2010年05月30日

稽古も佳境に

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農工大・府中キャンパスへ。
グリークラブ/記念演奏会の稽古も今日で4回目だ。
女声練習は、ピアニスト不在のため無伴奏曲を中心に行う。
本日初登場のOG、Sさんは奈良県からの参加である。
ちょうど10年前、農工グリーの演奏会で初めて女声合唱ステージを置いたときの一員でもある。
旭川の山ちゃんもそうだが、こうして遠くからエントリーしてくださるメンバーがいるというのは本当にありがたいことだ。


続いて男声練習。
曲が曲だけに、仕上がりのペースは早い。
「詩」はあくまで「音楽」に付随して歌われるものであるが、それでもメンバーが詩への深い理解を共有できたとき、出てくる声と表情は劇的に変わる。
今日は何度か、その瞬間に出会うことができた気がする。


稽古も残りあと3回。
皆さん、がんばりましょう♪


 §画像は農学部本館…いつもここで練習している。
  ごく普通の建物なのだと思うが、緑に囲まれた中での
  静かな佇まいが好きだ。
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2010年05月29日

久々の作業

ネットオークションで「ブノワ/ルーベンスカンタータ」のLPを落とす。
50年以上前の旧い録音のCDしか持っていなかったので、どうしても聴きたかったのだ。


さて。
プレーヤを手に入れなければ…
(順序が逆な気もするが)
〜という訳で、これまたネットオークションで中古のレコードプレーヤをゲット。
KENWOODの「KP-880D2」という機種である。
本体、ターンテーブル共に重量感があって、僕好み。
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少し遅れてレコードが届いた。
さっそく盤をターンテーブルに乗せる…久々に行う作業(?)がぎこちない。
そして針を落とす。
この一連の「儀式」のような流れ…
「音楽を聴くんだ!」という心構えが生まれたものだ。
当時、盤だって、とっても大切に扱っていた。
〜思えば、子供の頃はこうして好きな音楽を聴いていたのだ…

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いい音だなぁ…
厚みと重みを感じさせる、心地よい音である。
単に「音」でなく、「音楽」を聴こうとする耳には、針音はまったく気にならなかった。
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2010年05月26日

私の愛聴盤(9)

§ブラームス/交響曲第2番
 カール・ベーム指揮ベルリンフィル('56年録音)


二週続けての「愛聴盤」である。
(昨日〜今日とスコアを読んでいて、ふと書きたくなったのだ)
ブラ2…
言わずと知れた名曲であり、ライヴでもレコードでも様々な演奏を聴いてきたように思う。
10代の頃にLPで持っていたのは、たしかケルテス盤とバルビローリ盤の2枚だ。
理由は簡単。
「廉価盤」で「オケがウィーンフィル」だったから…
(ケルテス盤は今も聴く)

晩年のベームは日本ではとても人気があった。
最後の来日公演 ('80年)でのベートーヴェンの演奏会はFMで生中継され、僕は居間のステレオの前でじっと座って聴いていた。
「第7」が終わった直後の聴衆の絶叫にも似た歓声、終わらない拍手喝采…
「偉い指揮者なんだなぁ」と、子供心に感嘆したものである。
〜今にして思えば、良くも悪くも「巨匠的」なベートーヴェンであった。


さて、このブラームスはベームの壮年期(といっても60歳代だが)の記録である。
隅々まで目を光らせ、表情に一切の緩みは無く、オケのスタンドプレーを許さない(!)かのような、意志の力、統率力のみなぎる演奏だ。
かと言って、小賢しいテンポ操作や恣意的なニュアンス付けがあるワケでは決してなく、引き締まってはいるが実に自然な流れなのである。
(余談だが、終楽章のコーダで突然我を忘れて突っ走ってしまう演奏が僕は大の苦手だ)
加えて、当時のベルリンフィル(フルトヴェングラーが世を去ってまだ2年!)のサウンドが実に素晴らしい。
「カラヤン色」に染められてしまう前の、「渋い音色と高い機動性」を兼ね備えたこのオーケストラで聴くブラームス、僕のお気に入りである。
posted by 小澤和也 at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛聴盤

2010年05月24日

演奏会のごあんない

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近く開催される演奏会のごあんないです。

§ホルツ・ブラス・カペーレ 第35回定期演奏会
 日時…2010年6月19日(土)15時開演
 会場…横浜市栄区 栄公会堂(JR根岸線本郷台駅下車)
 曲目…リード/序曲「春の猟犬」、ホルスト/第2組曲 他
 出演…小澤和也(指揮)

♪長年ご一緒している横浜の吹奏楽団です。


§東京農工大学グリークラブ 第30回記念演奏会
 日時…2010年7月4日(日)15時開演
 会場…練馬文化センター小ホール(つつじホール)
 曲目…多田武彦/「富士山」、信長貴富/「うたを うたう とき」他
 出演…小澤和也(指揮)、宮代佐和子(pf)

♪記念ステージではOB、OGの皆さんとの合同演奏をします。


§アダチ歌劇団公演「メリーウィドウ」
 日時…2010年7月11日(日)15時30分開演
 会場…NB CLUB (JR新橋駅下車) 全自由席¥6,000
 曲目…レハール/オペレッタ「メリーウィドウ」
 出演…安達沙緒理(ハンナ)、和田ひでき(ダニロ)他
    小澤和也(指揮)、Ensemble MOOI


皆さま、ぜひお運びください。
posted by 小澤和也 at 09:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 演奏会情報

2010年05月23日

二度あることは三度…

雨。
今年も歌えなかった…残念。
江戸川区「中央地域まつり」での屋外イベント。
これで三年連続、雨に祟られたことになる…
5月第四日曜日は「雨の特異日」なのだろうか!?

あしべの皆さん。
今日歌うはずだった曲、いつかぜったい歌いましょうね!
posted by 小澤和也 at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年05月21日

あとはお天気次第…

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合唱団あしべのレッスンへ。
区主催のイベント出演を明後日に控え、プログラムの最終確認。
当日はステージにピアノが無く、あらかじめ録音した伴奏に合わせて演奏しなければならない。
入念に歌い込む。
また、ステージが屋外なので、雨が降ってしまうと式典が中止となってしまう…こればかりは祈るしかない。
お稽古の途中で、ヴォイストレーナーの坂野さんがサプライズで登場、メンバーを激励してくださった。

どうかお天気が「もちます」ように…
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

稽古初日

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雨の木曜日。
「メリーウィドウ」音楽稽古へ。
ソプラノの安達沙緒理さん率いるアダチ歌劇団との初共演だ。


「メリーウィドウ」はウィンナ・オペレッタの傑作、底抜けに楽しい物語である。

《あらすじ》
舞台は花の都パリ。
とある小国出身の未亡人ハンナは夫の莫大な遺産を相続している。
その遺産を目当てに言い寄る男達…
一方、元恋人のダニロはハンナのことが忘れられないのだが、「財産目当て」と言われるのが嫌でよりを戻せないでいる。
一方のハンナも、ダニロに想いを寄せつつもなかなか素直になれず…
パリ駐在公使のツェータとその妻ヴァランシェンヌ、そしてパリの伊達男カミーユが彼女を口説く。
さて、それぞれの愛の結末は…?


歌手の皆さん、初めてご一緒する方々ばかりだったが、ひとつの作品でこうして繋がり合っている彼らとの「音楽を創る」作業はとても楽しいものだ。
台詞回しや演技で大いに目を引く作品だが、「歌そのものの魅力」でも聴衆を惹きつける、そんな高みを目指したい。
posted by 小澤和也 at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年05月19日

私の愛聴盤(8)

§ブルックナー/交響曲第7番
 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン('80年録音)


僕が買った最初のCDである。
〜もう25年近く前になるのか…ちょっとビックリだ。
当時の定価がたしか3300円。
貧乏な学生にはキビシイ額だったなあ…
(思い出した…僕はこれを大学生協で1割引で買ったのだった)
大切に大切に、繰り返し聴いていた記憶がある。

第一楽章冒頭より、SKDの決して派手でない、すべてのセクションが溶け合ったサウンドが美しい。
チェロとホルンのブレンドされた音色、ヴァイオリンと木管楽器の妙なる調和、全合奏での金管群の柔らかい力強さ…

ブロムシュテットさん(ついついこのように呼びたくなってしまう)の音楽づくりも、丁寧であると同時にきわめて自然である。
だから、緻密であっても息苦しくならない。
ブルックナーの音楽に「アイディア」や「工夫」「ひらめき」などは無用だと、僕はいつも思っている。
演奏者が聴衆に対して声高に「説く」必要はないのだ。

第二楽章も、過度の演出を避け、淡々とした(それでいて愛に溢れた)ブロムシュテットさんの「筆の運び」が却って心にしみる。
その終わり近く、崇拝するヴァーグナーの死を悼んで書かれたと言われるヴァーグナーテューバのコラール。
その静寂を破って(この盤では21分22秒付近〜)肺腑に突き刺さるようなホルンの「悲痛な」叫び。
…何という音色のコントラスト!

いろいろな「第7」を聴いたが、やっぱりここに「還って」きたくなる、そんな愛聴盤である。
posted by 小澤和也 at 08:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛聴盤

2010年05月17日

再会

日曜日。
新宿で山ちゃんと待ち合わせ。
山ちゃんは農工グリーでの同期の仲間で、現在は旭川在住。
7月の記念演奏会に向けての稽古のために、わざわざ上京してくれたのだ。
一年ちょいぶりの再会だ。

コーヒーを飲みながらお互いに近況報告。
「東京は暑いなぁ!」と山ちゃん。
(彼はもともと北海道の出身なのだ)
お土産をいただく。
山ちゃんは知っている…僕が昔から甘いもの好きなのを。
「白い恋人」で有名な札幌のお菓子屋さんの「美冬」。
「みふゆ」と読むのかしら…?
ミルフィーユと掛けた綺麗なネーミング。

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二人で農工大の稽古場へ移動。
途中、JR国分寺の駅前で「スタ丼」を食べる。
懐かしい。
そして…美味。
学生時代、合唱練習後に仲間達とよくここでスタ丼を掻き込み、それからボウリングに興じたものだった。
当時の店構えは普通のラーメン屋だったのだが。
今はその名もズバリ…

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男声「富士山」のレッスンの後、山ちゃんは急いで羽田へと戻って行った。
僕は残って、引き続き女声合唱ステージの練習。
次に会うのは演奏会前日かな…
山ちゃん、お疲れさまでした!
posted by 小澤和也 at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年05月15日

「音」を積み重ねる

専修大学フィルの稽古へ。
ソリストとの合わせを直前に控え、マーラー「さすらう若人の歌」の合奏を見る。
後年の楽曲に見られるような技巧的なオーケストレイションではないが、繊細で緻密な響きが求められている作品である。

弦楽器、管楽器そして打楽器…
一つひとつの音型に意味を与え、あらゆる旋律に磨きをかけてゆく。
気が遠くなる「行程」だが、積み重ねがすべてである。
そしてそれらを合わせたとき…
時折「マーラーの音」がする瞬間を聴くことができた気がした。

本番まであと一ヶ月あまりとのこと。
学生達との練習は今期あと一回だ。
「瞬間」を繋いで「音楽」とする作業、彼らと楽しみたい。
posted by 小澤和也 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年05月13日

「旧く」て「良い」もの

東京農工大学グリークラブの稽古へ。
今日の会場は工学部のある東小金井キャンパス。
およそ半年ぶりに駅に降り立つ。
高架化工事が終わっていて、ようやく利用しやすい駅になっていた。

今日は、在校生による愛唱歌ステージのレッスン初日。
様々なジャンルの曲を取り上げるのだが、中には25年前に僕がここで歌った歌もある。
指揮をしながら、当時の響きが脳裏を過ぎる。
当たり前のことだが、「あの頃」とは時代も、流行りのスタイルも、そして学生の気質もかなり違っていて…
それが歌にも現れているようだ。
(「昔はもっとこう…腹に力を入れてだな…そこはもっと強く!…」)
などと思いつつ、稽古を進める。
(総じて、今のメンバーは「柔らかく綺麗に」歌うのだ)

「今」の彼らの音楽性を活かしながらも、彼らの知らない「旧く」て「良い」ものを、これらの楽曲を通じて伝えていきたいと…心から思う。
posted by 小澤和也 at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年05月11日

読みまつがい 二題

何でもない普通の看板が、仕事柄まったく違うふうに見えてしまうことが時々ある。

偶然通りかかった理容室の看板。
ぱっと見「スタッカート」。
「変な名前〜!」と思ってよく見ると…
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とある展覧会らしき看板。
ぱっと見「ビバルディ」。
「焼きまんじゅうと何の関係が!?」と思ったら…

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ヒルバテイ…
調べたのだけれど、ある地域で「昼にうどんを食べること」らしいとしか判らなかった。
気になるなぁ、ヒルバテイ…


何でも音楽用語に見えてしまうのも困ったものだ…
posted by 小澤和也 at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年05月10日

音楽と食欲

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ホルツブラスカペーレ、恒例の合宿@三浦海岸へ。
土曜日9時間、そして昨日も4時間の練習。
来月の演奏会に向けての曲創りを集中して行う。
ホルストの組曲や「情熱大陸」など、いい感じに仕上がってきた。


話は飛ぶが…
合宿は「太る」。
一日三回、宿の食事をがっつりといただく。
(指揮はああ見えて腹が減るのだ)
加えて夜の合奏後の懇親会…
昨晩は、ご結婚されたばかりの団員Uさんのお祝い会も催された。
(ホルツは「遊び」にも手を抜かないのだ)
賛美歌斉唱、ケーキ入刀、そしてアルバム&色紙贈呈と、一同歓声と爆笑の連続。


ホルツの皆さん、お疲れさまでした。
演奏会に向けてがんばろう!
posted by 小澤和也 at 01:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年05月07日

あしべ

GWを挟んで、久しぶりのあしべの稽古。
とっても待ち遠しかった。
その思いはメンバーの皆さんも同じだったみたいで、歌声にもそれが現れていたようである。
楽しいレッスンだった。

メンバーのお一人、Sさん。
ヨーロッパ旅行から戻られて、久々の練習参加。
お話を聞くと、アイスランドの火山の噴火の前日にフランクフルトに入り、規制が解除されたばかりのヒースロー空港から戻ってこられたとのこと…
素晴らしい強運の持ち主である。
彼女の楽しい土産話で、稽古もランチも大いに盛り上がった。


明日からホルツの合宿。
たった今、先乗りして宿に到着したところである。
これからプチ宴会。
posted by 小澤和也 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年05月06日

パズル

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先日、電車に乗っていたときのこと。
隣に座っていた若い男性がルービックキューブに興じていた。
むかし流行った立体パズルである。
僕も中学生の頃「何秒で6面できるか!?」をクラスメートと競った記憶がある。


しばらくうたた寝して、ふと目を覚ます。
すると、僕の正面に腰掛けている女性が目を丸くしてこちらの方を見ている。
何だろう?と隣を見ると…
!!!
こんなの初めて見たぞ!

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ルービックキューブ=3×3×3だとばかり思っていたので、正直ビックリである…
男性はよどみなく手を動かし、やがて6面を完成させた。
感心して見ていると、彼がバッグからまた何か取り出している。
そして出てきたのが…

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唖然…。
こんなモノを考えつくなんて…人間の頭脳ってスゴイな…
なんて思ってしまった。
(これらをいくつも持ち歩いている彼もスゴイ)

残念だったことが一つ。
彼がこれを完成させる前に、
僕の降りる駅に着いてしまったのだ…
後ろ髪を引かれる思いで、席を立ったのだった。
完成したら、どんな形だったのだろう…?
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2010年05月04日

美しい五月

今日も快晴。
ちょっとお出かけ。

ランチにパスタをいただく。
メニューに「ドリンク、健康サラダ付き」とあるのを読み間違えて、
「ん?健康ドリンク付き、って…何だ?(青汁か?)」と、一瞬思ってしまった。
出てきたのは、ベビーリーフの美味しいサラダ。
締めはエスプレッソで。

何となくボーッとしたくなり、公園へ。
まさに「美しい五月」。
ハナミズキが目に止まる。
白とピンクの競演。
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しばらく園内をゆっくりと巡る。
風が心地よく、緑が目にやさしい。
そこに、ひときわ鮮やかに赤いものが…モミジだった。
赤と緑と光のコラボ。
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ひと色だけだとつい見過ごしてしまうけれど、
こうしてコントラストを生み出すことによって、
それだけ「語りかける力」が強くなる。
「自然の色」って、こんなにも美しいものなのだな。


GWも終盤。
皆さんはいかがお過ごしですか?
posted by 小澤和也 at 21:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2010年05月03日

ブノワ(13):レクイエム[1]

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以前に取り上げた Hoogmis(荘厳ミサ)とともに僕が愛してやまない曲、それが「レクイエム」である。
今回も敢えて「文章」にしてみたい。
この作品、日本での演奏の記録はない。
また市販されている音源も、これまでのところ確認できなかった。
(ご当地にはあるのかもしれないが)


§ Requiem【宗教曲四部作第4曲】
・作曲/初演 1862-63年、パリ/1863年9月、ブリュッセル
・演奏時間  約40分
・編成    フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2
       ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、テューバ1
       ティンパニ、ハープ1、弦五部、オルガン
       二重合唱(大、小)、少年合唱


[レクイエムとキリエ]

Moderato poco larghetto ト短調 4/2拍子

複合三部形式に近い構成と言えよう。
曲頭、ホルンによるモットーが虚空より響いてくる。
「レ---ド--レ|レ-------」
たった2つの音からなるシンプルなものだが、この先もたびたび現れる支配的なモティーフである。
これを受けて、無伴奏の男声合唱が「永遠の安息を〜」とppで歌う。
テノールの旋律にもモットー音型が用いられている。
次いで、やはり男声による「そして絶えざる光が〜」の部分に入る。
変ホ長調で始められるが、すぐに変ト長調→重変ロ(実質はイ)長調→…と転調を重ねつつ高まってゆく。
冒頭部がユニゾン、あるいは空虚5度によるものだっただけに、この部分の色彩感とその変化には自然と心を動かされる。
ト長調の和音がffで響き、それがおさまると、再びホルンのモットーとともにブリッヂ部に入り、そのまま「キリエ」へと進む。

  ※"Te decet hymnus〜"(主への称賛をふさわしく〜)
    の部分は作曲されていない。

Andantino 変ロ長調 3/2拍子

大小の混声四部合唱により「主よ、憐れみたまえ」の主題が明るく、柔らかく応唱される。
主題のモティーフ展開が続いたのち変ホ長調に転ずると、大合唱のバスが「キリストよ憐れみたまえ」と低く呟く。
この時の低弦の音型もモットーから派生したものだ。
次いで小合唱にカノン的に歌われるメロディは、聴く者をどことなく不安な気持ちにさせる。
すぐに大合唱が加わっていったん変ニ長調に落ち着くが、再びバスの「呟き」以降が繰り返される。
やがて「主よ〜」の部分が再現し、そのまま中間部を終える。

Tempo primo に戻り、主部の回帰となる。
ただしここでは前半と異なり、モットー→男声合唱ののち、ほどなく大小の混声四部によるユニゾン&空虚5度の掛け合いとなる。
このままト調に終結するかと見せ…
ニ長調の和音に解決、そして再度空虚5度となる。
すべての音が消えると、最後にまたもホルンのモットーが長く奏され、この章を閉じる。

我々がよく知るモーツァルト、ヴェルディ、フォーレなどの「キリエ」とは明らかに違うエンディングの印象(完結感が弱い)だが、そのぶんこの「モットー」の存在感が際立っているように思える。
なお、 Hoogmisと異なり、テンポや表情の指示にはオランダ語でなくイタリア語が用いられている。


(つづく)
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2010年05月01日

私の愛聴盤(7)

§シューベルト/4つの即興曲 D.899
 ラドゥ・ルプー(pf)('82年録音)

昔、就職してまだ間もない頃、オーディオに凝っていた時期があった。
当時、何かの本で「優秀録音」として紹介されていたのがこのCDである。
その頃の僕は…シューベルトの歌曲や室内楽には親しんでいたものの、ピアノ曲には正直なところほとんど馴染みがなかったのだが…

ハ短調の第一曲で、いきなりハートを掴まれた気がした。
ルプーの絶妙のタッチが心を打つ。
弱音のなんという美しさ!
ある箇所はさりげなく通り過ぎ、かと思うと次のフレーズは表情豊かに歌い抜かれる。
しかもそのエスプレッシーヴォが湿っぽくないのだ。
  
  (ウィルヘルム・ケンプのシューベルトも好んで聴くが、
   彼の歌心はもう少し乾いている…逆にウェットなのが
   内田光子であろうか)

曲が始まって4分近く進んだ所からの、変イ長調の慰めるようなメロディ。
それが二度目に歌われる時に、応答するように現れるソプラノの短いパッセージがまた絶美である。
さりげないがゆえになおさら、淋しさや悲しさをより色濃く醸し出しているように思えるのだ。

第二曲以降も、晩年のシューベルトの中をよぎったであろう様々な心象を感じさせてくれる。
   喜びと憧れ。
   祈り。
   …そして諦念。
特に第三曲の澄み切った境地にはいつも心惹かれる。

僕の「癒し系」愛聴盤である。
posted by 小澤和也 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛聴盤