2011年03月02日

私の愛聴盤(21)

§ディーリアス/管弦楽曲集
 ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー室内管
 ('77年録音)


かなり昔のことである。
NHK-FMで「夜の停車駅」という番組があった。
ナレーションは江守徹さん。
(渋くていい声だったなあ…)
どういう企画構成だったのか、毎回クラシックを扱っていたのか…
今となってはまったく覚えていないのだけれど…

その日の放送では、江守さんの語りの合間にずっと、ディーリアスの音楽が流れていた。
フレデリック・ディーリアス(1862-1934、イギリス)。
この作曲家のことは何一つ知らなかったのに…
気がつくと、部屋のラジカセに食い入るようにして聴いていた、そのことだけは鮮明に記憶している。

ここに収められているのは、いずれも数分程度の小品やオペラの間奏曲である。
「春初めてのカッコウを聞いて」「河の上の夏の夜」「日の出前の歌」…
いずれも、季節や情景のさりげない描写を通して、甘美なノスタルジアを感じさせるチャーミングな作品だ。
民謡風の人懐っこいメロディに淡く優しい和声が寄り添い、独特の雰囲気を醸し出している。

実はもう一枚、サー・トマス・ビーチャム指揮のCDもお気に入りなのだが、今回はこちらを選んだ。
それは…
このマリナー盤には「エアーとダンス」という弦楽合奏の小曲が入っているから。
この曲は間違いなく、あの日の放送でもかかっていたのだ…
今でも耳に焼き付いている。
posted by 小澤和也 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛聴盤