2011年11月29日

卒団生からの贈りもの

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長年ご一緒している専修大学フィル。
先日も、チャイコフスキーとヴェルディの合奏をみっちりと。
演奏会直前、僕の受け持つラストの回ということで、メンバーも僕も気合い十分。

レッスンが終わったあと、4年生の団員達が僕のもとへ集まってきた。
「4年間、お世話になりました!」
と、前インペクのSさん。

 そうか!
 この日が彼らとの最後の合奏だったのか…

稽古中は全く意識していなかったのだけれど、
こうして勢揃いした皆の姿を見ていたら、やはりグッと来た。
(こいつらも、もう卒団か…早いなあ)

今回も、素敵なプレゼントを戴いた。
イタリア製のペッパーミルと粒胡椒、
岩塩、ターメリック、パセリ、そして唐辛子のセット。

 〜なかなか小粋なセレクトじゃん!〜

みんな、ありがとう!
美味しく、楽しく使わせてもらいます。
土曜日の演奏会、がんばって。
posted by 小澤和也 at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年11月25日

Popolo di Pekino!

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立川市民オペラ「トゥーランドット」、
合唱立ち稽古がスタート。
これまで積み重ねてきた音楽稽古とはまた違ったドキドキ・ワクワク感、
そして、
新しく開けてゆく「展望」への期待が、立ち稽古にはあるものだ。

演出は中村敬一先生。
初日はやはり第一幕冒頭から。
はじめの導入をどのようになさるかとても興味があったのだが、
やはり実に素晴らしかった。

立ち位置や動線など、必要最低限の外的要素(いわゆる段取り、おやくそく)は押さえつつも、
それ以上に大切な内面(登場人物個々の心の状態、そして台本&テキストから浮かび上がる必然的な身体の動き)の構築に対して充分に意を用いたご指導である。
残酷極まりない群集心理、また西洋の視点で見た「野蛮で低俗なアジアの民」としての在りようを顔の表情に、そして歌声にしっかりと乗せて演ずることを繰り返し求める先生の意図に、少しずつだが応えていく合唱団員の姿。
次回以降の稽古もとても楽しみだ。
posted by 小澤和也 at 17:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記

2011年11月23日

冴える、我が音

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先週末、ホルツ・ブラス・カペーレの合宿へ。
(@三浦海岸、民宿根本荘)
延べ12時間の合奏&分奏…
大いに吹き、大いに飲んでの充実した二日間。

初日の夜、飲み会の席でメンバーの皆さんからのサプライズ!
「ホルツ作務衣」を戴いた。
プレゼンターはサンタ姿のM嬢。
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胸には、ホルツならぬ「通彫る」(ツーホル)の刺繍、
そして…
メンバーが名前やニックネームを入れる左肩には「冴我音」の文字が!
これで(ざわお)と読むのだそうだ(笑)

ホルツの皆さん、ありがとう。
合宿お疲れさまでした。
来月、佳いコンサートにしましょう!

 §ホルツ・ブラス・カペーレ 第38回定期演奏会
  12月25日(日)14時開演
  横浜市栄区公会堂(JR根岸線 本郷台駅下車)
posted by 小澤和也 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年11月16日

ペーテル・ブノワへのオマージュ(2)

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先日ゲットしたペーテル・ブノワのポスター、
2枚目はこれ。

"RUBENSHERDENKING 1940"(ルーベンス記念 1940)とある。
ルーベンスとは、言うまでもなく…フランデレン出身の画家、バロック絵画の巨匠と呼ばれたペトルス・パウルス・ルーベンス(1577〜1640)である。
年号が示すように、彼の没後300年を記念したコンサートであろう。

曲目はもちろん
ペーテル・ブノワの「ルーベンス・カンタータ」。
1877年、ルーベンス生誕300年に際し作曲されたブノワの代表作だ。

 この「ルーベンス・カンタータ」、実は愛称である。
 正式なタイトルは
 "Vlaanderens kunstroem" (フランデレン芸術の栄光)。
 歌詞の中でも、Rubensという言葉は一度しか出て来ない。
 それも、
 『ルーベンスの母国、フランデレンよ!〜』
 という使われ方で。
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それはともかく…
このニックネームのおかげで、この曲は現在もブノワ作品の中では隔絶して演奏頻度が高いようである。

ポスター中央には、ルーベンスの肖像が大きく配されている。
美術や印刷技術のことはよく分からないが、質感豊かで味わいのある見事なものだ。
「おらが国の名士」への敬愛の念をひしひしと感じる。
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なお、曲名の下には指揮者の名前(Lodewijk de Vocht)が記されている。
話は少し逸れるが…
僕が持っている何枚かの同曲のディスクのうちの1枚が、このマエストロの演奏のものである。
(こちらは1958年のライヴ録音)

ルーベンスの記念の年、アントウェルペンの街に
この音楽はどのように響いたのだろうか…
posted by 小澤和也 at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年11月14日

漢検2級

先日受検した日本漢字能力検定、
2級に合格しました。

郵送されてくる検定結果が待ち切れず、
協会ホームページで確認してしまいました。

 合否結果
 ◆会場番号   14A****
 ◆受検番号   20****
 ◆氏名     小澤 和也
 ◆判定     二級合格おめでとうございます。
 ◆合格証書日付 平成23年11月9日(水)

さあ、次は準1級だ!
難しいんだろうなあ…
posted by 小澤和也 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年11月11日

愛聴盤(27)〜ケルテスの戴冠ミサ

§モーツァルト/ミサ曲ハ長調「戴冠ミサ」K.317
 イシュトヴァン・ケルテス指揮ウィーン響、エディット・ガブリー(s)他
 ('61年録音)


この曲の魅力を僕に教えてくれたレコードである。
ケルテスのモーツァルト演奏に触れるたびにいつも感じること…
それは
「作曲家、そして作品に対する絶対的な信頼」だ。

彼の音楽表現には、誇張や過度の演出が無い。
すべてが自然である。
聴き進んでいくうち、逆に
 《ケルテスが天国のモーツァルトから信頼されて、
  これほどまでに美しい表現力を授かった》
のではないかと思うほど。
録音が古くてやや損をしているが、このコンパクトな佳曲を「等身大」で描いたチャーミングな演奏だと思う。

「キリエ」の落ち着きはらった佇まい、
しなやかなリズムを持って進む「グローリア」、
まさに「信条の表出」というに相応しい「クレード」の実直さ…
楽曲への深い愛情と確信がそこにある。

ソプラノ独唱のエディット・ガブリーはケルテス夫人。
「フィガロ」第3幕で伯爵夫人が歌うアリア
Dove sono i bei momenti(あの美しい時はいずこへ)の原型とも言える、
柔和で高貴な「アニュス・デイ」の旋律を歌うエディット、
そこに優しく寄り添うケルテスの姿がなんとも微笑ましい。
posted by 小澤和也 at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 愛聴盤

2011年11月09日

農工祭ミニコンサート

わが農工グリーのもう一つのステージ、
農工祭ミニコンサートが今週末に開催されます。
男声、女声はもちろん、混声合唱の曲も取り上げ、
バラエティ豊かにお送りします。

リードするのは二人の学生指揮者、T君とYさん。
一昨日、僕の最後のレッスンを見て来ましたが、
なかなかの仕上がり。
夏の時よりも、より前面にあらわれてきた「歌ごころの開花」が楽しみ。

皆さま、
お時間がありましたらぜひお運びください。


§農工祭ミニコンサート
 11月12日(土)、13日(日)いずれも14時30分開演
 東京農工大学農学部(府中キャンパス) 2号館21番教室にて
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年11月07日

聴き手との「距離」

第1回 小金井音楽談話室〜弦楽四重奏の愉しみ〜
を聴く。
(11/4、小金井市民交流センター小ホール)

ヴィルタス・クヮルテットの演奏による
モーツァルト、バルトーク、そしてベートーヴェンの傑作。
ホールにはステージを設えず、同じ平面上に奏者を取り囲むように客席が置かれている。
僕は3列目に座ったのだが、プレイヤーとの距離は6〜7mほど。
メンバーの息遣いはもちろん、互いに飛ばす視線やオーラまでが「見える」ようであった。

 これは楽しい...!

このコンサートのもう一つの特徴が「案内役」。
マイクを握っていらしたのは、いわき芸術文化交流館アリオスの音楽プロデューサー、足立優司さんである。
単なる「司会」とはひと味違った存在感。
一般のお客様には馴染みが薄いであろう弦楽四重奏の世界を、丁寧な言葉と豊富な知識をもって分かりやすく解説されていた。
この日の演奏に触れて、室内楽に興味を持たれた方々もきっと多かったであろう。

「コンサートのあり方」、「奏者と聴衆との距離」、
ひいては「精神の糧としての音楽の大切さ」...
僕にとって大切な様々なことを、深く考えさせてくれるひとときであった。


演奏の印象を簡単に。
§モーツァルト(ニ短調K.421)
  落ち着いたテンポでじっくりと語られた、こくのある演奏。
  アゴーギクがやや個性的だが、違和感は無し。
§バルトーク(第2番op.17 Sz.67)
  僕の中でこの日のベスト!
  楽曲の持つ厳しさの表出、各楽器の峻烈な音色と緊張感が見事。
§ベートーヴェン(変ホ長調op.127)
  所どころで「高めに取られる」ヴァイオリンの音程が気になって
  しまう瞬間が少なくなかった。ちょっと残念。
  この楽聖の偉大さを至近距離で体験できたのは大いなる喜び。
posted by 小澤和也 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年11月03日

最終稽古

立川市民オペラ合唱団のレッスン。
『トゥーランドット』演奏会形式の公演を3日後に控え、稽古も大詰め。

ここまで来たら
音楽(=ドラマ)の大きな流れを意識した歌い込みにしたい、
という気持ちの半面、
あともう少し、細部にこだわりをもって磨きあげたい、
との思いも捨てきれず…
両者のバランスを取りつつ、檄を飛ばしながら進めていく。
伴奏の今野さんにも大いに助けていただき、全幕を歌い切った。

今日の成果が土曜日のゲネプロ、
そして翌日の公演に発揮できますように…
合唱団の皆さん、
ギリギリまで暗譜の努力を!
そして、本番は思い切り「演じて」!


§立川管弦楽団 第61回定期演奏会
 プッチーニ/トゥーランドット(抜粋・演奏会形式)
  11月6日(日)14時開演
  立川市市民会館(アミューたちかわ)大ホール
  全席自由 1000円
  指揮:古谷誠一
  出演:津山恵(トゥーランドット)、山田精一(カラフ)
     中島寿美枝(リュー)他
posted by 小澤和也 at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年11月02日

万霊節の捧げもの

今日11月2日は「万霊節」。
キリスト教で、《この世を去ったすべての信徒を記念する日》
とのこと。
英語で "All Souls' Day"、ドイツ語では "Allerseelen"…
いずれも、直訳すると「すべての魂」だ。


ヘルマン・フォン・グリムの同名の詩に美しく繊細な曲を付したのが
若きリヒャルト・シュトラウス。
(作曲は1885年)
僕はこの8月に、テノール山枡信明さんのリサイタルでこの作品を聴き、
感動を新たにしたところである。


今日、広瀬大介さんの素敵な訳詩をTwitterで読むことができた。
氏のお許しを得て、ここに掲げる。

 万霊節

 献花台に 薫り高き木犀を
 咲き終わりの赤蝦夷菊を添えて
 二人で また愛を語ろう
 あのときの 五月のように
 
 その手をこちらへ ひとしれず握れるよう
 誰かに見られても かまいはしない
 思いを込めた まなざしだけでも
 あのときの 五月のように
 
 どの墓にも 花が咲き誇り薫りたつ
 一年(ひととせ)に一度 死せる者が解き放たれる日
 この心に戻れ いま一度(ひとたび) あなたとともに
 あのときの 五月のように


そして僕も。
この佳曲の透き通った美しさに惹かれ、管楽合奏曲に編んでみた。
目の前にあるヴォーカルスコアと、
僕の頭の中で鳴り続ける声&ピアノの響き…
それらを誰のためでもなく、自分の心に忠実に、総譜の上に置いてみた。
吹奏楽をこよなく愛する一人の音楽家の、
ささやかな「捧げもの」として。


この機会を与えてくださった山枡さんと広瀬さんに…心より感謝。
posted by 小澤和也 at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年11月01日

ペーテル・ブノワの原点

今日はオフ=研究日。
家でゆっくりと、わがペーテル・ブノワの読譜をするつもりだったのだが、
朝から近所の空き地で工事が始まる。
ダダダダダダダダ…と
地面に穴を開けるドリル(?)のけたたましい音と振動が…

堪らず部屋を飛び出し、近所の喫茶店へ避難。
マンデリンを戴きながら、勉強再開。

今日読んだのは
「モテット集」(同声合唱とオルガンorハルモニウム伴奏のための)
である。
僕の知る限り、ペーテル・ブノワ最初期の作品だ。
いかにも習作のような、初々しい…否、たどたどしい筆致の曲も。
だが、これらがブノワの「原点」である、との思いを向けるとき、
僕の中には愛情のようなものが湧いてくる。

中でも僕が好きなのは
20のモテット〜第7曲 "Panis Angelicus"(天使の糧)、
そして、同第16曲 "Tota Pulchra es, Maria" (マリアよ、あなたはことごとく美しく)
の2曲である。
いずれも、流麗な旋律線と美しい転調が、後の作品を予見させるように思える。
(「ブノワ節」とでも言おうか…)
小編成の、澄んだ響きの女声合唱でもって演奏したい作品だ。
posted by 小澤和也 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記