2010年09月29日

女子美音楽部2

今季2回めの女子美術大学音楽部の指導へ。
今日の稽古場は多摩市民館(向ヶ丘遊園)。
キャンパスが杉並と相模原に分かれてしまったため、やむなく両者の中間地点に練習場所を押さえ、それぞれが集まって来る形を必要に応じてとっているそうである。
何かと不自由と思うが、これからも頑張って欲しいものだ。

今日は発声練習から。
口の形やレガートの意識、身体の使い方などのアドヴァイスを組み入れながらのウォーミングアップ。
「女子美術大学校歌」のワンフレーズを用いて、トレーニングを実際の「曲」にどう活かせばよいかも理解してもらった。
効果は充分にあったと思う…あとは「定着させること」だ。

2週間ぶりの彼らの歌声。
「おんがく」(木下牧子)に時間を割く。
無伴奏四部、繊細な音の連なりを持つ難曲だ。
今日は各パートの精度を高める試みまでで精一杯…
もうひとがんばり!

休憩もほとんどなく、あっという間の2時間半。
次回もがんばろう!
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雨 のち 晴れ のち ショパン

昼前から激しい雨。
徒歩で駅に着くまでに、背中も靴もずぶ濡れ…

農工大グリークラブのヴォイストレーニングへ。
今日の参加者は4人…
各自の癖を把握しつつ、理想の声に近づけていくためのアドヴァイスをする。
一人一人が、ソロを担えるような豊かな声量を持ち、かつ溶け合うことのできる声を目指して欲しい。

稽古を終えて外へ。
薄陽が射すほどに天気も回復している。
久しぶりにキャンパスから国分寺駅まで歩いてみた。
学生時代によく立ち寄った定食屋や焼鳥屋、あらかたなくなってしまっている。
(あれから20年だものな…)
駅ビルの8階で美味しいコーヒーをいただいてから、錦糸町へ移動。

平野裕樹子さんのピアノリサイタル@トリフォニー小ホール。
生誕200年にちなんで、シューマンとショパンの名曲を並べた意欲的なプログラム。
お腹いっぱい、楽しませていただきました♪
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2010年09月26日

初合奏

カリーノ・スケルツォ交響楽団の第一回稽古。
4年前にベト7をご一緒した専修大学フィルのコンミスNさんを中心に、新しく組織された若いオーケストラである。
ブラームス/第2交響曲を柱に、エグモント序曲、リストのピアノ協奏曲という重厚なプログラム。
もちろんまだまだこれから、の出来ではあるが…
こうして "Take off" を果たしたことをまずは喜びたい。
(「ここまで」来るのが…さぞ大変だったことだろう)

稽古後、メンバーと「記念すべき初回合奏」を祝って乾杯。
曲を創るよろこび、そして彼らと共に新しい「サウンド」を創っていくよろこびを心の底から感じるひとときであった。


  カリーノ・スケルツォ交響楽団の第一回演奏会は、
  2011年1月10日(祝)午後、川崎市教育文化会館にて
  開催されます。
  皆様、どうぞお運びください。
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2010年09月24日

ルーベンスカンタータ

アントワープの音楽学者でペーテル・ブノワ研究の第一人者、Jan Dewildeさんから久しぶりに郵便が届く。
どきどきしながら開けてみると…
中から出てきたのは「ルーベンスカンタータ」のヴォーカルスコア!
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以前、僕がこの曲を気に入って、ヤンさんに「スコアが見てみたい」とそれとなく話した(ねだった?)のを覚えていてくださったのだ。

さっそく数ページ読んでみた。
「荘厳ミサ」や「レクイエム」とは明らかに異なる筆致を感じる。
作曲年代には10年強の差がある(ルーベンスのほうが後)わけだが、それ以上に彼自身の中で「音楽というもの」への意味づけが大きく変わっているのだから、それも当然と言えよう。
ブノワの作風の移り変わりにも注目しながら、アナリーゼを進めていこう。

 Dank u wel, Jan!
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アマデウス

藤沢へ。
湘南アマデウス合唱団・合奏団の演奏会を聴く。
その名の通り、モーツァルトをこよなく愛するメンバーによる、手作り感あふれるコンサートだ。
(当然ながらオール・モーツァルト・プロ)
聞いた話によれば…
開演前に鳴らされるいわゆる「本ベル」、この団体のオリジナル音源をわざわざホールに持ち込んで使用しているのだそうである。
そして今回も…
「パパゲーノのアリア」を奏でるグロッケンの音が会場に響いていた。

悪天候にもかかわらず、お客様の入りは上々。
大勢の団員さんが客席案内などにあたっておられる。
さりげなく、細やかな心くばりがうれしい。

プログラム前半は、菊地裕介さんをソリストに迎えてのピアノ協奏曲ハ短調 K.491。
やや速めのテンポで粛粛と歩むモーツァルト、といった印象。
オーケストラもよく健闘していた。
アンコールにはショパンの「英雄ポロネーズ」が弾かれる。
一瞬、意外な気がしたが…客席は大喜びの様子。

そして後半、いよいよ合唱団の登場。
ザルツブルク時代に書かれた、普段あまり接する機会のない宗教曲3曲を聴くことができた。
中では一曲目の「サンクタ・マリア K.273」が、よく歌い込まれていて楽しめた。
続く「レジナ・チェリ K.127」「リタニエ K.195」では独唱が加わり、いちだんと華やかに…
モーツァルトの宗教曲、知る人ぞ知る名曲の宝庫なのだなと改めて感じる。

指揮の堀部先生、田部井さん、そして皆さん、お疲れさまでした♪
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2010年09月21日

ブノワ(18):レクイエム[3]

([ディエス イレ]つづき)

§第二部

Poco lento 変ホ長調 4/2拍子
前段までの劇的で不穏な音楽に代わり、合唱を中心とした穏やかな楽想が現れる。
主題は3つの楽節からなっている。
a)…ドーレー|ファーファー|ミーレー|ソーソー|
    ソードー|ファーファー|ミミミーレ|レーーー|〜
    (16小節)
b)…ソーラー|シ♭ーラソ|ファーミーレ|ミーラー|〜
    (16小節)
c)…・ドード|レ♭ーミ♭ー|ドドード|シ♭ードー|ラ♭ーーー|〜
    (14小節)

楽節a)は調性的にも安定している。
メロディラインだけを見ると非常に素朴な音の進行であるが、巧みな和声付けによって心の奥に沁みるコラールとなっている。
それに対して、b)およびc)は半音階的進行が多用され、フレーズの中で転調を繰り返してゆく。

まず、アカペラの混声合唱でa)が柔らかく歌われる。「思い出したまえ〜」
次いで弦楽を伴ってb)が現れ、属調である変ロ長調に移る。
「私を尋ね〜」
さらに、男声によってc)が力強く歌われる。
変ロ長調→変ホ短調→変イ短調と絶えず揺れ動き、ようやく変ト長調に落ち着く。「正しい審判者よ〜」
(スタート(変ホ長調)から見ると、短3度上行の転調となる)

音楽はa)に戻り、変ト長調で「私は嘆く〜」と大合唱が弱音で歌う。
それに対して小合唱が掛け合いのフレーズを、刻み込むようにfで響かせる。
以下、b)「マグダラのマリアを赦し〜」→c)「私の願いは〜」と続き、明るいイ長調の響きに到達すると、三たび楽節a)が現れる。
全合唱によって「羊の間に〜」と高らかに歌われ、祝福の鐘の音のような管楽器のシンコペーションがこれに寄り添う。

このように第二部は劇的な変化を持たず、一貫したテンポと拍子によってひたすらたおやかに、祈るように奏される。
しかし、音楽は再び厳しさを帯び、クライマックスのLacrimosa(涙の日)に向かって進んでゆくのである。

(第三部へつづく)
posted by 小澤和也 at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽雑記帳

私の愛聴盤(15)

§ハイドン/交響曲第104番「ロンドン」
 コリン・デイヴィス指揮アムステルダム・コンセルトヘバウ管弦楽団
 ('77年録音)


30年以上にわたって書き続けられ、その時々に与えられた編成や機会に合わせて発展を遂げてきたハイドンの交響曲。
その総決算がロンドンでの演奏会のために作曲された、円熟期の12曲(93〜104番)である。
どれも素晴らしい名曲揃いなのだが…
1曲だけ選ぶとなると、僕の中では断然これである。

第1楽章の堂々とした序奏、そして弱音で始まる落ち着いた主部主題にまず惹かれる。
陽気でユーモアたっぷりのハイドンも僕は好きだが、このノーブルな気品はやはり別格だ。
変奏曲形式の第2楽章、それに続くメヌエットにも、単に素朴で可愛らしいだけでない「構成感の確かさ」がある。
そして第4楽章。
賑やかで威勢のよいだけになることの少なくない(「お開きのフィナーレ」という言葉があるらしい)楽章であるが、この曲は違う。
全曲を纏めるにふさわしい、充実した音楽である。
「ここからベートーヴェンに繋がっていったのだな…」
と実感できる、全四楽章の交響曲としての完成度の高さを感じるのだ。

このデイヴィスの演奏に初めて触れたのは10代の頃。
FM放送をカセットに録って、繰り返し聴いた。
冒頭、トランペットとティンパニのファンファーレの音色に、子供ながらにグッときた記憶がある。
その後、カラヤン(ウィーンフィル)やヨッフム、クイケン(これは古楽器)もよく聴いたが、今でも真っ先に手が伸びるのがこのデイヴィス盤である。
「重厚」と「軽快」のバランス、適切なテンポ設定、そして明るさと渋さを併せ持つコンセルトヘバウのサウンドが僕を魅了する。
posted by 小澤和也 at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛聴盤

2010年09月17日

飛躍

二週間ぶりの合唱団あしべ稽古。
来月の江戸川区合唱祭まで、今日を含めて練習も残り3回となった。
今日からは練習時間のすべてを、今回歌う「瀧廉太郎/四季」に充てる。

ここまでの数ヶ月、音程やリズムなどの細かい注意をコツコツと続けてきたが、なかなか捗らず一進一退の様相であった。
でも…今日は違った。
歌声に「自信」を感じる…明らかに「一皮むけた」のだ。

 〜これを待っていたんだ!〜

地道な積み重ねがあるからこそ、然るべき時に大きな飛躍を遂げることができるのだと、今日改めて実感した。

稽古の終わりに、メンバーに向けて言葉をかける。
『「花」しか知らなかったけど、あとの3曲もこんなに素敵な曲だったのね!』と、あしべの演奏を聴いた人達から言われるような、そんな歌を当日は歌いましょうね!…と。
皆さん、目をキラキラさせて頷いていた♪
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2010年09月16日

女子美音楽部

夕方、女子美術大学の杉並キャンパスへ。
音楽部(女声合唱団)の指導。
厳密に言えば…「学生指揮者がつける稽古」を見る、という形だ。
そして「歌そのもの」へのアドヴァイスだけでなく、指揮者に対しても何らかの示唆を与えてゆく。

目下、秋の「女子美祭」ミニコンサートへ向け、練習も一段と熱を帯びているようだ。
普段の彼らは自主活動が中心だが(ミニコンサートも学生が指揮する)、数年前からこうして「臨時コーチ」を引き受けている。
年間を通しての継続的な指導でないのでなかなか難しい面もあるが…
とにかく少しでも彼らが佳く歌えるよう、導いていきたい。

次回のレッスンは発声トレーニングから付き合うことになっている。
一朝一夕に上手くなるものではないが、上達のための良いヒントを与えることができればと思う。
posted by 小澤和也 at 01:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年09月14日

ブノワ(17):レクイエム[2]

[ディエス イレ]

この楽章は大きく3つの部分に分けられる。
第一部…ト短調を軸とし、
    ドラマティックな構成・曲想
第二部…上と対照的に、柔らかくなめらかな楽想を展開、
    変ホ長調に始まるが転調を繰り返す
第三部…第一部分の回帰、ただし構成的にはかなり縮小


§第一部
Maestoso agitato ト短調 4/2拍子
大小合唱と管弦楽のユニゾンにより第一の主題がffで爆発的に歌われる。
(「その日こそ怒りの日〜」)
主題の前半部分:「ミーレー|ファミドレ|ミーーー|ラーーー」
すぐにテンポを速め、「どれほどのおののきが〜」と主題の展開形を歌い始めるが、突然鳴り響く金管のファンファーレ(最後の審判モティーフと名付ける)によって断ち切られる。

Lento 2/1拍子
最後の審判モティーフ:「ファー|シー|レー|ソ#ー」
2つの下降する減4度による不吉な気分の音型である。

Larghetto quasi andantino 3/2拍子
レチタティーヴォ風の単調な旋律線に乗せて「不思議なラッパが〜」と歌われる。
これと並行して女声合唱が最後の審判モティーフを繰り返し響かせる。
(「怒りの日〜」)
テキスト通り、墓の前に立っているような不気味さ。

Moderato agitato 4/2拍子
再びテンポを速め、新しい曲想により「死と自然は驚く〜」と大小合唱が掛け合いで歌う。
主題といえるほどの独立性はあまりなく、3度上行の連続と目まぐるしい転調を繰り返すフレーズ、そしてなだらかに下降するフレーズが計3回繰り返される。
その間「書かれた書物が〜」「裁き主が座に着き〜」と歌い進められると、音楽は

Larghetto quasi andantino 3/2拍子(前出)
の部分に戻る。
「哀れな私は何を〜」がレチタティーヴォ風に歌われる。
もちろん、最後の審判モティーフも刻み込まれるように響く。
そして、第一部最後のクライマックスへ…

Un poco allegro ト短調 4/2拍子
冒頭主題が展開された形で重々しく「みいつの大王よ〜」と歌われる。
すぐにハ短調に転じ、

Lento 2/1拍子
「私を救いたまえ〜」
と絶叫するその音型は、ほかならぬ「最後の審判モティーフ」である。
その後、音楽は急激に力を弱め、弦楽器のピツィカートとともに第一部を閉じる。


このように、テンポや拍子の変化は激しいが、それらが巧みに繋げられていることにより、また使われている主題や素材が特徴的なため、散漫な印象は与えない。

(第二部へつづく)
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2010年09月13日

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合唱団のNさんから葡萄が届く。
大粒の巨峰…農園からの直送のようだ。
さっそくいただいてみる。
今頃が収穫の最盛期なのだろう、正真正銘、とれたての瑞瑞しさ。

「んん〜、おいしい!」

葡萄って、こんなにジューシーだったっけ?…と思うほどの果汁。
その果汁の甘みと果肉の酸味のバランスが、これまたよい感じ。
「旬」の味覚。


oboe えつこさんから本Blogにコメントをいただきました。
えつこさんは専修フィルのOG、ご自身の集中練習のために今回の合宿にオプション参加された、愛団心溢れる(?)先輩です。
また飲みましょう!
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写真は懇親会での一コマ。
(左:コントラバス・トレーナーの藤本宏行先生、右:えつこさん)
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2010年09月12日

オケ三昧

オケ三昧の週末。
昨日は、新しく立ち上げるCarino Scherzo交響楽団の管楽練習へ。
初回合奏に備えての確認稽古のつもりだったのだが…
ブラームスはやはり難曲なのだろうか。
課題山積!!
奮起を期待したい。

移動の手間と体力を考慮して、川崎市内で一泊。
今朝は譜読みをしようと早く起きる。
スコアを広げる前に、何となくNHK BSを点けると…朝っぱらからシベリウスの第2交響曲!
まさにこれを勉強しようとしていた折も折。
ちょっとだけ観て、準備に集中する。
チェックアウトして、その足で宮前フィルの合奏稽古へ。
初対面だったが、底力のありそうなオケだった。
「白鳥の湖」とシベリウスを見る。
今回はこれきりのようだが…またご一緒する機会があるかしら?

その後、急ぎ茅ヶ崎へ移動、茅ヶ崎交響楽団の本番を聴いた。
チャイコフスキーは冷静な熱演!
対向配置のモーツァルトは…効果は感じたがやはり大変そうだった。
スコアを見ながらじっくり考えてみようと思う。
皆さん、お疲れさまでした!
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2010年09月09日

夏合宿 2日目

水曜日。
河口湖は台風の影響で朝から強い雨。
午前中のセクション練習をトレーナーの先生方にお任せして、宿舎内の露天風呂(もちろん屋根付き)に入ったり部屋で譜読みをしてのんびり過ごす。
そして…午後からいよいよ合奏。
正味5時間半でプログラム全3曲をこなすのはちょっとキツかったが、ポイントを絞り、要所要所をみっちりと弾き込んだ。
予定時間を15分ほどオーバーして、ブラ1の終楽章を終えたときはメンバーも僕もヘトヘト…
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しかし彼らはこれで終わらない…
セッティングを変えてアンサンブル大会、そして打ち上げへ突入!
宴の目玉は、恒例・新入生自己紹介&一発芸。
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そして今日…
彼らよりひと足先に出発する。
玄関前、メンバー全員によるお見送り付き(^^)/
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みんな、ありがとう…お疲れさまでした!
キャンパスでの合奏でまた会おう!
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2010年09月07日

夏合宿 初日

新宿駅西口から高速バスに乗る。
昼過ぎに河口湖駅に到着。
迎えに来てくれた団員の車で、いざ合宿所へ。

専修大学フィルハーモニー管弦楽団の恒例・夏合宿。
ご一緒するようになってもう何年になるだろう…
この常宿、河口湖畔にあり富士山を望むにも絶好のロケーション。
爽やかな秋の空気…とんぼも飛び交っている。
僕の部屋から見える景色は…こんな感じ。
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午後のおよそ4時間、木管セクション練習を見る。
シュトラウス「こうもり」序曲。
よくさらってあるがさらにその先を求める。
『オペレッタの本編をDVDで観た人、いる?』
と尋ねたら…一人だけいた。
ただ譜面を追うのと、その作品をより「識った」うえで音楽に相対するのとでは、生み出される音が違ってくると思う。

グノー「ファウスト」バレエ音楽。
楽譜はさほど難しくないが、独墺系の楽曲とは異なるサウンド創りが要求されるため、意外とてこずった。
個々のレベルアップが当面の課題か。

そして…ブラームス「第1交響曲」。
これはもう、じっくり腰を据えて臨むしかない。
一つひとつのフレーズの意味を確認しつつ、ゆっくりと進む。
第2楽章途中で時間切れ…
この後の夜のコマで続きをさらう。

昨日も書いたが、こんなに集中して音楽に浸れるのは若人の特権である。
この合宿で、さまざまなヒントと大いなる達成感を持ち帰って欲しいと思う。
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2010年09月06日

青春の夏合宿

明日から河口湖。
大学オケの夏合宿に合流する。
今年の曲は、「定番」ブラームス/第1交響曲、それにフランスオペラのバレエ音楽とウィンナオペレッタの序曲という、何とも派手な取り合わせである。

平日ブチ抜きの猛練習…学生の特権だ。
二日間、どっぷりと音楽に浸ることができる。
僕自身もとっても楽しみだ。
譜面ヅラだけでなく、楽譜の「行間」にあるsomethingを、こういった機会に彼らに伝えることができればと思っている。
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年09月05日

ブノワ(16):歌曲「我が母国語」

1889年(ブノワ55歳頃)の作品。
クラウス・グロートによるこの詩、オリジナルはドイツ語の一方言、いわゆる「低地ドイツ語」である。
言語こそ違え、マイノリティゆえの苦悩という点では両者に共通する心情があったことだろう。
この低地ドイツ語、文法的に中世オランダ語と非常に近いのだそうだ。

原曲は…独唱(低声)+ハープ&弦楽五重奏の編成だったとのこと。
この形では未だ出版されていないそうである。
(手元の楽譜ではピアノまたはハープの伴奏となっている)
僕の持っているCDは、ハープの弾き語りによるメゾソプラノ独唱、現代オランダ語訳による歌唱である。

歌い出しのメロディはこんな感じ。
「ソ-|ラミソ---ソ-|ラミソ---ソ-|ラ-ド-シ-ミ-|ファ-----…」
(移動ドによる表記。原曲は変ニ長調)
柔和で素朴な旋律、子守歌のような伴奏音型が絶妙の転調を交え淡々と進んでゆく。
間奏部分の音の連なりに、シューベルトの「楽に寄せて」を一瞬連想した。

原詩、上記オランダ語訳のほかに、いくつかの英訳も参考にしながら訳してみた。
日本語としては全然こなれていないが、できるだけダイレクトに置き換えてみたつもりである。


 〜我が母国語〜

我が母国語よ そなたは何と美しく響く!
親愛なるそなたよ!
私の心が鋼や石のようであるときも
そなたはその驕りをはらってくれる

そなたは私の強情な首を軽く曲げる
母がその腕でしたように
そなたは私の顔に優しくささやく
すると全ての喧騒は静まる

私は小さな子供のようだ
全ての邪悪な世界は消えうせる
春風のようなそなたの息吹が
病める我が胸を健全にする

祖父は私の手を組んで
そして言った「祈りなさい!」と
「父なる神よ」と私は始める
その昔にしたように

深く感ぜよ そして理解するのだ
心がそう告げている
天上の平安が私を包む
そして再び全ては幸福となる

清らかで公正なる我が母国語よ
古人の有徳なる言葉よ!
「父よ」とその口が発すると
それは祈りの言葉のように私に響く

私をこれほどに愛撫する音楽は無い
これほどにさえずる夜鴬もいない
今にも涙が頬を伝って流れる
谷間を流れる小川のように
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2010年09月03日

「四季」を歌い込む

先週に続き、合唱団あしべの稽古へ。
瀧廉太郎の組歌「四季」。
「花」「納涼」「月」「雪」の4曲を、今日初めて通してみる。
(これまでは(ずっと我慢して)個々の作品のさらい込みに徹してきた)

全曲を通すとなれば当然、各々の持つ気分の「描き分け」が必要となる。
今日はまだ「とりあえず歌う」だけで精一杯であったが…
あと数回のレッスンの中で、日本の美しい「季節の移ろい」を情感豊かに表現できるところまで、ぜひ到達したいものである。

合唱祭まであとちょうど一ヶ月。
この先の練習がとっても楽しみだ。
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2010年09月01日

続々・ベルギー人って…!

ついに…来た!
eBayオークションのセラー、切手マニアのMariekeから郵便が届いた。
探していたブノワの歌曲「我が母国語」(Mijn Moederspraak)の楽譜である。
やっぱりイイ人だったよ…ベルギー人!
(だが…真ん中で二ッ折りにしてよこしたのはいかがなものか、と(苦笑))
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さっそくMariekeにいろいろな日本の切手を送った。
もちろん、彼女が封筒に貼ったベルギーの切手も一緒に。
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「我が母国語よ、そなたは何と美しく響く…」
ブノワが晩年に作ったこの歌曲、原詩はいわゆる「低地ドイツ語」で書かれたものであるらしい。
当時、フランス語が主流であったベルギーにあって、母国語であるフランデレン語での音楽教育に後半生を捧げたブノワの思いが、この曲に強く籠められているはずである。
曲は変ニ長調、メゾソプラノの温かく柔らかい響きが相応しい。
伴奏は「ピアノ、あるいはハープ」と指定されている。
(僕がいま聴いているディスクは、ハープの弾き語りだ…
 この素朴さがたまらない)
原詩のニュアンスに忠実な英訳、あるいは独訳、蘭訳を探して、和訳を試みよう。
そしてまた…一歩一歩、ブノワの世界に近づいて行きたい。
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記