2013年05月29日

「ハルサイ」としんちゃんの思い出


ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」。
今日(5/29)は初演からちょうど100周年とのこと。
いま、そのCDを聴きながら、ふと高校時代の親友、しんちゃんのことを思い出している。

ある日、しんちゃんが僕に話しかけてきた。
「オーケストラ曲を聴きたいんだけど…何でもいいからオススメを教えてくれないかな?」
何でもいい、って…困ったな…
聞くと、これまでクラシックにはまったく馴染みがなかったらしい。
少し考えて、ドヴォルジャークの「新世界」交響曲のレコードを貸した。

翌日。
「オザワクン、新世界、すごくいい曲ですね!」
よかった、気に入ってくれて…
また何か教えて欲しいとのことだったので、冗談半分で、
「こんな曲もあるよ!激しくて、前衛的で、全然きれいじゃないんだ…まあ試しに聴いてみて」
と、彼に渡したのが『春の祭典』。

また翌日。
興奮の面持ちでやってきたしんちゃん。
「こ、これはすごい曲だ!なんて素晴らしいんだ!」
まったくの予想外の反応にビックリ。
どこで手に入れたのか、スコアのコピーを繰りながら一心不乱に耳を傾けている。

どちらかといえば古典派〜ブラームス、ブルックナーあたりが好きだった僕は、一抹の不安を感じつつ、次にベートーヴェンのレコードを彼に貸した。
ところが、返ってきた答えは
「これは僕にはつまらなかったです」
そしてしんちゃんは、ショスタコーヴィチ、ヒンデミット、ヴェーベルンetc.の方へと(ある意味真っ直ぐに)歩いていった。

その後しんちゃんとはクラスが別々となり、さらに高校卒業と同時にすっかり疎遠になってしまった。
お元気だろうか。

(今もベートーヴェンは嫌いかしら?)









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2013年05月26日

あしべの歌声@地域まつり


ああ、晴れてよかった…

青い空のもと、江戸川区の中央地域まつりが開催された。
合唱団あしべにとっても楽しみな、そして貴重な発表の場である。

朝10時、鼓笛隊のパレードが次々とメイン会場へ到着。
(舞台脇より撮影)

全員が揃ったところで、開会セレモニー。
あしべは今年も、ステージで江戸川区歌を斉唱する役目を仰せつかった。
セレモニーに続いて各種アトラクションの時間…一番バッターはもちろんあしべである。

歌ったのは
「ゴンドラの唄」「峠の我が家」、そして「花は咲く」の3曲。
今年は、びっくりするほど大勢の方々があしべの歌を聴きにお集まりくださった。
これに触発されたか、メンバーの歌声にも一段と気合が入る。
一昨日録音したばかりのピアノ伴奏(藤城敬子先生)に合わせ、心を込めて歌いぬく。
ホールでの演奏とは一味違う、開放感と(よい意味での)ザワザワとした賑やかさ、そして頬に触れる風を感じながらの、楽しい本番であった。

皆さんお疲れさまでした。
次は秋の合唱祭に向けてがんばろう!







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2013年05月22日

演奏会のごあんない

これから出演するコンサートの情報です。


§ 前橋・市民オペラ合唱団 旗揚げ公演「アイーダ」

日時…2013年6月23日(日) 13時開演
会場…前橋市民文化会館小ホール、全席自由 4500円
曲目…ヴェルディ/アイーダ 全4幕
出演…日隈典子(アイーダ)、山田精一(ラダメス)、巖淵真理(アムネリス)、小澤和也(指揮)他


§東京農工大学グリークラブ 第33回演奏会
日時…2013年8月8日(木) 19時開演(全席自由、入場無料)
会場…成城ホール(全席自由、入場無料)
曲目…木下牧子/男声合唱組曲「光る刻」、清水脩/同「アイヌのウポポ」他
出演…小澤和也(指揮)、宮代佐和子(ピアノ)他


§港北区民交響楽団 第14回夏休み親子コンサート
日時…2013年8月18日(日)午後開演(二回公演)
会場…港北公会堂(入場無料、要入場整理券)
曲目…エルガー/威風堂々第1番、芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽 他
出演…小澤和也(指揮)、秋山雅子(司会)


皆さま、どうぞお運びください。

posted by 小澤和也 at 20:42| Comment(0) | 演奏会情報

2013年05月19日

前橋アイーダ・稽古風景


18日の合唱立ち稽古より。

第2幕第2場、凱旋のシーン。

槍は団員さんの手作り。

第3幕幕切れ、緊張の場面。

これも団員さん作。


公演は6月23日(日) 13時〜
@前橋市民文化会館小ホール です。
みなさま、どうぞお運びください。


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2013年05月17日

ラファエロ・サンツィオの描いた美


ラファエロ展を観る。
(16日、@上野・国立西洋美術館)

11歳頃より工房に入り、17歳で "親方" となった早熟の天才。
その筆致に、モーツァルトの音楽にも似た空気を感じた。

(良い意味で)隙のまったくない、完全体としての造形の美しさ。
また作品に、苦労の跡のようなものが(少なくとも表面的には)ほとんど見られないところも…

心に残った作品をいくつか。

『自画像』

『聖家族と仔羊』

『大公の聖母』
やはり、これがもっとも素晴らしかったな。
いつまでもずっと見ていたいと思った。

佳い時間であった。


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2013年05月15日

農工グリー始動


今年も始まった。
農工グリーとの濃密な時間…
8月の演奏会に向けての初回練習へ。
昨日は「童謡つづれおり」(女声)と「アイヌのウポポ」(男声)を聴く。
メンバーは皆、よい準備をしてくれていて、ひとまず順調なスタート。

いわゆる「おとなの合唱団」とはちょっぴり違う、あらゆる意味で「若さという名のちから」が発揮されるこの団の歌声。
今年はどのように磨かれてゆくか、とっても楽しみである。


§東京農工大学グリークラブ
§第33回演奏会

2013年8月8日(木) 19時開演予定
@成城ホール(小田急線成城学園前駅下車)
全席自由・入場無料

『光る刻』(木下牧子)
『アイヌのウポポ』(清水脩)
『中山晋平 童謡つづれおり』より(江口泰央編)
『いつからか野に立って』(木下牧子)

小澤和也(指揮)、小関歩(学生指揮)、宮代佐和子(pf)

みなさまどうぞお運びください。



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2013年05月13日

差し入れ


先週も前橋にてオペラ合唱稽古。
団員さんに差し入れをいただいた。
大和屋さんの木炭焙煎珈琲。


さっそく「特上ぶれんど」からいただく。
豆(粉)はかなり濃い茶色。
いつも通り、少し濃いめに淹れてみた。
深い苦味、あとから仄かに酸味。 
普段飲んでいるマンデリンとはかなり異なるテイストだが、これはこれで僕の好みだ。

あともう一種類、「石蔵熟成珈琲」というのもいただいている。
こちらも楽しみ。
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0) | 日記

2013年05月10日

黄金の時間







(続き)
最近、心に残った詩。
もう一つはこれ。


鹿                    村野四郎

鹿は  森のはずれの
夕日の中に  じっと立っていた
彼は知っていた
小さい額が狙われているのを
けれども  彼に
どうすることが出来ただろう
彼は  すんなり立って
村の方を見ていた
生きる時間が黄金のように光る
彼の棲家である
大きい森の夜を背景にして


描かれているのは一頭の鹿。
しかもそれは、今まさに生と死の境に立っていることが見て取れる。
その壮絶な状況下で、すんなりと立つ鹿。
ここでも作者はおそらく、自身のプリンシプルをこの生き物の姿に託して呈示したかったのではないだろうか。
それは…毅然とした潔さ、いついかなる時にも損なわれない気品、至高の美意識、etc.

この詩においても「静けさ」が全体を支配しているように思われる。
鹿の泰然とした佇まい、微かな物音などその中に吸い込まれ溶け去ってしまいそうな、暗く深い森の存在。
このうえなく優美な「静寂」の描写。

そして、
『生きる時間が黄金のように過ぎる』…
なんと清澄で、かつ高い志をもった言葉であろう!
いささか大袈裟かもしれないが、生きるうえでの究極的指標を僕らに与えてくれているような、そんな気がする。





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2013年05月08日

美しい詩とのであい











この数日で立て続けに二編、
心から「いいな」と思える詩に出会った。
いずれもおそらくは有名なもので、単に僕がそれらを知らなかっただけなのだ、とは思うけれど。


老いたきつね        蔵原伸二郎

冬日がてっている
いちめん
すすきの枯野に冬日がてっている
四五日前から
一匹の狐がそこにきてねむっている
狐は枯れすすきと光と風が
自分の存在をかくしてくれるのを知っている
狐は光になる  影になる  そして
何万年も前からそこに在ったような
一つの石になるつもりなのだ
おしよせる潮騒のような野分の中で
きつねは  ねむる
きつねは  ねむりながら
光になり、影になり、石になり雲になる夢をみている
狐はもう食欲がないので
今ではこの夢ばかりみているのだ
夢はしだいにふくらんでしまって
無限大にひろがってしまって
宇宙そのものになった
すなわち
狐はもうどこにも存在しないのだ


死期を悟っているのか、枯野に眠り続ける一匹の狐。
それは、清貧の中に一生を終えつつあった作者の姿だろうか。
「おしよせる潮騒のような野分の中」にあって、詩全体を包むこの静けさは何だろう…
深く深く、読む者の胸に沁みてゆく美しい詩だ。

もう一編については、改めて。












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2013年05月06日

大神社展へ



「国宝・大神社展」を観る。
(5日@上野・東京国立博物館 平成館)

入口の大看板。
(画像では見えないが)「神社パワー全開!」の文字が妙に目を引く。


展示は国宝、重要文化財を中心に数百点。
装束や装飾品、刀剣類にはじまり、巻文、曼荼羅、屏風絵、そして男神・女神の坐像など、実に多彩。
いずれも、永い日本の歴史の重みをじわりと感じさせるものであった。

特に感動したのが、金銅の細密な細工、そして蒔絵手箱などに施された美しい螺鈿(らでん)の装飾である。
(撮影できなかったのがほんとうに残念!)
神社へ奉納される=神へのささげものとして、途方もない時間と労力をかけて作られたであろうこれらの宝物を眺めながら、往時に思いを馳せる。
また、平家納経(平清盛の自筆とのこと)も、その筆致の静かな力強さに身震いを覚えた。

展示を観終えるとそこはおみやげコーナー。
絵葉書やクリアファイルなどの定番グッズに混じって…


「ジンジャークッキー」「神社エール」…
展覧会の持つイメージをある意味裏切るような、何かが吹っ切れたようなユニークな商品が。
「神社パワー全開!」のキャッチコピーを再び思い出した。

よい展覧会だった。
地味だけれども、オススメである。
(6月2日まで)


posted by 小澤和也 at 19:06| Comment(0) | 日記

2013年05月02日

専フィル春合宿 in 御宿


専修大学フィルの合宿へ。
(1〜2日@御宿・いしい荘)


居室はオーシャンビュー。
静かな波の音が心地よい。

到着してすぐ、グリエールの合奏を3時間半みっちりと。
このぐらい時間があると、細かい所までレッスンできる。
(それでも最後は駆け足になってしまうのだけれど…)

夕食後の合奏は、イーゴリ公序曲&くるみ割り人形組曲。
イーゴリ公にかなり時間をかけた。
この作品、ボロディン作曲とされているが、序曲に関しては実質「ボロディンによる構想に基づいてグラズノフが作曲」したものらしい。
「くるみ割り」、今回はさらっと。

夜の合奏終了後、恒例のアンサンブル大会を聴く。
今晩は3団体。
ダンツィ/木管五重奏曲、ドヴォルジャーク/弦楽四重奏曲「アメリカ」、そしてチャイコフスキー/アンダンテ・カンタービレと名曲揃いだ。
完成度はそれぞれの現状ベストだと思うが、本気の名曲を本気で取り上げた意気込みに拍手を送りたい。



こうして音楽に打ち込む若者たちの姿、ほんとうに素敵で、ちょっぴり羨ましくもある。
専フィルの皆さん、お疲れさまでした。
キャンパスでの合奏でまた会おう!

海女さんの像@御宿駅。


posted by 小澤和也 at 23:23| Comment(0) | 日記

2013年05月01日

ごんた坂

 
 
出身高校の同窓会会報が届いた。
その名も「ごんた坂」…
なんとも泥臭いネーミングだが、所在地の地名そのものだから仕方がない。
 
僕にとって、未だに愛着の強い我が母校。
卒業後も長い間、部活の指導に足繁く通ったものだ。
 
思えば2年前、震災の影響で気分が滅入っていた(仕事も激減していたっけ)僕を助けてくれたのがこの会報だった。
「光陵会総会のご案内」という記事が目に止まり…
何かにすがるような思いで、気付けば事務局宛てに参加のメールを送っていた。
そして当日。
同窓の諸先輩方と出会い(ほとんど初対面でありながら全く違和感無し)、その流れで「青春かながわ校歌祭」にも参加するように。
人と人との繋がりがこれほどに有難いものだとは!
 
仕事の都合で、今年の総会には出席できそうにない…うーん、残念。
今年の特別講演ゲストはイラストレーターの上大岡トメさんとのこと。
一期上の部活の先輩(オーボエ担当)だ。
お会いしたかったな。
posted by 小澤和也 at 00:38| Comment(0) | 日記