2010年08月31日
ブノワ(15):レクイエム[1改]
以前に取り上げた Hoogmis(荘厳ミサ)とともに僕が愛してやまない曲、それが「レクイエム」である。
今回も敢えて「文章」にしてみたい。
この作品、日本での演奏の記録はない。
また市販されている音源も、これまでのところ確認できなかった。
(ご当地にはあるのかもしれないが)
《追記》
今月、ベルギーで1982年頃に制作されたLPレコードをようやく発見、入手した。
指揮:ヘルマン・ルールストレーテ
演奏:BRT合唱団、コルトリク混声合唱団&室内管弦楽団
録音:1975.11.
§ Requiem【宗教曲四部作第4曲】
・作曲/初演 1862-63年、パリ/1863年9月、ブリュッセル
・演奏時間 40〜50分
・編成 フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2
ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、テューバ1
ティンパニ、ハープ1、弦五部、オルガン
二重合唱(大、小)、少年合唱
[レクイエムとキリエ]
Moderato poco largetto ト短調 4/2拍子
複合三部形式に近い構成。
曲頭、ホルンによるモットーが虚空より響いてくる。
「レ---ド--レ|レ-------」
たった2つの音からなるシンプルなものだが、この先もたびたび現れる支配的なモティーフである。
これを受けて、無伴奏の男声合唱が「永遠の安息を〜」とppで歌う。
テノールの旋律にもモットー音型が用いられている。
次いで、やはり男声による「そして絶えざる光が〜」の部分に入る。
変ホ長調で始められるが、すぐに変ト長調→重変ロ(実質はイ)長調→…と転調を重ねつつ高まってゆく。
冒頭部がユニゾン、あるいは空虚5度によるものだっただけに、この部分の色彩感とその変化には自然と心を動かされる。
ト長調の和音がffで響き、それがおさまると、再びホルンのモットーとともにブリッヂ部に入り、そのまま「キリエ」へと進む。
※"Te decet hymnus〜"(主への称賛をふさわしく〜)
の部分は作曲されていない。
Andantino 変ロ長調 3/2拍子
大小の混声四部合唱により「主よ、憐れみたまえ」の主題が明るく、柔らかく応唱される。
主題のモティーフ展開が続いたのち変ホ長調に転ずると、大合唱のバスが「キリストよ憐れみたまえ」と低く呟く。
この時の低弦の音型もモットーから派生したものだ。
次いで小合唱にカノン的に歌われるメロディは、聴く者をどことなく不安な気持ちにさせる。
すぐに大合唱が加わっていったん変ニ長調に落ち着くが、再びバスの「呟き」以降が繰り返される。
やがて「主よ〜」の部分が再現し、そのまま中間部を終える。
Tempo primo に戻り、主部の回帰となる。
ただしここでは前半と異なり、モットー→男声合唱ののち、ほどなく大小の混声四部によるユニゾン&空虚5度の掛け合いとなる。
このままト調に終結するかと見せ…
ニ長調の和音に解決、そして再度空虚5度となる。
すべての音が消えると、最後にまたもホルンのモットーが長く奏され、この章を閉じる。
我々がよく知るモーツァルト、ヴェルディ、フォーレなどの「キリエ」とは明らかに違うエンディングの印象(完結感が弱い)だが、そのぶんこの「モットー」の存在感が際立っているように思える。
なお、 Hoogmisと異なり、テンポや表情の指示にはオランダ語でなくイタリア語が用いられている。
(つづく)
※2010/05/03の記事に手を加えて再掲
2010年08月29日
演奏会のごあんない
近く開催される演奏会のごあんないです。
§第32回 江戸川区合唱祭
日時…2010年10月3日(日) 午後開演
会場…タワーホール船堀大ホール 入場無料
♪「合唱団あしべ」をはじめ、区合唱連盟所属の多くの合唱団が日頃の練習の成果を披露します。
あしべは、瀧廉太郎/組歌「四季」を演奏します。
§カリーノ・スケルツォ交響楽団 第1回演奏会(仮題)
日時…2011年1月10日(月祝) 午後開演
会場…川崎市教育文化会館
曲目…ブラームス/交響曲第2番、リスト/ピアノ協奏曲第1番 他
出演…山崎麻衣(ピアノ)、小澤和也(指揮)
♪音楽をこよなく愛する若者達による新しいオーケストラです。
§三菱電機ソシオテック・ウィンドオーケストラ 第18回定期演奏会
日時…2011年1月23日(日) 午後開演
会場…鎌倉芸術館 入場無料
曲目…未定
出演…小澤和也、五十嵐史生(指揮)
皆さま、ぜひお運びください。
§第32回 江戸川区合唱祭
日時…2010年10月3日(日) 午後開演
会場…タワーホール船堀大ホール 入場無料
♪「合唱団あしべ」をはじめ、区合唱連盟所属の多くの合唱団が日頃の練習の成果を披露します。
あしべは、瀧廉太郎/組歌「四季」を演奏します。
§カリーノ・スケルツォ交響楽団 第1回演奏会(仮題)
日時…2011年1月10日(月祝) 午後開演
会場…川崎市教育文化会館
曲目…ブラームス/交響曲第2番、リスト/ピアノ協奏曲第1番 他
出演…山崎麻衣(ピアノ)、小澤和也(指揮)
♪音楽をこよなく愛する若者達による新しいオーケストラです。
§三菱電機ソシオテック・ウィンドオーケストラ 第18回定期演奏会
日時…2011年1月23日(日) 午後開演
会場…鎌倉芸術館 入場無料
曲目…未定
出演…小澤和也、五十嵐史生(指揮)
皆さま、ぜひお運びください。
2010年08月28日
Twitter風に
近所の焼肉屋で夕飯。
まずは生ビールにタン塩、ロース、カルビ…
王道的ラインナップ。
野菜焼盛り合わせにゴーヤが。
「夏なので加えました!」なぜか店員さん力説。
でも、所詮ゴーヤはゴーヤであった…苦い。
「特選和牛 上ロース」に行ってみる。
おぉ〜
見た目からして違うではないか!
そして肉の柔らかさ、脂の味も旨い…やはり上には上があるものだ(笑)
付け合わせはネギ、かと思ったら「お餅」。
これを煮込んだのがトッポギと言うらしいが、よく分からない。
うーん…日本のお餅のほうが全然美味しいな。
大大大満足。
リピート確実。
まずは生ビールにタン塩、ロース、カルビ…
王道的ラインナップ。
野菜焼盛り合わせにゴーヤが。
「夏なので加えました!」なぜか店員さん力説。
でも、所詮ゴーヤはゴーヤであった…苦い。
「特選和牛 上ロース」に行ってみる。
おぉ〜
見た目からして違うではないか!
そして肉の柔らかさ、脂の味も旨い…やはり上には上があるものだ(笑)
付け合わせはネギ、かと思ったら「お餅」。
これを煮込んだのがトッポギと言うらしいが、よく分からない。
うーん…日本のお餅のほうが全然美味しいな。
大大大満足。
リピート確実。
2010年08月27日
とある一日に思う
8月26日…44度めの誕生日。
今さら騒ぎ立てる齢でもないけれど。
静かに一日を過ごす。
スコアのページをめくりながら、あるいは頭の中に音をイメージしながら、
何となく心に浮かんだこと…
これからも「音楽に生きる」。
そして、これまで以上に、
より善い仕事をするべし。
より善い音楽家となるべし。
この道に進んでもうすぐ10年。
…『ようやく』10年である!
これからがいよいよ正念場。
作品と、そして作曲家と真摯に向き合い、
「己の信ずる音楽」をアウトプットせよ。
〜新たなる飛躍を期して〜
今さら騒ぎ立てる齢でもないけれど。
静かに一日を過ごす。
スコアのページをめくりながら、あるいは頭の中に音をイメージしながら、
何となく心に浮かんだこと…
これからも「音楽に生きる」。
そして、これまで以上に、
より善い仕事をするべし。
より善い音楽家となるべし。
この道に進んでもうすぐ10年。
…『ようやく』10年である!
これからがいよいよ正念場。
作品と、そして作曲家と真摯に向き合い、
「己の信ずる音楽」をアウトプットせよ。
〜新たなる飛躍を期して〜
2010年08月24日
続・ベルギー人って…!
21日の記念演奏会終了後、何人かの方々からメールをいただく。
素敵なナレーションを聞かせてくださった司会の田添菜穂子さん、高校の後輩で打楽器奏者(第2&3部出演)の天明さおりさん…
田添さんは、初対面だったにもかかわらずそれを全く感じさせない、フレンドリーな魅力の持ち主だ。
「きもの」がご趣味でいらっしゃるらしく、彼女のBlogには「和服美人」のご自身のお姿も…
天明さんに会うのも実に久しぶりだった…優に10年は超えているかも。
今度はぜひ共演したいものだ。
僕の楽屋に突如現れたカメラスタッフSさんも、画像を送ってくださった。
どうもありがとう!
一緒に写っているのは演奏会に駆け付けてくれた、高校の教え子SとN(そしてJr.)。
みんな大人になったねぇ…
さて、例のeBayオークションのその後。
先方から連絡が来た!
「明日、ご希望の楽譜を送ります。切手を送ってくださるのは
それまで待ってください…」
おぉ…やっぱりイイ人ではないか!
「私がこの郵便物に貼ったベルギーの記念切手も、一緒に送り
返してもらえますか?」
うーむ、これは筋金入りの切手マニアのようである…
だから「待っててください」なのだな(納得)。
一冊の古い楽譜を巡って、見ず知らずの外国人とこんなやり取りができるとは…
楽譜ももちろん待ち遠しいけれど、この成り行きもなんだか楽しみだ。
2010年08月23日
ベルギー人って…!
ネットオークション(eBay)でペーテル・ブノワの歌曲の楽譜を見つける。
出品者はベルギーのショップ。
さっそく入札しようとしたのだが…
「配送先は国内&オランダのみ」とのエラーメッセージが出てしまう。
そして、メッセージの終わりのほうに
「〜それでもなおこのアイテムに興味のある場合には、
セラーにお尋ねください」
さっそく、超シンプルな英文で、
「日本でブノワを研究しています…これをぜひ私に譲ってください!」
と送ってみた。
すると、ほどなく返事が。
「No!…日本向けには売りません。」
なーんだ、ダメかぁ…
しかし…続きがあった。
「…でも、ひとつ提案があります。
私は切手収集をしています…
あなたの持っている日本の切手を私に送ってくださったら、
この楽譜をあなたに進呈します。
送り先を*****@###.beに知らせてください。」と!
やっとのことで状況を理解し、eBayを再度覗くと…
楽譜はすでに出品リストから消えていた。
ベルギー人って…なんていいヤツばっかりなんだ!
アントワープのJanさん、レコード会社PhaedraのLucさん。
そして今日のセラー…
ありったけの切手をかき集め、ついでに郵便局でJapanese UKIYOEの切手を買い求める。
今は先方の住所の連絡待ち中…
果たしてこの「物々交換」、成立なるか!?
出品者はベルギーのショップ。
さっそく入札しようとしたのだが…
「配送先は国内&オランダのみ」とのエラーメッセージが出てしまう。
そして、メッセージの終わりのほうに
「〜それでもなおこのアイテムに興味のある場合には、
セラーにお尋ねください」
さっそく、超シンプルな英文で、
「日本でブノワを研究しています…これをぜひ私に譲ってください!」
と送ってみた。
すると、ほどなく返事が。
「No!…日本向けには売りません。」
なーんだ、ダメかぁ…
しかし…続きがあった。
「…でも、ひとつ提案があります。
私は切手収集をしています…
あなたの持っている日本の切手を私に送ってくださったら、
この楽譜をあなたに進呈します。
送り先を*****@###.beに知らせてください。」と!
やっとのことで状況を理解し、eBayを再度覗くと…
楽譜はすでに出品リストから消えていた。
ベルギー人って…なんていいヤツばっかりなんだ!
アントワープのJanさん、レコード会社PhaedraのLucさん。
そして今日のセラー…
ありったけの切手をかき集め、ついでに郵便局でJapanese UKIYOEの切手を買い求める。
今は先方の住所の連絡待ち中…
果たしてこの「物々交換」、成立なるか!?
2010年08月22日
三度目の成人式
昨日(8/21)、師匠である安保國重氏の還暦記念演奏会にゲスト出演した。
(於:神奈川県立音楽堂)
僕の出番は第1部、横浜清風高校吹奏楽部のステージ。
まずは安保さんの指揮で、今夏のコンクール曲2曲を演奏。
自由曲のグラズノフ「四季」より「秋」は、アマチュア時代に彼の棒で吹いており、また僕自身も何度となく振っている思い入れのある曲だ。
下手袖で聴きながら当時のことをあれこれ思い起こす。
ここで安保さんからバトンタッチ。
司会の田添菜穂子さんに促され、ステージへ。
スッペ「詩人と農夫」序曲〜
シンプルで明快な曲想だが、荘重な序奏に続いて激しくも華やかなアレグロ、そして洒脱なワルツ…と、多彩な表現力が求められるこの曲、高校生にはやや荷が重いのだが、清風生は大健闘であった。
そして、グールド「アメリカン・サリュート」〜
この曲は彼らの「若々しさ、純粋さ」がそのまま美点となって音楽にあらわれた…冒頭から力がほとばしり、一気に駆け抜けていくような演奏。
短い練習期間で、メンバーは集中力を持続してよくがんばったと思う。
本番では、指揮者と奏者の「心の繋がり」を感じることができた。
会場から沸き起こる拍手も熱烈。
イケイケのアンコールでは安保さん再登場。
二人で交互に振ったり客席からの手拍子を導いたり…
こうして第1部は無事終了。
第2部はムズィークコレーゲ横浜が登場。
これまで、様々な場面で安保さんと繋がりのある方々が大集結して編成されたスペシャルバンドである。
プロコフィエフ「ピーターと狼」(ナレーションはもちろん田添さん)が楽しかった。
そして第3部では両者の合同演奏ステージ…
ムソルグスキー「展覧会の絵」(抜粋)がフィナーレを飾る。
こうして祝祭の演奏会は無事お開きとなった。
皆さん、お疲れさまでした!
高校生ブラスとの共演は実に久しぶり(10年以上?)。
とても楽しかったが、客演=短期決戦ゆえの緊張に満ちたステリハ、そしてスリリングな本番となった。
(画像は第1部終了直後、汗と安堵感いっぱいのワンショット)
2010年08月19日
ブノレク
モーツァルトの絶筆「レクイエム」、
人呼んで「モツレク」。
ヴェルディ渾身の力作「レクイエム」、
通称「ヴェルレク」。
〜では「ブノレク」って?〜
ペーテル・ブノワによる「宗教的四部作」。
そのラストを飾る「レクイエム」のレコードをようやく手に入れた。
これまで手元にあった音源資料は、アントワープの音楽学者J.デウィルデさんからいただいた、おそらくは非売品のライヴDVDのみ…
否応にも期待に胸が高まる。
一通り聴いた。
いや、正直に言えば、立て続けに各面2〜3回ずつ聴いた。
〜やっぱり佳い作品だ!!
これから改めて少しずつ、この「レクイエム」について、二つの演奏の比較も交えながら書いていきたいと思う。
ん?
レコードジャケットの中から、何やら出てきた。
広げて見ると…
何と、ブノワの「死亡広告」!
またエライもんをおまけに付けたものである…
サイズはA2判近く…原寸大なのだろうか?
書き出しは『我が国の同胞たちへ』。
アントウェルペン市長の名によって出されている。
(フランデレンを代表する「国民的作曲家」であったから、このぐらいの扱いは当然なのだろう)
〜そしてまた「夢」へ一歩前進〜
2010年08月18日
Gefeliciteerd, Peter!
6月に手に入れたものの、パラパラと眺めるだけだったブノワの伝記。
最近ようやくコツコツと読み始め、ようやく第2章へ〜
ペーテル少年が最初の音楽教育を受けるくだりに到達した。
一日に1ページ進むかどうかの超スローペースである。
とにかく辞書を引きっぱなしなのだから。
この調子でゆくと…今年中には全部読める…かな?
(日付をまたいでしまったが)今日8/17はペーテル・ブノワの誕生日。
1834生〜1901没だから、アニヴァーサリーでもなんでもないけれど…
「ヘフェリスィテーるト(おめでとう)、ペーテル!」
2010年08月15日
新調
来春、久しぶりに「エグモント」序曲を取り上げる。
言わずと知れたベートーヴェンの名作だ。
初めて振ったのは音大のレッスン、そして期末試験。
以来、手掛ける機会もなにかと多い。
今回、改めて譜読みするにあたり、スコアを新調した。
すっかり身体に染み付いてしまった音楽であるが。
真っさらなページを眺めつつ、新たな気持ちで作品と向かい合う。
2010年08月13日
ひとまず修了
先月から始めたオランダ語レッスン。
今日、めでたく(?)全10回の課程を修了した。
あっという間だったな。
会話形式の例文を読み、聴き、そしてワークブックで定着させる〜
ひたすらこの繰り返し。
でもこれで、一つの言語を習得するための「入口」にようやく立てた気分がする。
明日からはまた独習だ。
言葉は使わないとすぐに消えてしまう。
せっかく入口に立てたのだ…
今回はぜひモノにしたい。
「丸山眞男 人生の対話」(中野雄著)の中にはこう書かれている。
『勉強は発表=アウトプットという義務を前提にしているか否かで、身に着き方に天地の差が出る』
帰りがけに先生から、オランダのクリームチーズをいただいた。
(ハーブ入り、とオランダ語で書いてある)
お酒のつまみにも合うそうだ。
Dank u wel, Yumiko en Jos!
Tot ziens!
2010年08月12日
私の愛聴盤(14)
§ブルックナー/交響曲第5番
オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘバウ管弦楽団
('86年録音)
ブルックナーの音楽に何を聴くか−
僕にとってのブルックナーの音楽は、「時代・様式を超越した」「自然および神への畏敬と賛美」である。
この作曲家の精神は愚直なほどに純粋で、いつもひたむきに天上を見据えているように思える。
それゆえ、指揮者の手練手管が鼻につくような演奏は、僕は苦手だ。
わりと最近入手したこのディスク、ヨッフム最晩年のライヴである。
それ以前のセッション録音でしばしば見られたような、恣意的なテンポ操作やダイナミクスの扱いは影をひそめ、この巨匠の美点のみが奇跡的に前面に現れているのだ。
作品への温かい眼差し、常にゆとりをもったサウンド(特に金管)。
そして何より…
大いなる「無限の安らぎ」がここにはある。
加えて、マエストロへの楽団員の敬愛の情も感じられる、とは言い過ぎだろうか…
ヨッフムは、このオーケストラとの相性が本当に良かったのだと思う。
[ケンペ指揮ミュンヘンフィル盤も、長いこと好んで聴いている。
響きが豊かで、不自然な部分がほとんど無い。
音楽の流れに安心して身を任せていられる、佳い演奏だ。
〜今回は申し訳ないが、次点ということで…]
オイゲン・ヨッフム指揮アムステルダム・コンセルトヘバウ管弦楽団
('86年録音)
ブルックナーの音楽に何を聴くか−
僕にとってのブルックナーの音楽は、「時代・様式を超越した」「自然および神への畏敬と賛美」である。
この作曲家の精神は愚直なほどに純粋で、いつもひたむきに天上を見据えているように思える。
それゆえ、指揮者の手練手管が鼻につくような演奏は、僕は苦手だ。
わりと最近入手したこのディスク、ヨッフム最晩年のライヴである。
それ以前のセッション録音でしばしば見られたような、恣意的なテンポ操作やダイナミクスの扱いは影をひそめ、この巨匠の美点のみが奇跡的に前面に現れているのだ。
作品への温かい眼差し、常にゆとりをもったサウンド(特に金管)。
そして何より…
大いなる「無限の安らぎ」がここにはある。
加えて、マエストロへの楽団員の敬愛の情も感じられる、とは言い過ぎだろうか…
ヨッフムは、このオーケストラとの相性が本当に良かったのだと思う。
[ケンペ指揮ミュンヘンフィル盤も、長いこと好んで聴いている。
響きが豊かで、不自然な部分がほとんど無い。
音楽の流れに安心して身を任せていられる、佳い演奏だ。
〜今回は申し訳ないが、次点ということで…]
2010年08月09日
ブノワ(14):オラトリオ「リュシフェル」
アントワープのデウィルデさんからいただいた「リュシフェル」のスコアを少しずつ読んでいる。
手始めにテキスト(ストーリー)を理解しようとしたのだが…
これがフラマン語で書かれているのだ…しかも古い時代の!
しかもあまりに長大である。
そこでひとまず、スコアに添えられている「あらすじ」を訳す。
オランダ語の辞書を頼りに、めいっぱい想像力を膨らませて日本語に置き換えてみた。
「リュシフェル」大意
第1部
自然界は、無垢なる忘却のうちに安らいでいる。
そこへ、闇の精霊たちに囲まれて、反逆の精霊リュシフェルが現れる。
彼は自然の力〜大地、水、そして火の精霊〜に懇願する…彼の企みに
手を貸してくれるよう。
その企みとは…彼が壊滅させようとしている神、その神の力に対して
人間を反逆へとそそのかすことである。
第2部
大地、水、火の精霊はそれぞれ、リュシフェルへの服従の意思を語る。
そして彼に、人間を堕落させるために用いる手だてについて明かす。
第3部
リュシフェルは、人間を悪へと駆り立てようとする企てに失敗する。
平和、光、そして愛の精霊が現れる。
そしてすべての人間は信ずる、
人間はその持てる力を善行のために用いようではないか、
それによって真の幸福を勝ち取るのだ、と。
うーむ…
せっかく解読しても、これではよく分からない…
やはりテキスト全文に当たらなくては駄目なようだ。
読破しよう…いつか必ず。
2010年08月06日
初顔合わせ
横浜へ。
清風高校吹奏楽部との稽古。
僕の師匠である安保國重先生が指導しているバンドである。
今月21日に開催される安保さんの還暦記念演奏会にゲスト出演することになり、今日が初顔合わせ。
とても素直で、ちょっぴり引っ込み思案な部員の皆さんとの合奏がスタートする。
それでも、緊張が解れるまでさほど時間はかからなかった。
あっという間の楽しい2時間半であった。
振りながら、15歳の頃を思い出していた。
〜高校の吹奏楽部…新入部員だった僕。
そして指揮台には安保さん。
最初はわけもなく緊張していたっけ〜
次の合奏(=最後のプローベ!)も楽しみだ。
2010年08月04日
最近読んだ本から
§丸山眞男 人生の対話(中野雄著・文春新書)
一週間ほどかかって何とか通読。
ヤバい!…面白い!
かなり難解な箇所もあるが。
日本政治思想史研究の第一人者と呼ばれた丸山眞男氏は、音楽にも大変造詣が深かったという。
「音楽とは何か」「作曲家とは・演奏家とは」「演奏芸術の本質とは」…
彼が敬愛したベートーヴェン、フルトヴェングラー、ケンプらの作品・演奏を軸に展開される氏の音楽論、実に考えさせられる所が多い。
「学問などというものは〜師匠や先輩の仕振りを現場で観察して、自力で習得するものである…」
「日本人が新しがりなのは、現在手にしているものに含まれている可能性を利用する能力にとぼしいからである…」
(いずれも本文より)
この本を常に傍らに置いて、ともすると怠惰になりがちな自分への戒めとしよう。
一週間ほどかかって何とか通読。
ヤバい!…面白い!
かなり難解な箇所もあるが。
日本政治思想史研究の第一人者と呼ばれた丸山眞男氏は、音楽にも大変造詣が深かったという。
「音楽とは何か」「作曲家とは・演奏家とは」「演奏芸術の本質とは」…
彼が敬愛したベートーヴェン、フルトヴェングラー、ケンプらの作品・演奏を軸に展開される氏の音楽論、実に考えさせられる所が多い。
「学問などというものは〜師匠や先輩の仕振りを現場で観察して、自力で習得するものである…」
「日本人が新しがりなのは、現在手にしているものに含まれている可能性を利用する能力にとぼしいからである…」
(いずれも本文より)
この本を常に傍らに置いて、ともすると怠惰になりがちな自分への戒めとしよう。
2010年08月03日
身体のメンテナンス
以前から予約してあった「人間ドック」を受けに近所の病院へ。
本当に久々である。(4〜5年ぶりか)
この仕事、思いっきり身体が資本だ。
しかし当然ながら、集団検診などというものがあるワケもなく…
年に一度ぐらいは、こうして自発的に総点検をかけるべきなのだろう。
「…くどいようだけど、(人間ドックは)やらなきゃだめです!」
と、小澤征爾さんも言っていたことだし…
本日のメインは、やはり消化器レントゲン撮影だった。
(僕は「胃カメラ」が大のニガテである)
バリウムはこれまでに何度も飲んでいるのだが、今回初体験だったのが…
撮影直前の肩への注射!
なんでも「胃を不活性化させる(?)」ためなのだそうだ。
淡谷のり子+天童よしみ風のベテラン看護師さん、颯爽と登場…
「ハーイ肩出して〜ハイちょっとだけ "チクッ" としますよ〜ハイッッ!」
の "チクッ" を叫ぶより前に、針は既に刺さっていた。
もう一点、差し出されたバリウムが350mlの缶飲料の体裁そのものだったのも、新鮮な驚きだった。
(これまではいつも紙コップ)
ところが受け取ると…コーラやビールの2倍くらい重い!
中身がバリウムなのだから当たり前なのだが、違和感アリアリである。
「クイズタイムショック」のトルネードスピンよろしく全身をぐるぐると回されて…ようやく撮影終了。
思いの外ヘトヘトになってしまった。
(来年は胃カメラにしとこうかな…)
本当に久々である。(4〜5年ぶりか)
この仕事、思いっきり身体が資本だ。
しかし当然ながら、集団検診などというものがあるワケもなく…
年に一度ぐらいは、こうして自発的に総点検をかけるべきなのだろう。
「…くどいようだけど、(人間ドックは)やらなきゃだめです!」
と、小澤征爾さんも言っていたことだし…
本日のメインは、やはり消化器レントゲン撮影だった。
(僕は「胃カメラ」が大のニガテである)
バリウムはこれまでに何度も飲んでいるのだが、今回初体験だったのが…
撮影直前の肩への注射!
なんでも「胃を不活性化させる(?)」ためなのだそうだ。
淡谷のり子+天童よしみ風のベテラン看護師さん、颯爽と登場…
「ハーイ肩出して〜ハイちょっとだけ "チクッ" としますよ〜ハイッッ!」
の "チクッ" を叫ぶより前に、針は既に刺さっていた。
もう一点、差し出されたバリウムが350mlの缶飲料の体裁そのものだったのも、新鮮な驚きだった。
(これまではいつも紙コップ)
ところが受け取ると…コーラやビールの2倍くらい重い!
中身がバリウムなのだから当たり前なのだが、違和感アリアリである。
「クイズタイムショック」のトルネードスピンよろしく全身をぐるぐると回されて…ようやく撮影終了。
思いの外ヘトヘトになってしまった。
(来年は胃カメラにしとこうかな…)
2010年08月02日
気がつくと半年
今日もオランダの宿題&先々に手掛ける曲の準備をコツコツと。
語学はともかく、音楽は勉強を止めたらおしまいだ。
「石の上にも三年」と言うが…
この世界は10年やそこら頑張ったって到底足りない。
でも…佳い音楽は「美しい」。
だから、やっていける。
この「音楽ノート」を始めてちょうど半年になった。
あっという間だったな…
どこかでこの拙文を読んでくださる方々がいらっしゃるのが、このうえなく嬉しい。
不器用ながらも、これからもコツコツ続けていく。
どうぞよろしくお願いいたします。
小澤和也
語学はともかく、音楽は勉強を止めたらおしまいだ。
「石の上にも三年」と言うが…
この世界は10年やそこら頑張ったって到底足りない。
でも…佳い音楽は「美しい」。
だから、やっていける。
この「音楽ノート」を始めてちょうど半年になった。
あっという間だったな…
どこかでこの拙文を読んでくださる方々がいらっしゃるのが、このうえなく嬉しい。
不器用ながらも、これからもコツコツ続けていく。
どうぞよろしくお願いいたします。
小澤和也
2010年08月01日
Ik moet mijn huiswerk doen.
溜まってしまったオランダ語レッスンの宿題の消化を試みる。
質問に答える形での蘭作文が中心だ。
「あなたは魚(料理)が好きですか?」
(Houdt u van vis?)
みたいなのは簡単。
ちょっと面倒なのが、
「オランダにいる間、あなたは時々レストランへ行きましたか?」
(Bent u in Nederland wel eens naar een restaurant geweest?)
のような『想像を働かせる(=でっちあげる)』しかない設問。
「ええ、よくに出かけました!」なーんて、適当に答えてみる。
宿題の質・量ともに、僕の能力が過大評価されていやしないかとも思うが…
ありがたく受け止めて、せっせと励むこととしよう。
先日よりmixiを始めた。
〜正直なところ、これの何たるかをあまりよくわかっていないのだが。
さまざまな出会い、そして知識の幅が拡がっていくといいな…
(タイトルは「私は宿題をやらなくてはならない」)
質問に答える形での蘭作文が中心だ。
「あなたは魚(料理)が好きですか?」
(Houdt u van vis?)
みたいなのは簡単。
ちょっと面倒なのが、
「オランダにいる間、あなたは時々レストランへ行きましたか?」
(Bent u in Nederland wel eens naar een restaurant geweest?)
のような『想像を働かせる(=でっちあげる)』しかない設問。
「ええ、よくに出かけました!」なーんて、適当に答えてみる。
宿題の質・量ともに、僕の能力が過大評価されていやしないかとも思うが…
ありがたく受け止めて、せっせと励むこととしよう。
先日よりmixiを始めた。
〜正直なところ、これの何たるかをあまりよくわかっていないのだが。
さまざまな出会い、そして知識の幅が拡がっていくといいな…
(タイトルは「私は宿題をやらなくてはならない」)