2012年08月07日

「母乳のような音楽」


この前、子供の頃に読んだモーツァルトの伝記本のことについて少し書いた。
我が家の書棚にずらりと並んでいた「世界音楽全集」(河出書房刊)。
実は、その中で僕がいちばん好きだったのが
「ヨハン・シュトラウス」の巻である。

盟友ヨーゼフ・ランナーとともにウィンナ・ワルツ流行の礎を築いたヨハン(父)、そしてその息子ヨハンの栄光に満ちた生涯が綴られたこの伝記…
難しい言葉の意味はもちろん解らなかったが、幼い僕は夢中になって何度もこれを読んだものだった。

そんな僕の心に深く刻まれたフレーズがある。
「母乳のような音楽」。

あれこれ思い起こすうちに矢も盾もたまらなくなって、この本を再び入手して久しぶりに読んだ。
あった…

『〜彼ら[シュトラウス一家の人たち]の果たした役割は、大型天才たち[モーツァルトやベートーヴェンなど]をしのぐものがある。なぜかというと、世界のクラシック音楽愛好家たちの揺籃の時代は、ほとんどの場合、このシュトラウス一家の人たちの音楽のお世話になっているからである。だからわたしは、ときどき「シュトラウスの音楽は母乳のようなものだ」と言ったり書いたりしている。…』
(本文より引用。[ ]内は小澤記)

懐かしい…
当時の記憶が甦る。
家にあったボスコフスキ指揮のLPをよくかけてもらったこと。
そのレコードジャケットの鮮やかな青色。
ワルツ集のピアノ譜も買ってもらったっけ…
(ほとんど弾けなかったけれど)
シュトラウスの音楽は、まさに僕にとって「母乳のような音楽」だったのだ。
posted by 小澤和也 at 11:26| Comment(0) | 日記