
新国立劇場「ラ・ボエーム」、
全5回の公演が終了した。
千秋楽の今日は、僕もバンダのメンバーも気合い十分だ。
第2幕の大詰め、カルチェラタンに集う群衆の喝采を浴びながらの行進は真に快感。
カーテンコールでお客様からの温かい拍手を浴びる。
客席を見つめながら、こんなことを考えた。
バンダの出番なんてホンの一瞬。
それに、物語の本筋とも大して関係しない。
〜でも、やっぱり必要な存在なんだよな…
第2幕が終わり、緞帳が下りたあとの舞台上で、いつも満面の笑みで僕に
「お疲れさまでした!」
と声をかけてくださる役者さんがいらした。
彼の役は「群衆をかき分けて軍楽隊の通る道をあける警官」。
彼だって、客席からはほとんど舞台の背景の一部のようにしか見えなかったと思う。
にもかかわらず、顔の表情から指先の動きまで、実に血の通った演技なのだ。
個々には際立たなくとも、全体の中で不可欠な存在というものがあるのだ…
ということを彼から改めて教わった気がする。
そして思った。
「これが…オペラを創るということなのだな」
音楽スタッフ、そして衣裳・メイクのスタッフの皆さんには今回も大変お世話になりました…感謝。