
『楽しや五月 草木は萌え…』
青柳善吾による有名な訳詩、私が三部合唱に編んだ形で、年明けから取り組んでいる。
同じく晩年の作であるピアノ協奏曲K.595、フィナーレのテーマによく似た歌い出し。
(そしてなぜか「早春賦」にも似ている…偶然の「春」繋がりか?)
簡潔で透明な旋律線とハーモニー…
単に「好き」というレベルを超えて、「畏敬」のようなものを私は感じる。
何と美しい音楽をモーツァルトは我々に遺したか!
歌って、ひたすら歌い込んで、その喜びをメンバーと共有できればと思う。

このあと2曲ほど歌って、今日の稽古はおしまい。
近所のファミリーレストランで恒例のランチタイム。
これが稽古のとき以上に盛り上がることもしばしば…
「あしべ」の皆さんとの楽しいひと時である。
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2010年02月04日

最近ハマっていること

§「青年期のバッハ」巡り

ヨハン・ゼバスチャン・バッハ〜自ら演奏する機会はめったにないのだが、大好きな作曲家のひとりである。
「ゴルトベルク変奏曲」「フルート・ソナタ」「無伴奏チェロ組曲」…好きな作品を挙げればキリがない。
(「マタイ」や「ロ短調ミサ」はさらに別格!)

彼のキャリアの最初期に「コラール・パルティータ」と呼ばれるオルガン曲がいくつか作曲されている。
大まかに訳せば「賛美歌を用いた主題と変奏」といったところか。
この時代のバッハは、彼の先達であるパッヘルベルやベームら大オルガニスト(このジャンルを得意としていた)から影響を受けているという。
青年バッハのその作品からは、伝統を重んじる姿勢とともに清新な若々しさを感じることができる。
(その「若さ」が「未熟さ」になっていない点がさらに驚異である…)
また、同じ「コラール変奏」の手法で書かれたのが「カンタータ第4番」。
冒頭の弦楽合奏の悲痛な響き、合唱の緻密な音の綾、深みのあるバス独唱…
楽曲の構成スタイルこそ後年のそれとは異なるが、真に清々しく感動的な音楽である。
〜バッハの「スタートライン」を巡る旅、しばらくハマりそうである。


 ♪コラール・パルティータ『安かれ、慈しみ深きイエスよ』BWV768
 ♪カンタータ第4番『キリストは死の縄目につきたもう』BWV4
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2010年02月03日

小澤和也プロフィール

 東京生まれ。12歳よりテューバを始める。
 東京農工大学を卒業後、1997年より東京音楽大学にて指揮を学ぶ。汐澤安彦、広上淳一の両氏に師事。在学中より『ラ・ボエーム』『魔笛』他のオペラ上演においてP.G.モランディ、船橋洋介両氏らの下で研鑽を積む。
 2000年、神奈川新聞社主催「夢つむぐコンサート」出演、グラズノフ『四季』等を指揮し好評を博す。01年より新国立劇場公演『ナブッコ』『トスカ』『イル・トロヴァトーレ』『ラ・ボエーム』『アイーダ』他の副指揮、助演を務めている。03年、オペラ『かぐや姫』(平井秀明作曲)世界初演に際しても音楽スタッフとしてその堅実な手腕が高く評価された。05年には男声合唱組曲『風に寄せて』(中橋愛生作曲)を委嘱・初演、新しい響きの可能性の追究に取り組む。
 また最近では、ベルギーの作曲家ペーテル・ブノワ Peter Benoit の研究にも力を注いでいる。08年4月、「荘厳ミサ "Hoogmis"」日本初演に際してはピアノリダクションを担当、また合唱指導等にも携わり公演の成功に大きく貢献した。
 同年12月、『ある母の物語』(アンデルセン原作、白樫栄子作曲)でオペラデビュー、好評を博す。

 現在、各地のオーケストラ、合唱団、吹奏楽団の指揮、指導を行っている。東京農工大学グリークラブ、合唱団あしべ指揮者。
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三菱電機ソシオテックウインドオーケストラ

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今度の日曜日、鎌倉で吹奏楽の演奏会に出演する。
このバンドとも、もうかれこれ7年ほどご一緒しているだろうか…
年を追うごとに、少しずつではあるが「楽団固有のサウンド」が醸成されつつある。
今回のメインはホルスト『火星&木星』。
もともと四管編成の大管弦楽のための作品であり、まず「響き」そのものが大いにモノを言う曲だ。
これを吹奏楽で演奏するのはもちろん「ハンデ」なわけであるが、様々な工夫を凝らしての「挑戦」である。
メンバーの気合いも、例年にも増して大いに感じる…楽しみだ。

♪三菱電機ソシオテックウインドオーケストラ 第17回定期演奏会
 2010年2月7日(日) 14時開演
 鎌倉芸術館大ホール 入場無料 全席自由 

この他にも、肩の凝らない楽しい曲も用意されています。
(団員の五十嵐さんも指揮をします)
ぜひお運びください。
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2010年02月02日

こんにちは

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みなさま、こんにちは。
指揮者の小澤和也(おざわ・かずや)です。
このたび、blogを立ち上げました。
日々の出来事や、音楽活動の中で感じたこと、考えたことなどを少しずつ綴っていきます。
また、私の出演する演奏会のごあんないや、私の好きな曲、好きなCDなどについても書いていきたいと思います。

応援よろしくお願いいたします。
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