2010年10月31日

ブノワ(20):レクイエム[5]

[サンクトゥス]

Andante quasi andantino 変ホ長調 4/2拍子

冒頭、無伴奏の女声四部合唱(※)がゆったりと美しく「聖なるかな」と歌う。
ハープの分散和音がこれに寄り添うように響き、続いてオルガンが即興風な和声的パッセージを静かに奏でる。
(Praeludium, Lento e grave)
このパターンが計3回、調性を変えて繰り返された(変ホ長調→ト短調→変ロ長調)後、新しい音型で合唱が「万軍の主なる神」と力強く歌う。
ハープがそれに鋭く応え、さらにオルガンも足鍵盤を加えたffで壮麗な和声を響かせ、Dの和音上に留まる。

すると、小合唱と弦楽による「天地はあなたの栄光に満ち」の堂々としたメロディが堰を切ったように流れ出す。
すぐに大合唱がハープ、オルガンを伴って同じ歌詞を
「ド-シ-ド-ラ-ラ-ソ…」(表記は移動ド)
の特徴的な音型に乗せて唱和する。
(この音型は次の[ベネディクトゥス]においても現れる)

最後に、全合唱と管弦楽が一体となって
「天のいと高きところにホザンナ」
と転調を重ねつつ歌い、変ロ長調(属調)でこの章を結ぶ。

この[サンクトゥス]は2分ほどの短い楽曲であるが、次の[ベネディクトゥス]と密接な関連を持っている。

※スコアには"Knapen"=少年(複数形)と記されており、実際この四声体を少年合唱で歌った場合の効果は絶大だと思う。
(私が持っている音源でも少年合唱が用いられている)

(つづく)
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2010年10月29日

根拠のない自信を持て

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雨の木曜日。
脳科学者・茂木健一郎さんの講演「脳から見た英語上達法」を聴く。
(新宿紀伊國屋サザンシアターにて)
最近ちょっと彼に「ハマって」いて、何冊か本を読んでいたところだった。


下手袖より茂木さん登場。
まず、今回発売される茂木さんの英語教材の宣伝をさらりと。
(実際は…この発売に合わせての講演であるらしい)


すぐに本題へ入る。

 『日本人はなぜ英語が苦手なのか』

を切り口に、
・明治時代からの「翻訳文化」の発達とその功罪について
・「英語が出来なくても幸せに生きていける日本」に、現代の我々日本人が適応してしまっていること
そして
・英語を「翻訳」して理解している限り、スピードにおいて世界の仲間に入れない
と彼は厭味無く言い切る。
客席の我々に向かって、
「自分のやってることが "worldwide" だと思って仕事をしていますか?!」
とも。


 『根拠のない自信を持て』

結び近くでの茂木さんはこうおっしゃった。(この言葉、僕も大好きだ)
もちろんこれには続きがある。

 『そして、それを裏付ける努力をせよ』


80分間、休憩無しで一気に。
あることを話しているさなかにも、次々とアイディアが浮かぶのであろう…
話題が横道に逸れることしばしば。
それがまた面白い。
モーツァルトは作曲するとき、「楽想が頭に浮かぶ速さに、音符を五線紙に書き込むスピードが追いつかなかった」そうであるが…
昨日の茂木さんのおしゃべりもまさにそんな感じであった。
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2010年10月27日

楽聖たちの息吹にふれる

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気持ちのよい秋晴れの午後。
川口のリリアへ出かけた。
お目当てはこれ↓
「3人の偉大なる楽聖たち
 モーツァルト・ベートーヴェン・シューベルト 資料展」


展示品は全部で10点ほど。
ウィーン楽友協会資料館が所蔵する肖像画や自筆譜などである。
その中でもっとも目を引いたのが…
「フリードリヒ・アウグスト・ティッシュバインによる
 モーツァルトの肖像画 1790年」(日本初公開)だ。
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率直な感想は〜これがモーツァルトかぁ…といった感じ。
これまで目にしていたものとはやや違った印象だ。
(1790年ということは…死の前年である)


自筆譜も面白かった。
モーツァルトの、淀みなく流れるような軽やかな筆運び。
やや太めの筆跡で整然と並ぶ、シューベルトの音符たち。
一方、ベートーヴェンのそれは(スケッチということもあろうが)、殴り書きのようでぱっと見ほとんど判読不能だ。
三者三様の性格の違いを見るようで、とても興味深かった。


20分ほどであっという間に観終えてしまったが、まずまず楽しい展示だ。
ただし、掲示されている資料に誤記が多いのはちといただけない。
ベートーヴェンの第3交響曲が「作品551」となっていたり…
(正しくは55。551は「ジュピター交響曲」のケッヘル番号)
シューベルトの没年が「1827年」になっていたり。
(1828年が正解。ベートーヴェンの没年が1827年)


 §川口総合文化センター・リリア 催し広場にて
  11月2日(火)まで
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2010年10月25日

ノリグラフ五線ペン

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池袋のヤマハで購入。
「きれいな五線が引ける!」とTwitter上で紹介されていたのを見て、興味本位で予約してみた。
大きさは思っていたよりコンパクトでgood。
(シャープペンシルよりも短い)
キャップを外すと、普通のボールペンの芯が5本並んでいる。
それだけと言えばそれだけ…実にシンプルな構造。


箱の側面には、ドイツ語で "Notenlinienschreiber" とある。
「五線筆記具」か…なるほど、そのまんまだ。
商品名も、これを縮めてこしらえたのだろうか。
Notenlinien→Noli、それにgraphを繋げて…


帰宅して、さっそく試してみた。
定規を当てて、さっと引いてみたが…
ん?4本しか引けない。
確かに、理屈のうえでも、ペン先が高い精度で揃っていなければ五線は引けない。
改めて現物を見るが、やはりそれなりの揃い具合である。
定規を当てたままグリグリと2〜3往復させると…
何とか五線が引けた。
しっかり筆圧をかけてゆっくりと動かせば、上手く書けるようになるかも。
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ちなみに、線と線の間隔は約2.5mm。
よって約1cmの幅の五線が引けることが判った。
(僕にはちょうど良い)
ドイツ製、1680円。
高いか安いか…?
まあカタイことを言わなければ、面白いグッズであろう。
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2010年10月22日

het dagboek【日誌】

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朝、合唱団あしべの稽古へ。
今日も「てっせん・どくだみ」(新実徳英作曲「花に寄せて」より)をさらう。
リズム、そして和声的にとても難しい部分の連続。
悪戦苦闘の2時間だった。
ここを乗り切れば…
気持ち良く歌えるような新たな展開が待っていよう。
焦らず、根気よく。


ここ最近、オランダ語で日誌をつけている。
とは言えほんの数行ずつ、
まだ「○時に起きる」「〜を聴く」「…を買った」etc.
程度の内容だけれど…
「とりあえず書いてみる」「とにかく続けてみる」
の気持ちで。
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2010年10月20日

女子美音楽部

女子美術大学音楽部の稽古へ。
学園祭でのミニコンサート本番を間近に控えて、大詰めのレッスンである。

今日の会場は相模キャンパス。
新宿から小田急線で40分→相模大野から路線バスで30分ほどかかる。
広大な敷地、新しく綺麗な校舎…
学問や制作に打ち込むには佳い環境であろう。

さて、歌の仕上がりは…
学指揮のHさんを中心にみんなよくがんばった。
アンサンブル力は大きく進歩したと思う。
あとは…やはり「発声」をどれだけ磨くことができるか、だ。
この先はメンバー一人一人に、もっと「欲」を持ってもらえたらと、切に願う。

ミニコンサートは金&日曜日の2回公演。
本番は思い切り弾けて、楽しんで歌ってください…
そうそう、「焼きそば屋さん」もがんばってね!
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2010年10月18日

Quanto tempo!!

日曜日、久しぶりの専修大学フィルとの合奏へ。
グノー「ファウスト」バレエ音楽、そしてブラームスの第1交響曲(昨日は第2&3楽章)をみっちりと。
先月の合宿の時と比べると、だいぶ音が並んできた。
ここからがスタートである…
この先の音楽創りが「楽しい」のだから。

稽古の帰り、新宿で途中下車。
中古CD店を物色し、いつものSegafredoでクールダウン&リラックス。
(ここのエスプレッソが美味しいのだ)

店を出ようとしたその時…
ポンポン!と肩を叩かれた。
びっくりして振り向くと〜眼鏡をかけた外人さん。
ずっと以前に通っていたイタリア語教室の先生だった!

 Ciao, Luca! Quanto tempo!!

Lucaが僕を覚えていてくれたのが嬉しい。
(そういえば、このカフェを教えてくれたのも彼だったっけ)
イタリア語、すっかり怠けていて忘れてしまった。
また習いに行きたいけど…今はオランダ語で手いっぱい(^o^;)
Lucaのスクール、大きくなったそうである。
遊びに行ってみようかな。
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2010年10月16日

戦利品

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先日出かけた展覧会、
「フランダースの光〜ベルギーの美しき村を描いて〜」。
鑑賞後のお楽しみ…ショップでついつい足を止める。


まず、クラウス「刈草干し」(画像上)のポストカードと一筆箋をゲット。
これだけで帰ればよかったのだが…
別の一角にベルギービールのグラスを発見!
さんざん迷ったが…その後に仕事があり、嵩張るので断念した。
その代わり、コースターを何枚か購入。
小洒落たデザインが楽しい。
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その中の一枚を見て…思わず笑ってしまった。
ベルギーは多言語の国家である。
法律も道路標識も、そしてレストランのメニューまでもフランス語/オランダ語の並記なのだそうだ。
さて、このコースター。
「ここでDuvelを飲もう」と…やっぱり二ヵ国語で書いてある(笑)
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勢いに乗って、栓抜きもゲット。
木製の柄の握り具合がグッド。
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久しぶりにCHIMAYが飲みたいなぁ…(*^∇^*)
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2010年10月14日

音楽と、絵と…

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昨日の午前中のこと…
Twitterでこんなつぶやきをたまたま発見。

 10月13日、リコーダーの太田光子さんによる無伴奏
 リコーダー演奏会が、なんと【入場無料】で〜

ランチコンサートか…まだ間に合うな…
思い付きで出掛けてみることに。
最近リニューアルされた石橋メモリアルホール、豊かな響きの空間だ。
太田光子さんの演奏がまた素晴らしい。
何というカンタービレ!
僕の中で、リコーダーのイメージが一変した。
中世(1300年代)のエスタンピー(作曲者不詳)がとってもチャーミング。
テレマンの「ファンタジー」も楽しめた。


上野駅で…ある展覧会の広告がふっと目に留まる。
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 「フランダースの光〜ベルギーの美しき村を描いて〜
  Bunkamura ザ・ミュージアム」

フランダース!これは行かねば!
…というわけで、渋谷へ向かう。
ベルギーの古都、ヘント近郊の小さな村、シント・マルテンス・ラーテム。
都市の喧騒を嫌ってここに集った芸術家集団が、19世紀半ばから創作活動を展開したそうである。
美しい自然や素朴な村人を題材とした、穏やかな作品が並ぶ。
有名な作品はなかったが、なかなかいい展覧会だった。


二つの「偶然」に導かれて〜
心がとっても豊かになった一日。
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2010年10月12日

農工祭ステージに向けて

夕方より農工大グリークラブの稽古へ。
目下、秋の学園祭でのミニコンサートに向けて猛練習中。
本番は男女二人の学生指揮者がタクトをとる。
僕は今回、歌のレッスンと共に学生指揮者へのアドヴァイス(指揮法&指導法)を行う。


数回の(僕の)稽古で全てをカヴァーするのは厳しい。
(男声、女声、混声で計10曲以上ある)
それでも、やれるだけのことはやりたい。
(年間を通して指導できるならばどんなに良いだろうかと思う)


男声…
先日のヴォイストレーニングの効果か、また一年生が伸びてきたからか、春に聴いたよりも佳い声になっているようだ。
女声…
人数のわりに難しい曲を選んだせいか、みんな(指揮者も)自信なさげ。


がんばれ〜!
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2010年10月11日

私の愛聴盤(16)

§ブルックナー/交響曲第8番
 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ウィーンフィル
 ('84年録音)


先日「第5」を取り上げたばかりなのだが、ふと思い立って今回もブルックナーである。
理由はいたってシンプル…
今日(10月11日)がブルックナーの命日だからだ。(1896年没)


「第8」にはちょっとした思い出がある。
初めてライヴで聴いたのは20年以上前…
若杉弘指揮の都響だったと思う。
この日、第3楽章の途中で地震があり、客席が少しざわついたのだ。
それでも、演奏は途切れることなく続けられ(楽団員も指揮者も完全に音楽に集中しているように見えた)、やがてその空気が会場中に伝播して素晴らしい演奏になったのである。
もちろん目には見えないが、ブルックナーの音楽が客席を落ち着かせ、聴衆の想いが演奏を後押ししたように思えてならなかった。


〜そんなわけで僕の大好きなこの曲、
数多あるCDもそれぞれに良さがあって迷うのだが、最もよく聴くのがこのジュリーニ盤だ。
テンポは全体にやや遅めである。
オーケストラ(特に弦楽器)に柔らかく、そして長めの音を要求しているためレガートの箇所はもちろん、そうでない部分も幅広くゆったりと流れるような音楽の運びとなるのだ。
(もっと男性的な表現が欲しい瞬間もあるが…これがジュリーニ流なのだろう)


それでも音楽が恣意的に聞こえないのは、この指揮者の楽曲への深い理解と愛情があるからだと思う。
そう思える所はたくさんあるが、中でも僕がいちばん痺れてしまうのが…
フィナーレの終わり近く、
第1楽章の主要主題が全合奏のffでドラマティックな回帰を遂げた後、
それを受けてヴァイオリンが高音でしっとりと奏でるメロディだ。
ここでジュリーニはさりげなくテンポを落とす。
そして、目の前にいる人をこのうえなく優しい手つきですっと抱き寄せるような、そんな柔らかさをもってヴァイオリンを歌わせる。
真に心からの「音楽への愛」なのだ。


ウィーンフィルの美音、そして絶妙のアンサンブルもこの演奏にさらなる彩りを添えている。
posted by 小澤和也 at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛聴盤

2010年10月10日

ガガガガーーッ!のその後

昨日の「ガガ、ガガガ、ガガガガーーッ!」
やはりCDプレーヤが発生源だった。
もちろん原因は不明…

当分はDVDコンパチブルプレーヤで凌ぐことにする。
音の厚みがやはり物足りないが、仕方ない。
posted by 小澤和也 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年10月09日

ガガガガーーッ!

今日は朝から雨模様。
こんな日は家で過ごす。
もっとも、することはいつもと大して変わらない…

最近ちょっとハマっている茂木健一郎さんの本を読んだり、
久しぶりにジョスカンのAve Mariaをボーッと聴いたり、
Peter Benoitの伝記を辞書首っ引きで解読したり(これはライフワーク)。

たいていはBGMとして、仕事中でもCDをかけているのだが…
ジョスカンの続きを聴いているときにそれは起こった。

 「ガガ、ガガガ、ガガガガーーッ!」

スピーカーの右chから突然出てきた激しいノイズ!
ディスクを変えても再現する…
うーむ、困ったぞ。

我が家のアンプはかれこれ20年選手だ。
これまでに2回、メーカー修理に出して大事に使ってきている。
(決して安くはないので…)
CDプレーヤは、同じ頃に購入したものが昨年とうとうダメになり、良質の中古品に買い替えたばかり。

どちらの問題だろう。
怖くてまだ突き止めていない…
いったんクールダウンさせて、明日チェックしよう。
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2010年10月08日

新・ベルギー人って…!

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ずっと探していたブノワのCDを、現地のネットオークションで見つけた。
ところが…
国外への販売に柔軟に対応してくれない様子。
支払方法が「国際送金」しかなく、高額な手数料を取られるらしいのだ。

ダメモトで、ベルギーの切手マニア、Mariekeに相談する。
「私の代わりにこれを購入して、日本へ送ってくださいませんか」
あっさりとOKのお返事をいただいた。
迷惑でなかったかを尋ねると、
「私は年長者だから、嫌なら"No"と言えるの…そうしたいと思うからするのよ」と。
メールの最後にはこう書かれていた。
「これから一生、私に切手を送ってね…;-)」

そして昨日…CDが届いた!!
ルーベンスカンタータ、昨年7月にスホーテン(Schoten)で行われた演奏会のライヴ録音である。
(昨年はブノワ生誕175周年)
さっそく聴いてみた。(感想は別記)


実は彼女、これより前にブノワの「歌集」を送ってくださっている。
フリーマーケットで見つけたのだそうだ。
いつ頃のものなのだろうか、紙は黄色く焼け、めくっているうちに折り目が裂けてきそうな古さである。
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中味は、後の作曲家による「ブノワを讃える歌」が2曲と、ブノワの作品からピックアップした「名旋律集」といった感じ。
「フランデレン人の歌」「かちどきの声」など、愛国心に根差したタイトルばかりだ。
「我が母国語」ももちろん入っている。
ありがとう、Marieke!


さてと…
がんばって切手を集めよう。
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2010年10月06日

ブノワ(19):レクイエム[4]

[ディエス イレ つづき]

§第三部

Un poco allegro 4/2拍子
音楽は切れ目なく第一部分の再現へと向かう。
「呪われた者たちが口を塞がれ〜」
主要主題の前半(ミーレー|ファミ・・)が低弦に、後半(・ミレミ|ドーーー|シーーー)が小合唱に現れるとすぐに、全合唱および管弦楽で「最後の審判モティーフ」を激しく歌う。

Maestoso agitato ト短調 4/2拍子
第一部冒頭の速度、調性、拍子に戻り、改めて主要主題の再現が果たされる。「私は哀願し祈る〜」「涙あふれる日〜」
ffffの最強音で"Deus"(神よ)と2度絶叫すると、音楽は急激に勢いを弱め、コーダ(終結部)へと向かう。

Andantino ト短調 3/2拍子
「それゆえこの者を惜しみたまえ〜」
トランペットとティンパニが葬送のリズムを重々しく刻む。
大合唱男声が最弱音で「慈悲深いイエスよ」を呟く中、小合唱は「最後の審判モティーフ」を歌う。
そしてMaestoso、4/2拍子に転じ、レガートで奏される主要主題とともに全合唱が「アーメン」を唱え、この「ディエス イレ」の章を閉じる。


第三部、特に「涙あふれる日」以降が、個人的にはやや急ぎ足に感じてしまう(モーツァルトの "Lacrimosa"を知っているだけに…)のだが、そのぶん高い凝縮力を持った、確かな構成の楽章であると言えよう。

(つづく)
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2010年10月05日

ちょっといい場所

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近所に小さな喫茶店を見つけた。
ログハウスのような外観。

内装も山小屋風。
柔らかい照明、少し高めの天井、そして小さな天窓。
マンデリンをいただく…ごくふつうに、美味。
カップも素敵。

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混んでない喫茶店はいいな。
(お店の方には申し訳ないけれど)
この静けさがいい。
音が静かなのはいうまでもなく、
人やものの動きにも、室内の空気にも静けさがある。
(BGMも…何か流れてはいたがよく覚えていない、そんなさりげなさ)

ほんのひととき「非日常」を味わう。
しばらく通うことになりそうな、そんな場所。
posted by 小澤和也 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年10月03日

あしべの一番長い日

朝から爽やかな好天。
「合唱日和」という言葉があるとすれば…
まさに今日がそれ!

32回目を数える江戸川区合唱祭。
参加団体も少しずつだが増加傾向とのこと、嬉しい限りである。
ただ、限られた時間で全団体がステリハを終えなければならない関係で…
与えられた時間は一団体あたり7分。
何とも厳しいが、仕方がない。
発声練習前ではあったが、少し声を出してホールの響きを確認する。
そのあと、スタジオでのリハーサル(こちらは20分)を慌ただしく済ませ、いざ本番へ。

瀧廉太郎の組歌「四季」。
「花」だけが飛び抜けて有名だが、あとの3曲も美しい作品である。
我が「あしべ」のメンバーは心をこめて歌い抜いた。
(これで歌い納めにしてしまうのはちょっともったいないかも)
振りながら…そしてメンバーの表情を見ながら、そんなことを考えていた。

会場近くのお店で打ち上げ。
普段からお喋り好きなメンバー、お酒が入るとさらに饒舌に!
皆さん、今日ばかりは家事や諸々のお世話ごとから離れて、このうえない解放感に浸っていらっしゃるようであった。

次の目標は、来年5月の『合唱団あしべ演奏会』だ。
来週からまた〜楽しくがんばりましょう、皆さん!
posted by 小澤和也 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

両道

カリーノ・スケルツォ交響楽団、2回目の合奏稽古へ。

今日の会場は初めて行く場所だった。
最寄り駅は新木場、夢の島公園内にある「BumB東京スポーツ文化館」という施設である。
〜BumBって何?〜などと考えながら歩いているうちに…着いた。

「エグモント」とブラームスの前半2楽章をみっちりと手掛ける。
明日に備え、飲みに行かずに帰宅。

今、このBlogを書いていて、ふっとひらめいた。
BumBって…「文武」?
posted by 小澤和也 at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2010年10月01日

いよいよ

今日から10月。
衣更え…赤い羽根共同募金…秋であるなぁ。

合唱団あしべの稽古へ。
江戸川区合唱祭を明後日に控え、最後の歌い込みを行った。

今日のテーマは2つ。
「各曲の綿密なニュアンス付け」、そして「組曲としての統一感」である。
楽譜の指示を超えた領域での細かい表現を徹底した。
いわば「彩色」あるいは「香り付け」。
あと一週あればさらに磨きがかかったとは思うが…(贅沢は言うまい)

「花(春)」と「納涼(夏)」は同じ調性で書かれており(ともにイ長調)、両者は密接な繋がりを持つ。
また、「月(秋)」と「雪(冬)」は、原曲ではどちらも混声四部合唱で作曲されているので、やはり関連があると見るべきであろう。
メンバーにはこれらを、(理屈ではなく)肌で、気分で感じていただけるように導いたつもりである。

通し稽古とダメ出しを繰り返し、仕上げてゆく…
今日も佳いレッスンになった。
あとはいよいよアウトプットだ。


 [第32回 江戸川区合唱祭]
  10月3日(日)午後開演。
  会場:タワーホール船堀(都営新宿線船堀駅下車)
  合唱団あしべの出番は15時過ぎです。
  ぜひお運びください。
posted by 小澤和也 at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記