2012年06月26日

古典について、個性について


先日亡くなった吉田秀和さんの著作、「主題と変奏」を改めて読む。
その第1章「ロベルト・シューマン」の中に、僕の心に深く響く言葉があった。
以下、自由に引用させていただく。


『よい音楽は、きき手のすききらいなどにびくともしない、たしかな美をもっている。』

『一流の古典家たちは、独創性というものを、近代人のように気にしていなかった。
…バッハはますますポリフォニーの世界に沈潜し、ベートーヴェンはソナタ形式を固執した。』

『自然のどこかに本当の創造の国へゆく道がかくされている。
そうして一流の古典にはその秘密がもっとも純粋にもっとも豊かに含まれている。
これを手本にその秘奥を追求しているうちに、いつかその仕事には追求する者の影が宿されてゆく。
個性とは元来そうしたものだ。』


古典とは、そして個性とは何か…
これらを考えるうえで重要なヒントを与えてくれる文章である。

僕も、日々音楽に向き合うひとりの人間として、これらの言葉をしっかりと胸に刻みつけたいと思う。

たしかな美、
本当の創造の国への道を求めて…
古典から学ぶのだ。
posted by 小澤和也 at 09:49| Comment(0) | 日記