2011年12月14日

ブノワ(30):ドラマ・クリスティ[2]

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(続き)
楽曲構成は次のようになっている。

§序唱(Voorzang)アレルヤ
§第1部
・第1景 イエズスは我々に
「清貧の誉れ」を教える
・第2景 「労働への愛」
・第3景 「従順」
・第4景 「誘惑の克服」
・第5景 「祈り」
・第6景 「互いへの愛」
・第7景 「成功時の謙虚さ」
§第2部
・第8景 「逆境における精神力」
・第9景 「不屈の勇気」
・第10景「信仰告白」
・第11景「服従」
・第12景「不当さへの忍耐」
・第13景「悔悟」
・第14景「侮辱の赦免」
§第3部
・第15景 勝利の歌、アレルヤ

各景ごとにまず、四重唱が上記のタイトルをコラール風に歌う。
(ブノワはこの四重唱を "Stenenkoor" と呼んだ…直訳すれば「煉瓦石の合唱」であろうか)
すると続いて、語り手や洗礼者ヨハネ、イエズスや悪魔、それに大合唱も加わり聖書の物語を歌ってゆく。
それぞれの題名は多分に説教風だが、これが彼のスタイルと言えよう。
母国語での音楽教育に熱意を燃やし、信仰にも篤かったであろうブノワの…。

この曲(というか楽譜)にはもう一つの特徴がある。
それは…
各景ごとにその場面に即した、写真凸版によるキリストをモチーフとした細密画が挿入されていることである。
(画像は第13景、キリストが十字架を担わされる場面のものである)
ブノワの音楽とこれらの宗教画(ギュッフェンスとスヴェルツの共同制作)とが合わさって、一つの作品を形づくっているかのようである。

(つづく)
posted by 小澤和也 at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽雑記帳

2011年12月13日

積ん読【つんどく】

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本が好きだ。
もっと言えば…書店を巡るのが大好きである。
小説は、あまり読まない。
やはり音楽関係のものが多いかな。

「おっ、これは…」
と思うと、つい手を伸ばしてしまう。
「もしもこのタイミングを逃して、それっきり忘れてしまったら…」
と思ってしまうのだ。

ふと気になって、読みかけのものを引っ張り出してみた。
すると、あるわあるわ。
作曲家・指揮者の評伝やエッセイをはじめ、
ダンテ<神曲>の解説本、茂木健一郎さんの脳科学の本、
さらには歌集まで…

いくら何でも溜め過ぎか。

よし、いま読んでいる本を終えたら、これらを順にすべてやっつけるぞ!!
まずは、途中であまりに切なくなって進めなくなってしまった「たとへば君」からいこうか…

でも、きっとまた本屋さんへ行ってしまうのだろうな。
posted by 小澤和也 at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年12月12日

ありがとう、インターネットマシン

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携帯電話を新調した。
晴れて御役御免となったのが、この922SH。
横長の画面、そして何といってもqwertのキー配列が大のお気に入りだった。
特に…英文メールを打つ時のストレスの軽さといったら!

Blogもずっとこのインターネットマシンで書いていた。
(今日の文は…まだ慣れないiPhoneで打っている)
~3年半、お世話になりました~
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posted by 小澤和也 at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2011年12月07日

ブノワ(29):ドラマ・クリスティ[1]

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久しぶりに、我がペーテル・ブノワの作品について書いてみたい。


§DRAMA CHRISTI (キリストのドラマ)

1871年(ブノワ37歳頃)の作曲。
表紙タイトルの下にフラマン語(オランダ語)で
"Geestelijk Zanggedicht" と書かれている。
直訳すれば「宗教的音楽詩」、いわゆるオラトリオと考えてよいだろう。

タイトルは上述の通りラテン語だが、テキストはオランダ語による。
ドラマ・クリスティを作曲した頃のブノワについて、J.デウィルデさんの文章から引用すると…
 
 アントウェルペン市の音楽学校校長に任命(1867年)された後も、
 ブノワの宗教音楽への熱意は不変であった。
 作曲家としてのみならず、大聖堂の音楽監督の職にあり、この地位
 において彼自身の「国民のための音楽」のプリンシプルを宗教音楽
 にも適用することを試みた。
 彼は、コラールの歌唱を自国語で行うことを主張した…それにより
 会衆が音楽に、そして典礼により深く携わるようになる、と。
 ブノワはさらに、主要な宗教曲が自国語で作曲されることを望み、
 その実例として「ドラマ・クリスティ」を書いた。
 (ブノワ/20のモテット CD解説より)

楽曲は三部構成。
アレルヤの序章の後、合計15の場面(楽章)に分かれている。
キリストの誕生から受難までを、聖書のテキストによって描き進む形をとる。

この曲の最大の特徴はその編成ではないだろうか。
スコアによれば、
「独唱、大小の男声合唱、オルガンと管弦楽のための」とある。
独唱も3人の男声(テノール、バリトン&ベース)を想定しているようだ。
配役は
・語り手1(テノール)
・イエズス(バリトン)
・語り手2、洗礼者ヨハネ、悪魔、ユダ、大祭司、総督(以上ベース)

また、オーケストラの楽器編成も
チェロ、バス、トランペット、トロンボーン&ティンパニ
と、かなり独特である。
(彼の「Hoogmis 荘厳ミサ」中のベネディクトゥスで聴かれる、やはりチェロ&バスを柱としたサウンドを想起させる)

このヴォーカルスコア、つい最近ようやく手に入れたものだ。
でも音楽は…
実演はもちろん、録音でもまだ聴いたことがない。
(おそらく、母国ベルギー以外ではあまり演奏されないのではないか)

いずれぜひ、僕自身の手で、
そしてこの耳でブノワの響きを確かめたいと思っている。

(つづく)
posted by 小澤和也 at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽雑記帳

2011年12月06日

初心忘れるべからず

東京音楽大学での指揮科公開レッスンを見学させていただいた。
講師は高関健さん。
課題曲はベートーヴェンの第2交響曲。
7名の受講生が、学生有志からなるオーケストラを振る。
(受講生の中にはオーボエの茂木大輔さんもいらしてビックリ!)

素晴らしいレッスンだった。
よく知っているつもりだったこの曲のスコアから、これほどまで新鮮な音の風景を見ることになるとは!
多くの貴重なアドヴァイスを聞くことができた。

いつも思っていることだけれど…
音楽家は一生勉強だ。
そして〜初心忘るべからず。
posted by 小澤和也 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記