数年前に読んだこの本のことを、ふっと思い出した。
著者はブラジルの作家、パウロ・コエーリョさん。
(敬虔なカトリックであられるとのこと)
あらすじについて、巻末の「訳者あとがき」から自由に引用させていただく。
『〜題材は旧約聖書の列王紀上に出てくる預言者エリヤです。
この小説はエリヤが故国イスラエルを追われ、隣国レバノン
の小都市ザレパテで亡命生活を送っていた間の出来事として
描かれています。(中略)その三年間に彼がどのように生き、
何を学び取っていったかを作家の想像力をふくらませて書い
ています〜』
エリヤが身を寄せていたザレパテは、アッシリア軍によって攻撃され廃墟と化す。
町の有力者や生き残った男達は町から逃げ去った。
エリヤは、残った女達、老人達、そして子供達とともに動き出す。
廃墟を片付け、食料を集める。
文字の書き方を教え、灰を畑にまく。
そして残った住民一人ひとりに新しい名前をつけ、役割を与える。
〜そう、これは再建の物語でもあるのだ。
心に強くひびく言葉が、この中にいくつも記されている。
「避けられないことを止めることはできない」
「以前と同じ強さをと力を自分は持っている、ということに気付くこと」
「不満足な過去があるならば、それはすぐに忘れなさい」
「子供は常に、三つのことを大人に教えることができる…理由なしに幸せでいること。何かでいつも忙しいこと、自分の望むことを全力で要求する方法を知っていること」
この本は、僕が苦しいときにいつも支えになってくれた。
「第五の山」
パウロ・コエーリョ著
山川紘矢、山川亜希子訳
角川文庫