ストラヴィンスキー/バレエ音楽「春の祭典」。
今日(5/29)は初演からちょうど100周年とのこと。
いま、そのCDを聴きながら、ふと高校時代の親友、しんちゃんのことを思い出している。
ある日、しんちゃんが僕に話しかけてきた。
「オーケストラ曲を聴きたいんだけど…何でもいいからオススメを教えてくれないかな?」
何でもいい、って…困ったな…
聞くと、これまでクラシックにはまったく馴染みがなかったらしい。
少し考えて、ドヴォルジャークの「新世界」交響曲のレコードを貸した。
翌日。
「オザワクン、新世界、すごくいい曲ですね!」
よかった、気に入ってくれて…
また何か教えて欲しいとのことだったので、冗談半分で、
「こんな曲もあるよ!激しくて、前衛的で、全然きれいじゃないんだ…まあ試しに聴いてみて」
と、彼に渡したのが『春の祭典』。
また翌日。
興奮の面持ちでやってきたしんちゃん。
「こ、これはすごい曲だ!なんて素晴らしいんだ!」
まったくの予想外の反応にビックリ。
どこで手に入れたのか、スコアのコピーを繰りながら一心不乱に耳を傾けている。
どちらかといえば古典派〜ブラームス、ブルックナーあたりが好きだった僕は、一抹の不安を感じつつ、次にベートーヴェンのレコードを彼に貸した。
ところが、返ってきた答えは
「これは僕にはつまらなかったです」
そしてしんちゃんは、ショスタコーヴィチ、ヒンデミット、ヴェーベルンetc.の方へと(ある意味真っ直ぐに)歩いていった。
その後しんちゃんとはクラスが別々となり、さらに高校卒業と同時にすっかり疎遠になってしまった。
お元気だろうか。
(今もベートーヴェンは嫌いかしら?)