快晴の日曜日…オケ稽古二本立てへ。
まず、午後一番で湘南アマデウス合奏団。
ご一緒するのは二ヶ月ぶりだ。
モーツァルト/オーボエ協奏曲とハイドン「太鼓連打」。
コンミスが素晴らしいリードを示し、まとまりのあるアンサンブルになりつつある。
細部のニュアンスや音程の確認を重ね、フォルムを整えてゆく。
この時代(古典派前期)の音楽においては、何を措いても「響きが美しい」ことが必須である。
佳い作品とともに…楽しい時間。
急いで移動…夕方から茅ヶ崎交響楽団、こちらは弦分奏。
演奏会を一ヶ月後に控え、いわば「弱点克服」のための練習だった。
なんといっても、チャイコフスキー「1812年」が難曲。
アンサンブルと音程感覚の精度をとにかく上げてゆく。
この3時間で、かなり練られたと思う。
次週の本棒合奏で「アウトプット」して欲しいな。
藤沢へ向かう途中、ひとつ用事を思い出して銀座へ寄った。
有楽町駅で降りると…街が何やら異様な雰囲気。
あ…!今日だったか…
東京マラソンだった。
晴海通りはランナーと見物客の人だかりですごいことに…
仕方なく、地下道を利用して目的地まで辿り着く。
マラソンコースは銀座四丁目の交差点を左に折れ、中央通りを日本橋方面へ。
厳重な交通規制のおかげ?で、目的地の銀座七丁目はガラガラだった。
ちょっと珍しい光景。
2011年02月28日
2011年02月26日
子供のカンタータ
オランダからの荷物が届いた!
ネットオークションでゲットした、我がペーテル・ブノワ関連の資料である。
どれも古いもので、ページをめくる傍からバラけていってしまうほどだ。
これはアントウェルペン音楽学校の発表会のプログラム。
表紙には1893年と書かれている。
校長であったブノワは、当然この冊子を目にし、発表会も聴いたことだろう。
【この年、フラームス歌劇場(フランデレン語での上演)が
ブノワによって設立される。そして4年後…1897年にこの
学校は王立音楽院としてようやく認められることになる。】
そしてこれが…
"De Waereld in!"(Kindercantate) のヴォーカルスコアだ。
和訳すると…『世界へ!』とでもなろうか。
1878年の作曲、楽譜の出版は1887年と記されている。
歌詞はもちろんフランデレン語。
「子供のカンタータ」の副題が示すように、歌のパートは児童合唱(四部)で書かれている。
このパート分けがちょっと面白い。
上から
Kindertjes …児童たち
Meisjes …少女たち(以上ソプラノ)
Maagdelijns…娘たち
Knapen …少年たち(以上アルト)
何とも微妙だが、おそらく学年などで割り振ったのであろう。
僕がいま必死に読んでいるブノワの伝記(フランデレン語!)によれば、
「…1878年8月25日、アントウェルペンじゅうの公立学校の児童・生徒、およそ1200人(の合唱)によって初演された」
らしい。
市を挙げての一大イベントであったことだろう。
テキストも楽譜も、これからじっくり読み進めていく。
「教育音楽」としてブノワがどのようなものを書いたか、とても興味深い。
音源は…見つからないだろうなあ…
ネットオークションでゲットした、我がペーテル・ブノワ関連の資料である。
どれも古いもので、ページをめくる傍からバラけていってしまうほどだ。
これはアントウェルペン音楽学校の発表会のプログラム。
表紙には1893年と書かれている。
校長であったブノワは、当然この冊子を目にし、発表会も聴いたことだろう。
【この年、フラームス歌劇場(フランデレン語での上演)が
ブノワによって設立される。そして4年後…1897年にこの
学校は王立音楽院としてようやく認められることになる。】
そしてこれが…
"De Waereld in!"(Kindercantate) のヴォーカルスコアだ。
和訳すると…『世界へ!』とでもなろうか。
1878年の作曲、楽譜の出版は1887年と記されている。
歌詞はもちろんフランデレン語。
「子供のカンタータ」の副題が示すように、歌のパートは児童合唱(四部)で書かれている。
このパート分けがちょっと面白い。
上から
Kindertjes …児童たち
Meisjes …少女たち(以上ソプラノ)
Maagdelijns…娘たち
Knapen …少年たち(以上アルト)
何とも微妙だが、おそらく学年などで割り振ったのであろう。
僕がいま必死に読んでいるブノワの伝記(フランデレン語!)によれば、
「…1878年8月25日、アントウェルペンじゅうの公立学校の児童・生徒、およそ1200人(の合唱)によって初演された」
らしい。
市を挙げての一大イベントであったことだろう。
テキストも楽譜も、これからじっくり読み進めていく。
「教育音楽」としてブノワがどのようなものを書いたか、とても興味深い。
音源は…見つからないだろうなあ…
2011年02月24日
ブノワ(26):フルートと管弦楽のための交響詩[3]
(続き)
[第3楽章:鬼火の踊り]
四分音符=126、ホ短調、2/4拍子、ソナタ形式
イタリア語による速度表示は無いが、Allegro vivace的な快活な楽章である。
まず、弦楽器のユニゾンによる激しいモティーフの序奏で幕を開ける。
これに続いて、管楽器のリズムに乗せて独奏フルートが生き生きとした第一主題を奏でる。
ラテン的な情熱と民族的な土臭さを併せ持ったような旋律だ。
短い推移部を挟んで、第一主題が属調(ロ短調)で繰り返されると、序奏部の音型が全管弦楽を伴って現れ、最初のクライマックスをつくる。
すると、フルートがこの音型を伸びやかに受け継ぎ、ソリスティックに展開する副次主題部に入る(ニ長調)。
これが収まっていきト長調に落ち着くと、やや速度を減じ(Meno animato)、弦楽器の三連符リズムの上でなめらかな第二主題が独奏フルートによって示される。
(詳細は不明だが、このメロディも民謡風な雰囲気を持っている)
この部分が終わると、前出の副次主題部の変形が短く現れ、展開部へと進む。
展開部は規模としてはそれほど大きくない。
序奏モティーフや第一主題などの素材を用いて構成されている。
そして、独奏フルートが細かいパッセージを奏でてゆく中、クラリネットとホルンによる第二主題がこれに重なって現れる場面は印象的だ。
短い推移を経て、再現部へ入る。
呈示部より若干縮小された形で、ほぼ型通りに進んでゆく。
副次主題はロ長調で、そして第二主題は同主調(ホ長調)で再現される。
コーダに入るとフルートが再び技巧を見せ、管弦楽と共に激しく盛り上がって全曲を閉じる。
この曲は比較的演奏機会に恵まれているようだ。
(ブノワの作品としては、であるが)
またCDも数種類出ている。
決して多いとはいえないロマン派のフルート協奏曲の一つとして、もっと広く知られてよい佳品である。
(この項終わり)
[第3楽章:鬼火の踊り]
四分音符=126、ホ短調、2/4拍子、ソナタ形式
イタリア語による速度表示は無いが、Allegro vivace的な快活な楽章である。
まず、弦楽器のユニゾンによる激しいモティーフの序奏で幕を開ける。
これに続いて、管楽器のリズムに乗せて独奏フルートが生き生きとした第一主題を奏でる。
ラテン的な情熱と民族的な土臭さを併せ持ったような旋律だ。
短い推移部を挟んで、第一主題が属調(ロ短調)で繰り返されると、序奏部の音型が全管弦楽を伴って現れ、最初のクライマックスをつくる。
すると、フルートがこの音型を伸びやかに受け継ぎ、ソリスティックに展開する副次主題部に入る(ニ長調)。
これが収まっていきト長調に落ち着くと、やや速度を減じ(Meno animato)、弦楽器の三連符リズムの上でなめらかな第二主題が独奏フルートによって示される。
(詳細は不明だが、このメロディも民謡風な雰囲気を持っている)
この部分が終わると、前出の副次主題部の変形が短く現れ、展開部へと進む。
展開部は規模としてはそれほど大きくない。
序奏モティーフや第一主題などの素材を用いて構成されている。
そして、独奏フルートが細かいパッセージを奏でてゆく中、クラリネットとホルンによる第二主題がこれに重なって現れる場面は印象的だ。
短い推移を経て、再現部へ入る。
呈示部より若干縮小された形で、ほぼ型通りに進んでゆく。
副次主題はロ長調で、そして第二主題は同主調(ホ長調)で再現される。
コーダに入るとフルートが再び技巧を見せ、管弦楽と共に激しく盛り上がって全曲を閉じる。
この曲は比較的演奏機会に恵まれているようだ。
(ブノワの作品としては、であるが)
またCDも数種類出ている。
決して多いとはいえないロマン派のフルート協奏曲の一つとして、もっと広く知られてよい佳品である。
(この項終わり)
2011年02月22日
ブノワ(25):フルートと管弦楽のための交響詩[2]
(続き)
[第2楽章:哀愁]
アンダンテ、ハ長調、3/8拍子
2つの要素からなる自由なソナタ形式的楽章。
まず、深い森の中の情景を思わせるようなゆったりとした旋律が、4本のホルンによって奏される。(主題A)
ヴェーバーの「魔弾の射手」序曲の冒頭を連想させるような響きだ。
(調性も同じハ長調である)
これに続いて、独奏フルートがイ短調のメランコリックなテーマを奏でてゆく。(主題B)
この楽器独特の暗い音色を持つ中〜低音域を巧みに用いた、標題通り哀愁に満ちた美しいメロディである。
この部分が終わると、弦楽のユニゾンで表情豊かなエピソード的楽句が現れるが、再びフルートによる(B)がホ短調で繰り返され、ト長調に落ち着く。
次いで、Molto tranquillo(非常に穏やかに)の部分に入り、フルートが三連符のなだらかなカデンツァを奏する。
ほどなく、弦楽器のピツィカートによって(A)がカデンツァに絡むように再現…
続いて全合奏のfで(A)が力強く響く中、フルートはより技巧的なパッセージを展開してゆく。
すると突然、前出のエピソード楽句が不穏な雰囲気をもって低弦に現れ、それを引き継いでフルートが(A)のモティーフを短調で再現する。
それがいよいよ高まりを見せ…
と、ここで4本のホルンによる(A)の末尾が柔らかく響き、音楽は楽章冒頭の気分に巡りかえってゆくのだ。
この部分のドラマティックな展開は印象的である。
以下、(B)が独奏フルートにより主調で再現され(ただし1オクターヴ上で、より劇的に)、ハ長調に落ち着く。
最後は(A)の断片を交互に奏でながら、消えるように楽章を閉じる。
(この項つづく)
[第2楽章:哀愁]
アンダンテ、ハ長調、3/8拍子
2つの要素からなる自由なソナタ形式的楽章。
まず、深い森の中の情景を思わせるようなゆったりとした旋律が、4本のホルンによって奏される。(主題A)
ヴェーバーの「魔弾の射手」序曲の冒頭を連想させるような響きだ。
(調性も同じハ長調である)
これに続いて、独奏フルートがイ短調のメランコリックなテーマを奏でてゆく。(主題B)
この楽器独特の暗い音色を持つ中〜低音域を巧みに用いた、標題通り哀愁に満ちた美しいメロディである。
この部分が終わると、弦楽のユニゾンで表情豊かなエピソード的楽句が現れるが、再びフルートによる(B)がホ短調で繰り返され、ト長調に落ち着く。
次いで、Molto tranquillo(非常に穏やかに)の部分に入り、フルートが三連符のなだらかなカデンツァを奏する。
ほどなく、弦楽器のピツィカートによって(A)がカデンツァに絡むように再現…
続いて全合奏のfで(A)が力強く響く中、フルートはより技巧的なパッセージを展開してゆく。
すると突然、前出のエピソード楽句が不穏な雰囲気をもって低弦に現れ、それを引き継いでフルートが(A)のモティーフを短調で再現する。
それがいよいよ高まりを見せ…
と、ここで4本のホルンによる(A)の末尾が柔らかく響き、音楽は楽章冒頭の気分に巡りかえってゆくのだ。
この部分のドラマティックな展開は印象的である。
以下、(B)が独奏フルートにより主調で再現され(ただし1オクターヴ上で、より劇的に)、ハ長調に落ち着く。
最後は(A)の断片を交互に奏でながら、消えるように楽章を閉じる。
(この項つづく)
2011年02月21日
日曜日に市場へ出かけ〜
夜更かしのせいで、今日は遅い始動。
日課のウォーキングも出発が昼前に…
いつもと少しルートを変えて、近所のショッピングモールへ向かう。
お目当てはこれ…雲南プーアル茶。
ここしばらく、ずっとお気に入りの中国茶である。
(たまにバー○ヤンに行ってもこればっかり飲んでいる)
ついでに書店に寄って、文庫本など数冊ゲット。
『やさしいダンテ<神曲>』(阿刀田高)。
[阿刀田さんの「○○を知っていますか」シリーズが実は大好きだ。
これのおかげで、聖書やギリシア神話などを「読んだ気分」になれる]
来週はじっくりと譜読みをするぞ。
勉強したい曲、知りたい作曲家、そして読みたい本もいっぱいだ。
2011年02月19日
そして今日も…
マリインスキー・オペラ「トゥーランドット」(プッチーニ)を観る。
(18日、NHKホール)
テノールのV.ガルージンがやはり断トツの存在感だ。
他の歌手陣ももちろんよかったのだが、伴奏とのバランス的な部分がちと難しかったのはホールのせい…?
(オケの音量が大き過ぎたとは思えないのだ)
そのオーケストラは今日も素晴らしかった。
もっとパワーで押してくるイメージを持っていたのだが、音色やアンサンブルの精度に重きをおいたものになっていた。
特に木管のブレンドの美しさ!
ゲルギエフの音楽創りも、誇張やデフォルメが一切なく、それがかえって「凄み」を感じさせていたと思う。
第1幕のリューのアリアが終わるや、間髪入れずに次のカラフの歌に繋げたり、休憩を挟まずに第2幕へ入るなど、ドラマの流れと緊張感をとても大切にしている様が見てとれた。
(アルファーノによる補筆の部分からは若干「急いだ」感じもしたが…)
演出は…
僕には「学芸会」っぽく見えてしまう瞬間がチラホラと。
例えば2幕1場、三人の大臣が故郷を懐かしむ場面。
突然川が流れ、色とりどりの花が咲く。
面白いのだけれど、やや浮き気味に思えた。
それから、3幕フィナーレの大団円で現れた、思いっ切り二次元な「龍」。
あれはどうしても必要だったのかしら?
龍、ではなくてリューの場面では、どうしても熱いものがこみあげてきてしまう…
それが物語だと分かっていても。
愛する人の幸福のために自らの命を投げ出す。
究極の「自己犠牲」。
(18日、NHKホール)
テノールのV.ガルージンがやはり断トツの存在感だ。
他の歌手陣ももちろんよかったのだが、伴奏とのバランス的な部分がちと難しかったのはホールのせい…?
(オケの音量が大き過ぎたとは思えないのだ)
そのオーケストラは今日も素晴らしかった。
もっとパワーで押してくるイメージを持っていたのだが、音色やアンサンブルの精度に重きをおいたものになっていた。
特に木管のブレンドの美しさ!
ゲルギエフの音楽創りも、誇張やデフォルメが一切なく、それがかえって「凄み」を感じさせていたと思う。
第1幕のリューのアリアが終わるや、間髪入れずに次のカラフの歌に繋げたり、休憩を挟まずに第2幕へ入るなど、ドラマの流れと緊張感をとても大切にしている様が見てとれた。
(アルファーノによる補筆の部分からは若干「急いだ」感じもしたが…)
演出は…
僕には「学芸会」っぽく見えてしまう瞬間がチラホラと。
例えば2幕1場、三人の大臣が故郷を懐かしむ場面。
突然川が流れ、色とりどりの花が咲く。
面白いのだけれど、やや浮き気味に思えた。
それから、3幕フィナーレの大団円で現れた、思いっ切り二次元な「龍」。
あれはどうしても必要だったのかしら?
龍、ではなくてリューの場面では、どうしても熱いものがこみあげてきてしまう…
それが物語だと分かっていても。
愛する人の幸福のために自らの命を投げ出す。
究極の「自己犠牲」。
2011年02月15日
静かなる興奮、そして感動
ベルリオーズ「トロイアの人々」−全曲日本初演−を聴く。
(2月14日、サントリーホール)
【マリインスキー歌劇場管弦楽団&合唱団 特別演奏会
全5幕、コンサート形式、フランス語上演】
このオペラは5幕構成だが全2部に分かれており、
第1部:トロイアの奪取(陥落) …第1〜2幕
第2部:カルタゴのトロイア人たち…第3〜5幕
となっている。
(日本では第2部のみが1974年に演奏されているそうだ)
演奏会形式ということで、歌手はほぼ全員が舞台最前列に並ぶ。
指揮台は置かれていない。
ゲルギエフ登場…
その瞬間、会場の空気が明らかに変わった。
第1部は、ギリシア神話のいわゆる「トロイアの木馬」の物語が背景となる。
オペラのストーリーは、トロイアの王女であるカサンドルを軸に進んでゆく。
カサンドルを歌うM.フドレイがまず素晴らしかった。
予知能力がありながら(彼女は巫女でもあった)それを信じてもらえない苦しみ、そして次第に取り乱してゆく様子を激しく歌い切っていた。
トロイアの英雄(ただし、彼の判断が木馬を城内に引き入れるきっかけとなってしまうのだが)エネ役のS.セミシュクール、カサンドルの婚約者コレーブ役のA.マルコフも良かった。
全2幕、およそ80分が一気に演奏された。
ゲルギエフは曲毎の間をほとんど置かず、畳み掛けるように音楽を運んでいく。
時折大きく後ろに下がり、歌手とのコンタクトを密に取っているのが印象的だった。
(指揮台を用いなかった理由はこれかも知れない)
20分の休憩後、第2部へ。
場面は一転してアフリカ北部の都市、カルタゴ。
物語は、トロイアを脱出しイタリアを目指していたエネがカルタゴに漂着し、この国の女王であるディドンと恋に落ちる…というものである。
音楽的な軸となるのはやはりディドンだ。
亡夫への操を守り抜こうとし…
エネの出現により良心の呵責に悩み…
一度は結ばれたものの結局はイタリアへと出帆してしまったエネに対して、その愛情が激しい呪いへと変貌してゆく…
このドラマティックな役を見事に歌い切ったE.セメンチュクの存在感がとにかく凄かった。
他のキャストも皆素晴らしかったのだが、それが霞んでしまうほどだ。
全3幕、約120分ノンストップ。
オーケストラ(そしてバンダも!)の表現力とパワー、合唱(各パート16〜17人)の声量にも圧倒された。
ベルリオーズが考えた様々な「仕掛け」のすべてを、今回の演奏はすべて描き尽くしていたように思えてならない。
ゲルギエフの指揮はいつもの独特なスタイルながら、緻密で繊細な音をオーケストラから引きだしていた…
と同時に、歌手の呼吸とも素晴らしく調和。
言葉にすると実に陳腐であるが…
これはまさしく「歴史的名演」と言えるのではないか。
この場に立ち会えた幸運に感謝。
この「非日常的空間」から外へ出てみると…
大粒の雪。
夢の続きを見ているような、
そんな不思議な気分で帰路についた。
2011年02月14日
禁断のあんバター
先週、銀座に寄った際につい買ってしまった。
木村家の「あんバター」である。
ここ最近ずっと、甘いものを控えていたのだけれど…
柔らかめのフランスパンに包まれた粒あんとホイップバターの組み合わせ。
これはもう「ルール違反」ものの美味しさだと思う。
初めて食べたときの感動(?)は今も忘れられない。
しかも今回は「苺あんバター」なるものまであるではないか!
悩んだ末…両方買ってしまった。
思いの外しっかりとした "苺" のあんであった。
粒あんよりも、ホイップバターとの "和洋の対比" 感が強いか。
甲乙付け難いが…
やっぱり本家「あんバター」に軍配。
これぞ禁断の甘味。
次に銀座に行くときが…心配である。
2011年02月11日
至福のベルギービール
昨夕、都内にあるベルギー料理店「シェ・ミカワ」へ。
お目当てはもちろんベルギービール。
まずはChimay(シメ)の赤。
定番中の定番。
一緒につまんだフリッツ(ポテト)がまた美味しい。
塩胡椒、そして炒めた玉ねぎの甘みだけというシンプルな味つけ。
次に頼んだのがPatrasche。
そう…あの「パトラッシュ」である。
ご当地フランデレン地方ではそれほど有名でもないらしい「フランダースの犬」。
瓶のラベルとグラスにはしっかりネロ少年とパトラッシュが描かれている。
ただし、あんまり可愛くない。
締めはWestmalle Tripel(ウェストマール トリプル)。
牛肉の煮込み、自家製ソーセージなど、お料理も美味しく戴いた。
これは…リピート必至だな。
お目当てはもちろんベルギービール。
まずはChimay(シメ)の赤。
定番中の定番。
一緒につまんだフリッツ(ポテト)がまた美味しい。
塩胡椒、そして炒めた玉ねぎの甘みだけというシンプルな味つけ。
次に頼んだのがPatrasche。
そう…あの「パトラッシュ」である。
ご当地フランデレン地方ではそれほど有名でもないらしい「フランダースの犬」。
瓶のラベルとグラスにはしっかりネロ少年とパトラッシュが描かれている。
ただし、あんまり可愛くない。
締めはWestmalle Tripel(ウェストマール トリプル)。
牛肉の煮込み、自家製ソーセージなど、お料理も美味しく戴いた。
これは…リピート必至だな。
2011年02月08日
ブノワ(24):フルートと管弦楽のための交響詩[1]
今年初めての雑記帳である。
先日ようやくスコアを手に入れた、この曲を取り上げよう。
§Symfonisch gedicht voor fluit en orkest
(フルートと管弦楽のための交響詩)
・作曲/初演 1865年、ブリュッセル/1866年2月、アントウェルペン
・演奏時間 約20分
・編成 フルート独奏
フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2
ホルン4、トランペット2、ティンパニ、弦五部
「交響詩」とあるが、実質的には協奏曲である。
(当初のタイトルは「交響的協奏曲」だった)
3楽章形式で、各楽章に次のような標題が付けられている。
1.鬼火 2.哀愁 3.鬼火の踊り
こうした標題は、同じ時期に書かれた「ピアノと管弦楽のための交響詩」や、それ以前に作曲されたピアノ独奏曲「物語とバラッド集」(1861年)にも付加された。
それらは、ブノワの出生地に残る伝説から採られているのだそうだ。
この作品は、初演時のフルート奏者J.デュモンとその弟子T.アントーニに献呈された。
[第1楽章:鬼火]
スケルツォ・ヴィヴァーチェ、ホ短調、3/4拍子
展開部を欠いたソナタ形式。
冒頭、速い3拍子の激しいリズムに乗って、情熱的な第一主題がオーケストラによって呈示される。
これがいったん静まると、低弦のpp保続音(fis)上で独奏フルートがカデンツァ風に颯爽と登場する。
属調(ロ短調)で再度第一主題が力強く現れ、フルートのパッセージがそれに続く。
次いで、よりなだらかで表情豊かな第二主題(ト長調)がチェロで奏され、フルートがすぐにそれを受け継ぎ発展させてゆく。
やがてこの部分が静かに収まると、フルートが音量・テンポを自在に操りながら進む小結尾へ。
次第に盛り上がりつつ呈示部を終わる。
展開部の代わりの、ごく短いエピソード部分を経て、音楽はそのまま再現部へ入る。
第一主題が原調、次いでイ短調で奏でられた後はほぼ型通りに進み、第二主題および小結尾はホ長調で現れる。
コーダではテンポをさらに速める(Presto)。
オーケストラがエピソード部で見せたリズム音型で支える中、フルートが技巧的なフレーズを吹き続け、短いカデンツァと共に一気に楽章を閉じる。
(この項つづく)
先日ようやくスコアを手に入れた、この曲を取り上げよう。
§Symfonisch gedicht voor fluit en orkest
(フルートと管弦楽のための交響詩)
・作曲/初演 1865年、ブリュッセル/1866年2月、アントウェルペン
・演奏時間 約20分
・編成 フルート独奏
フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスーン2
ホルン4、トランペット2、ティンパニ、弦五部
「交響詩」とあるが、実質的には協奏曲である。
(当初のタイトルは「交響的協奏曲」だった)
3楽章形式で、各楽章に次のような標題が付けられている。
1.鬼火 2.哀愁 3.鬼火の踊り
こうした標題は、同じ時期に書かれた「ピアノと管弦楽のための交響詩」や、それ以前に作曲されたピアノ独奏曲「物語とバラッド集」(1861年)にも付加された。
それらは、ブノワの出生地に残る伝説から採られているのだそうだ。
この作品は、初演時のフルート奏者J.デュモンとその弟子T.アントーニに献呈された。
[第1楽章:鬼火]
スケルツォ・ヴィヴァーチェ、ホ短調、3/4拍子
展開部を欠いたソナタ形式。
冒頭、速い3拍子の激しいリズムに乗って、情熱的な第一主題がオーケストラによって呈示される。
これがいったん静まると、低弦のpp保続音(fis)上で独奏フルートがカデンツァ風に颯爽と登場する。
属調(ロ短調)で再度第一主題が力強く現れ、フルートのパッセージがそれに続く。
次いで、よりなだらかで表情豊かな第二主題(ト長調)がチェロで奏され、フルートがすぐにそれを受け継ぎ発展させてゆく。
やがてこの部分が静かに収まると、フルートが音量・テンポを自在に操りながら進む小結尾へ。
次第に盛り上がりつつ呈示部を終わる。
展開部の代わりの、ごく短いエピソード部分を経て、音楽はそのまま再現部へ入る。
第一主題が原調、次いでイ短調で奏でられた後はほぼ型通りに進み、第二主題および小結尾はホ長調で現れる。
コーダではテンポをさらに速める(Presto)。
オーケストラがエピソード部で見せたリズム音型で支える中、フルートが技巧的なフレーズを吹き続け、短いカデンツァと共に一気に楽章を閉じる。
(この項つづく)
2011年02月06日
無題
久しぶりに完全オフな日曜日。
「何にもしない」をする。
いつものようにウォーキング。
午後はのんびりと部屋の模様替え、そのあとスコアの製本。
夕飯後…ふと思い立って銭湯へ。
やはり広い湯舟は気持ちがいいものだ。
帰ってから、これまた久しぶりに家で軽ーく晩酌♪
先日の演奏会で戴いた富山の大吟醸だ。
まろやかな美味。
よし、それで明日からまた頑張れる。
「何にもしない」をする。
いつものようにウォーキング。
午後はのんびりと部屋の模様替え、そのあとスコアの製本。
夕飯後…ふと思い立って銭湯へ。
やはり広い湯舟は気持ちがいいものだ。
帰ってから、これまた久しぶりに家で軽ーく晩酌♪
先日の演奏会で戴いた富山の大吟醸だ。
まろやかな美味。
よし、それで明日からまた頑張れる。
2011年02月04日
春の気配
今日は立春。
「春は名のみの 風の寒さや…」
(吉丸一昌作詩「早春賦」)
それでも、ここ東京では少しずつ確実に春の足音を感じることができる。
二週間ぶりの合唱団あしべ。
今日もまず「島唄」を歌い込む。
声は一応揃ってきたが…この曲の魅力はもっと先にあるはず。
メロディと歌詞に心底共鳴し、深く深く感情移入したところでの「歌」を聴きたいと思う。
あとほんの少し、である。
稽古の後半は、新実徳英さんの「花に寄せて」。
今日も「ねこじゃらし」のおさらい。
前回よりは佳い部分が増えてきたようだが…
難曲であることには変わりない。
演奏会直前まで「チャレンジ精神」をもって臨んでいこう。
「春は名のみの 風の寒さや…」
(吉丸一昌作詩「早春賦」)
それでも、ここ東京では少しずつ確実に春の足音を感じることができる。
二週間ぶりの合唱団あしべ。
今日もまず「島唄」を歌い込む。
声は一応揃ってきたが…この曲の魅力はもっと先にあるはず。
メロディと歌詞に心底共鳴し、深く深く感情移入したところでの「歌」を聴きたいと思う。
あとほんの少し、である。
稽古の後半は、新実徳英さんの「花に寄せて」。
今日も「ねこじゃらし」のおさらい。
前回よりは佳い部分が増えてきたようだが…
難曲であることには変わりない。
演奏会直前まで「チャレンジ精神」をもって臨んでいこう。
2011年02月03日
朝の楽しみ
ウォーキングを始めた。
健康増進(メ○ボ対策)、そして生活のリズムをつくるために。
どこまでできるか、正直なところあまり自信がなかったが…
かれこれ3週間続いている。
始めて3〜4日経った頃、
「歩くのって気持ちいいかも…」と思えてきた。
少しずつ距離(時間)を増やし、今は町内一周50分コースといったところ。
明らかに身体が軽くなったような気がする。
それから…腰痛にもいいみたいだ。
朝の心地よい冷気、澄んだ青空、
そしてベーカリーの店先から流れてくる香ばしいにおい…
五感を働かせながら、明日からも楽しもう。
健康増進(メ○ボ対策)、そして生活のリズムをつくるために。
どこまでできるか、正直なところあまり自信がなかったが…
かれこれ3週間続いている。
始めて3〜4日経った頃、
「歩くのって気持ちいいかも…」と思えてきた。
少しずつ距離(時間)を増やし、今は町内一周50分コースといったところ。
明らかに身体が軽くなったような気がする。
それから…腰痛にもいいみたいだ。
朝の心地よい冷気、澄んだ青空、
そしてベーカリーの店先から流れてくる香ばしいにおい…
五感を働かせながら、明日からも楽しもう。
2011年02月02日
継続、そして飛躍
この「音楽ノート」を書き始めて、今日で満一年。
楽しかった…あっという間だった。
日々の活動、考えていること、好きなレコード、
そしてペーテル・ブノワの音楽について。
この先も気儘に、でもコツコツと書いていこうと思う。
引き続きこのBlogを通して、皆さまと繋がっていけたら嬉しいです。
応援どうぞよろしくお願いいたします。
2011.2.2 小澤和也