2013年02月12日

伝記 ペーテル・ブノワ(2)

 
 
 
§第1章
 
[彼は民衆に「歌うこと」を教えた]
 
フランデレン地域、とりわけアントウェルペンの人々は、自国の偉大な芸術家の栄誉を壮大な国民的祝祭をもって称えている。
1912年には、国民的作家 H.コンシエンスの生誕100周年が熱狂的に祝われた。
人々は彼を《民衆に「読むこと」を教えた人物》と呼び習わしている。
 
彼はその著作を世に送ることにより、民衆に「読むこと」を教えた。
それらの作品の中では、フランデレンの英雄達や著名人の物語に出会う。
また別の本の中には、フランデレンの街や村でその土地の人々によって演じられた、民衆の興味を引くような伝説を見つけることができる。
これらの作品の数々をもって、コンシエンスは民衆に、固有の地域、民族、そして言語への尊敬と愛情の念をふたたび呼び起こし、育んだのだった。
 
さて、1934年は新たな記念の年、栄光に満ち熱狂をもって祝われる年となろう。
今年はもう一人の偉大な芸術家、作曲家ペーテル・ブノワの生誕100周年に当たる。
コンシエンスが《民衆に「読むこと」を教えた人物》と称されるように、ペーテル・ブノワは《民衆に「歌うこと」を教えた人物》と呼ばれる。
 
ブノワは、音楽がその力をフランデレンの伝統・伝承から引き出すことができる、ということを理解した最初のフランデレン人作曲家であった。
彼はその音楽をフランデレン語のテキストで書いている。
彼の歌曲、そして彼の作品の多くが、民衆の心へ向かう道を見出したのだ。
 
我々はペーテル・ブノワをこう呼んでもよいだろう…現代のフランデレン人にとっての音楽芸術における真の創始者である、と。
 
 
posted by 小澤和也 at 09:43| Comment(0) | 音楽雑記帳

伝記 ペーテル・ブノワ(1)

 
 
数年前に入手した、我がペーテル・ブノワの伝記本である。
今でこそ、彼に関する数冊の資料を持っているが、はじめてこれを手にした時の感動は忘れられない。
 
 
副題に
"Een levensbeeld voor de Vlaamsche Jeugd"
「フランデレンの青少年のための伝記」
とある通り、フラマン語(≒オランダ語)によって書かれた、教育的・啓蒙的な本であるようだ。
出版年は1934年、ブノワの生誕100周年に際して頒布されたものであろう。
 
まだ読み終えてはいないのだけれど、僕自身のためのアウトプットを兼ねて、訳出したものをこれから少しずつ書いてみたいと思う。
posted by 小澤和也 at 09:26| Comment(0) | 音楽雑記帳