東京オペラシティにて、「ヨハネ受難曲」を聴く。 ![]() 今日はキリスト教の暦における《聖金曜日》=復活祭前の金曜日。 それを意識していたわけでは全くなく、かねてより一度聴いてみたいと思っていたバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の演奏会があるということで、どちらかといえば軽い気持ちでチケットを求めたのであった。 ![]() 午前中は家で予習。 新宿で打ち合わせをひとつ済ませ、オペラシティへ。 演奏会というよりも何らかの儀式に臨むかのような、そんな場内の雰囲気。 ![]() 鈴木雅明さんの音楽創りは、速めのテンポの中ですべての音、すべてのフレーズに強い意味付けを施したものに感じられた。 レチタティーヴォはもちろん、コラールにさえ緊張感が漲っており、やや意外に思いつつも圧倒された。 BCJの独唱・合唱・オーケストラの技術は、おそらく現在考えうる最上のレベルのものではないだろうか。 個人的には、ソプラノソロと通奏低音に深く感銘を受けた。 (もちろんエヴァンゲリストも!) ただ一点、これはよく分からないのだけれど… 座席が3階正面だったため、声楽/器楽のバランスが常に理想的、とはなっていなかったようにも思えた。 もっと小さな空間で、ステージに近い位置であったら、より言葉を強く感じることができたかもしれない。 ともあれ、第二部、イエスが十字架に付けられる辺りからの音楽は凄まじかった。 その場にいてふと思ったのは、 「いま自分はここで…単に聴いているのではなくて、何かを "体験" しているのだな」ということ。 最後のコラールの音が消えてからも、しばらく放心状態であったと思われる。 (実はよく覚えてないのだ) 吉田秀和さんだったか、(これは「マタイ」についての言及だったと思うが)「こういった "大きな" 音楽は一生にそう何度も聴けるものではない…」といったようなことを氏の著書に遺しておられたと思う。 これを初めて読んだ時はあまりピンとこなかったのだけれど、今日はこのことがとてもよく解るような気がする。 貴重なバッハ体験であった。 |
2013年03月29日
聖金曜日のバッハ
posted by 小澤和也 at 23:08| Comment(2)
| 日記
2013年03月27日
ハイドンの挑戦
最近興味を持っているのが、ハイドンの交響曲。
それも晩年の「ザロモン交響曲集」ではなく、彼がエステルハージ家の楽長に就任した頃の作品、番号で言うと40〜50番前後のものである。
中では第45番の『告別』交響曲、ついで『哀悼』(第44番)が傑出して有名だが、それ以外にも美しい曲が少なくない。
例えば、交響曲第41番ハ長調(1769-70頃作曲)。
その調性が表すように祝祭的な性格を持ち、トランペット&ティンパニが活躍する。
第2楽章では一転して、オーボエやフルートの繊細な旋律が美しい。
そして終楽章は…
モーツァルトのK.338(交響曲第34番)の先取りのような快活なジーグ!
交響曲第42番ニ長調(1771年作曲)では構成感の巧みさが聴かれる。
「4楽章制交響曲の様式」をいち早く確立した、いわゆるマンハイム楽派のスタイルを鋭敏に感じ取ったような。
第2楽章アンダンティーノ・エ・カンタービレは、晩年の作品にまったく劣らない深みと高貴さを湛えている。
この楽章だけでも一聴の価値あり!
その他、第43、46番なども、知られないままでは本当にもったいない名曲だと再認識した。
しかも、似通ったような曲はまったく無いのである!
これらの作品に触れながら改めて思ったのは、ハイドンはこの交響曲たちを、ほとんどひとりの人(エステルハージ公爵)のために作曲したのだな、ということ。
(祝祭、あるいは何らかの行事のためという動機もあったとは思うが)
こういった(ある意味 "閉じた")環境の中で次々と、創意工夫に溢れた交響曲を書き続けたハイドンの意欲には真に驚くばかりだ。
そこにあったのは彼が生来持っていた勤勉さに加えて、音楽でもって我がお殿様を喜ばせようという「プロ意識」だったのだろう。
posted by 小澤和也 at 00:21| Comment(0)
| 日記
2013年03月23日
演奏会のごあんない
6月に「アイーダ」を指揮します。

§前橋・市民オペラ合唱団
§旗揚げ公演
ヴェルディ/「アイーダ」
(原語上演・字幕付)
2013年6月23日(日) 13時開演
前橋市民文化会館 小ホール
全席自由 4500円
主な出演…
アイーダ:日隈典子
ラダメス:山田精一
アムネリス:巖淵真理
アモナズロ:馬場眞二
ランフィス:照屋博史
エジプト王:中原和人
合唱:前橋・市民オペラ合唱団
ピアノ:豊田華子
演出:木澤譲
指揮:小澤和也
みなさま、
どうぞお運びくださいませ。

§前橋・市民オペラ合唱団
§旗揚げ公演
ヴェルディ/「アイーダ」
(原語上演・字幕付)
2013年6月23日(日) 13時開演
前橋市民文化会館 小ホール
全席自由 4500円
主な出演…
アイーダ:日隈典子
ラダメス:山田精一
アムネリス:巖淵真理
アモナズロ:馬場眞二
ランフィス:照屋博史
エジプト王:中原和人
合唱:前橋・市民オペラ合唱団
ピアノ:豊田華子
演出:木澤譲
指揮:小澤和也
みなさま、
どうぞお運びくださいませ。
posted by 小澤和也 at 23:43| Comment(0)
| 演奏会情報
2013年03月22日
幸多かれ…新たなる門出に
横浜国立大学の卒業式@横浜文化体育館 へ。 (もちろん「仕事」として) 管弦楽団の皆さんと式典演奏をご一緒した。 この佳き門出の日に、ほんのちょっぴりの色を添えるために… 10分ほど早く関内駅に着いたので、当初の予定通り、交差点の角のMOSでコーヒーをすする。 晴れ着に身を飾った女子学生が外を通り過ぎる。 店内にもその姿がちらほらと…いいものだ。 開式の1時間半前に会場に入り、さっそくリハーサル。 同じく歓迎演奏を行う吹奏楽団も一緒。 ![]() 管弦楽団の演目は例年と同じ。 歓迎演奏のエルガー "威風堂々"、 混声合唱団の伴奏で学生歌 "みはるかす"、 そして閉式後の "蛍の光" 奏楽。 オーケストラはつつがなく任務を全うした。 いい式だった。 学位記授与に続いての学長式辞、そして来賓(今回は神奈川県副知事!)挨拶の後、会場から自然発生的にあたたかな拍手が。 ここ10年近く毎年出ているけれど、拍手は滅多に起きなかったな… 卒業生代表の方の答辞もとても素敵だった。 今日この日、 社会に巣立つハレの若人達に幸多からんことを! |
posted by 小澤和也 at 23:16| Comment(0)
| 日記
2013年03月19日
美味しくいただきました
![]() De Koninck、 美味しくいただいた。 お店でよく飲むChimayやWestmalleほど強い癖もなく、スーッと飲める感じ。 むしろ…いくらでも飲めてしまって(あとが)大変かも。 日本でいうところの「某社スーパードライ」といったところかな。 |
posted by 小澤和也 at 23:56| Comment(0)
| 日記