2012年06月11日

「月光とピエロ」

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普段、詩を読むことなどあまりないのだけれど、
この「月光とピエロ」は僕にとって特別だ。
僕の場合、合唱組曲などの音楽作品から入り、それからその詩人・詩作に慣れ親しむというパターンが多い。
(立原道造、草野心平などもそうだった)


堀口大学の第一詩集「月光とピエロ」、
その中の「月光とピエロ」は六編の詩からなっている。

・雪
・月夜
・ピエロ
・秋のピエロ
・月光とピエロとピエレットの唐草模様
・雪の庭
(ピエロが登場しない二編の詩が、いずれも雪に関わるものになっている)


「月夜」「ピエロ」「秋のピエロ」
これらの中に一貫して流れているのは、しっとりと濡れた(恋の)悲しみ、そして泣きながらも笑うしかないピエロの辛さである。
言うまでもなく、ピエロ=大学自身であろう。
以下、自由に引用させていただくと…

月の光の照る辻に
ピエロさびしく立ちにけり。
ピエロの姿白ければ
月の光に濡れにけり。
(月夜)

ピエロは/月の光なり!
白く明るく/見ゆれども
月の光は/さびしかり!
(ピエロ)

身すぎ世すぎの是非もなく
おどけたれどもわがピエロ、
秋はしみじみ身に滲みて
真実なみだを流すなり。
(秋のピエロ)

読み進めるほどに、大学独特の夢幻的な世界へ否応なく引き込まれてゆく。


さて、
「月光とピエロ」に続いて収められている「EX-VOTO」(「捧げ物」とでも訳せるか)の中にも、
「ピエロの嘆き」と題された一編がある。

かなしからずや身はピエロ、
月の孀(やもめ)の父無児(ててなしご)!


話を戻して…
「月光とピエロとピエレットの唐草模様」、
これは少し雰囲気が変わっていて、
月の光に照らされて/ピエロ/ピエレット/踊りけり/歌いけり…
といった言葉が幾何学的文様のように、様々なリズムを与えられて自由に飛び交っている、
そんな感じの詩である。
タイトルのW唐草模様Wのイメージが初めよく掴めなかったのだが、
要するにこれはWアラベスクWこのとなのだと、改めて気付いた。
アラビアン模様の如く華麗に、そして自由に装飾された音楽のような…
ここにあるのは飄々とした、やや乾いた気分、それだけ。


清水脩が1949年に作曲した男声合唱組曲「月光とピエロ」、
7月1日(日)に演奏します。

東京農工大学グリークラブ
第32回演奏会
府中の森芸術劇場ウィーンホール
posted by 小澤和也 at 23:32| Comment(0) | 日記