2012年04月17日

ケルテスの命日に寄せて

ハンガリー出身の名指揮者、イシュトヴァン・ケルテスがこの世を去って今日(4月16日)で39年。
何か聴こうと思っているうちに…
こんな時間になってしまった。

CDをあれこれ手に取ってみる。
モーツァルトのレクイエム…それとも白鳥の歌となったハイドン・ヴァリエーション(ブラームス)か…
あるいは渋く、ベートーヴェンの第4交響曲…?
いろいろ悩んだ末に、いま聴いているのがブラームス/第2交響曲。
ただし、ウィーンフィルとの名盤ではなく、手兵ロンドン響との1966年ライヴである。

第1楽章冒頭から表現の振幅が大きく、伸びやかな印象。
アゴーギクは多用せず、それでいて各楽器がよく歌うのだ。
特に、弱音の部分での木管楽器のカンタービレが美しい。
一方、クライマックスではホルンが思い切った強奏を見せる…
このあたり、いかにもライヴらしい。

第2楽章、出だしのチェロ&それを受けるヴァイオリンの、むんむんとむせ返るような甘い響きが強烈!
前楽章から一転して、大胆にテンポを揺らすケルテス。
それでも、ピタリと「決まった」感じがするのは…ケルテスとブラームスとの幸福な相性ゆえ?

チャーミングで軽やかな第3楽章を経て…フィナーレへ。
オケをグイグイとドライヴする、その推進力が凄まじい。
オケもそれに見事に応えてゆく。
(これは全くの想像だが…
楽員達はケルテスに「ついて行きたくてもう仕方がなかった」のではないだろうか、
と思いたくなるほどの一体感である)
全曲のラスト、曲が終わる前(最後の和音の途中ではない!)に拍手が起こる。
単なるフライングと言ってしまえばそれまでだが…
その気持ち、解らなくもない。
そのくらいに一気呵成な流れが、この演奏にはあるのだ。
やはりケルテスも「ライヴで燃える人」だったのだろう。

不慮の事故により43歳の若さで帰らぬ人となったケルテス。
1929年生まれであるから、ハイティンクやマゼールと同世代ということになる。
もし彼が生きていたら…
posted by 小澤和也 at 00:44| Comment(0) | 日記