2013年09月16日

ルネサンス・ポリフォニー体験

 
ヴォーカル・アンサンブル・アラミレ
の演奏会へ。
(@淀橋教会エクレシアホール)
 
 
ルネサンス期のミサ曲とグレゴリオ聖歌、さらにそこへ使徒書朗読や福音書朗読などを織り込んだ、実際のミサの形式によるコンサート。
 
 
会場の様子。
舞台スペース中央に大きな譜面台が。
 
この日まず演奏されたのは、
ヨハンネス・レジス(1425頃〜96頃)のミサ《ロム・アルメ》。
レジス…初めて聞く名前だ。
有名なギヨーム・デュファイの次の世代、彼と同じくブルゴーニュ地方で活躍した作曲家らしい。
楽曲のスタイルはもちろんルネサンス・ポリフォニーであるが、想像していたよりもテクスチュアが明快で聴きやすかった。
 
 
譜面台に置かれた大きな楽譜、クワイヤブック。
一枚に各パートがひとかたまりに(総譜のかたちでなく)書かれているのが特徴。
これをメンバーが、肩寄せ合って見ながら歌うのだ。
 
 
よくコントロールされた柔らかい発声と、ホールの適度な残響が相まって、総勢12名という少人数でありながら実に豊かなサウンドを醸し出していた。
朗読あるいはグレゴリオ聖歌の素朴な美しさもよかったが、やはりミサ曲本体の壮麗な輝きが印象的であった。
 
典礼の最後、
Ite missa est.(行け、ミサ終わりぬ)
と歌われたのち、
ヨハンネス・オケゲム(1410頃〜97)
のモテット《サルヴェ・レジーナ》が演奏される。
これまた密度の濃い作品、そして歌唱。
レジスよりも技巧的、そして劇的な音楽であるように感じた。
 
この時代(15世紀〜大バッハ以前)の宗教声楽曲、わりと好きで時々聴くのだけれど、自ら演奏に携わる機会はめったにない。
その意味で、今日のコンサートは貴重な聴体験であった。
 
 
お誘いくださった I さん(高校の先輩、右から4人め)、ありがとうございました。
posted by 小澤和也 at 23:27| Comment(2) | 日記