2013年11月29日

井戸の茶碗

 
根津美術館へ。
特別展「井戸茶碗〜戦国武将が憧れたうつわ」を観る。
 
 
解説によれば…
井戸茶碗とは16世紀頃に朝鮮半島から渡来した高麗茶碗と呼ばれる茶碗の一種。
桃山時代以来、侘び茶の道具として武将や茶人達の心を引きつけてきたものだそうだ。
 
一つひとつの茶碗をじっくりと眺める。
造型や釉薬の色彩のみならず、轆轤(ろくろ)目の粗さや繕いの跡までもを愛でる「侘び寂び」の精神。
日本人独特の感性ではないだろうか。
 
地下一階の講堂へ移動する。
今日の来館のほんとうの目的は…
実はこれ。
 
 
『井戸の茶碗』を聴く会。
立川談慶さんの豪快で気風のいい語り口で、「真田小僧」そして「井戸の茶碗」を堪能する
美術館と落語の組み合わせ…
これが意外とマッチするものだと感じた。
(談慶さんご自身もTwitter上でそうおっしゃっている)
 
ゆったりと、佳い時間であった。
 
 
posted by 小澤和也 at 23:21| Comment(0) | 日記

2013年11月26日

宮城への旅(2)

 
24日、旅の第二日目は
宿の美味しい朝食からスタート。
 
9:00am、チェックアウト。
まず向かったのが
北上川沿いにある石巻市立大川小学校。
津波によって多くの犠牲者が出てしまった場所である。
 
 
献花。
 
根元から折れ曲がった柱。
 
校庭の端にあった建造物。
壁面に「卒業制作」と記された大きな絵が描かれていた。
 
『世界が全体に幸福にならない
うちは、個人の幸福は
ありえない…  宮沢賢治』
 
 
Sさんの車で太平洋岸を南下。
女川町、海沿いの道から見下ろす風景。
 
石巻港からフェリーで
田代島を目指す。
 
「津波到達高」の表示。
 
 
仁斗田港に着く。
ここから徒歩でぐるりと島巡り。
 
猫好きのSさんはしっかりとニボシを持参。
そう…田代島は『猫の島』なのだ。
 
 
何事もなかったかの如く
穏やかな海。
 
 
しかし、この島にも
津波は襲いかかったのだった。
 
高台へと登ってゆくと、
現れたのは「猫ロッヂ」の数々。
 
 
 
 
再び猫たちに遭遇。
 
 
猫神社にお参り。
 
およそ90分のウォーキング。
帰りは大泊港から乗船、
石巻を目指す。
 
 
仙台へ到着した頃にはすっかり日の暮れ。
夕食は待望(?)の牛タン定食。
 
そして…
旅の締めくくりは、仙台城址。
夜景を眺め、伊達政宗公に謁見。
 
再び市街へと戻り、解散。
深夜の高速バスにて帰京の途へ。
 
この2年8ヶ月、ずっと行きたい、否、行かねばと思っていた東東北。
美しい自然、そしてあの日の記憶。
今回、Sさんの計らいにより貴重な体験をさせていただいた…ご尽力に感謝。
 
この心で感じたもの、この目で見たものをしっかりと刻みつけておきたい。
(完)
 
posted by 小澤和也 at 00:13| Comment(0) | 日記

2013年11月25日

宮城への旅(1)

22日夜、
高速バスにて東京・八重洲口発。
 
4列シートはちょっぴりキツかった。
 
23日 5:00am、仙台到着。
 
街はまだ眠っている。
 
やがて朝の予感。
 
ここからは高校の後輩、宮城県職員のSさんに車でご案内いただく。
目指すは南三陸町…快晴。
 
この日はまず、
NPO法人田んぼ さんが手掛けられている「ふゆみずたんぼ農法」のボランティア活動に参加。
 
 
参加者全員で「ひころの里」にて昼食。
 
 
 
今秋にこの田んぼで収穫されたササニシキをいただく。
 
久々の肉体労働…心地よい疲れ。
 
作業終了後、再びSさんとともに南三陸町庁舎跡へ。
 
献花。そして祈り。
 
言葉が出ない。
 
気を取り直し高台へ移動。
新しくできた仮庁舎や診療所、スポーツ&文化施設などを見学。
 
この日の宿は「追分温泉」。
味のある、のんびりした雰囲気の旅館だった。
お湯も最高!
(ただしこの日は大混雑)
 
 
 
美味しい夕食をいただきながらビール。
すると…
あっという間に睡魔が到来、9:00pm過ぎにあえなくダウン。
 
〜第一日目、終了〜
 
posted by 小澤和也 at 15:51| Comment(0) | 日記

2013年11月22日

2014・立川『アイーダ』公演のごあんない

 
今月15日、
チケット発売開始しました。
特に二日目(日曜日)のチケットは早々によく出ているとのことです。
みなさま、ぜひお運びくださいませ。
 
 
§立川市民オペラ公演2014
ヴェルディ『アイーダ』
(全4幕/原語上演・字幕付き)
 
2014年3月15日(土)17時開演
2014年3月16日(日)14時開演
たましんRISURUホール(立川市市民会館)大ホール
 
§主な出演(15日/16日)
アイーダ:庄智子/日隈典子
ラダメス:上本訓久/山田精一
アムネリス:諸田広美/森山京子
アモナズロ:牧野正人/青山貴
 
演出:直井研二、指揮:古谷誠一
立川管弦楽団、立川市民オペラ合唱団
合唱指揮:小澤和也  他
 
posted by 小澤和也 at 22:10| Comment(0) | 演奏会情報

2013年11月21日

昼蕎麦

 
自宅からすぐのところに最近オープンした手打ち蕎麦屋へ。
 
こぢんまりと落ち着いた構え。
雰囲気のある店内。
蕎麦茶と一緒に出てきた揚げ蕎麦が香ばしい。
期待に胸が膨らむ。
 
田舎そば(大盛り)とかき揚げをオーダー。
かき揚げが巨大!
 
蕎麦の歯ごたえとほのかな香りをゆっくりと楽しむ。
さすが手打ち…
美味しくいただいた。
 
昼間からちょっぴりゴージャスな気分。
たまにはいいかな。
午後からの勉強も大いに捗ったことだしね…
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 00:54| Comment(0) | 日記

2013年11月18日

ヘ長調の青空

昨日(17日)は本当によいお天気だった。
すっと抜けるような青空…
ちょっと明るめのF-dur(ヘ長調)の響きの如き、爽やかな小春日和。
 
午後から湘南アマデウス合奏団との弦分奏へ。
この日練習したKV413のpf協奏曲があまりに美しい。
快活な第1楽章(モーツァルトの得意顔が目に浮かぶよう!)はもちろんのこと、しっとりと歌われるLarghettoの第2楽章、そして気高さをいっぱいに湛えたメヌエット風のフィナーレがそれにも増して素晴らしい。
(そして…この作品がF-durなのは何とも嬉しい偶然だ!)
 
合奏団の響きを聴き進めつつ、より相応しい歌い方へと導いてゆく。
すると即座に、かつ柔軟に弓付けを対応してくださるコンミスYさん。
まだ読譜の段階ではあるが、これによって細部のニュアンスがどんどん磨かれてゆく。
実に楽しい作業であった。
 
終楽章のラスト1フレーズを弾き終える。
と同時に、メンバーのお一人から「なんて綺麗な曲…」と言葉が漏れる。
他の皆さんもきっと、同じように思っていたに違いない。
 
このうえなく幸福な時間。
posted by 小澤和也 at 23:49| Comment(0) | 日記

2013年11月14日

Aida 立ち稽古スタート

立川市民オペラ合唱団とのプローべへ。
合唱祭、そして長野楽旅と一連の行事を終え、今週からいよいよ立ち稽古だ。
 
演出の直井研二先生をお迎えする前の30分強、音楽の最終確認を行う。
そこでメンバーに求めたのが
『個々の積極性のオーラを、歌のみならず眼光から、そして立ち姿からも出していこう!』
ということ。
音符と歌詞を必死に思い出すだけの歌でなく、
また自分が歌わない場面で "素" に戻ってしまうのでもなく。
 
(稽古場風景)
 
そして直井先生登場。
先生は合唱団の声、メンバー一人ひとりのキャラクターを確かめながら、大づかみに形を創っていこうとされているようであった。
合唱団も、現段階における精一杯の歌でそれに応える。
なかなか佳い声であったのではないだろうか。
 
初日の90分はあっという間に過ぎた。
次回以降がとても楽しみ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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2013年11月11日

大町市民芸術祭へ

 
立川市と姉妹都市として交流を持つ長野県大町市の市民コンサートに参加した。
 
市民オペラ合唱団、ピアニスト、スタッフ他総勢50余名の弾丸バスツアー。
 
会場の大町市文化会館。
すっきり広々とした綺麗なホールだった。
 
開場直前、30分間のリハーサル。
よい響きを求めて、セッティングを試行錯誤する。
 
「ナブッコ」「イル・トロヴァトーレ」「アイーダ」からの名場面を披露。
 
この音楽会のために練習を続けた『行け、思いよ、黄金の翼にのって』…
普段、声を張り上げて歌うことの多い我々にとっては有効なトレーニングになったのではないかな。
 
名残を惜しむ間もなく、帰路へ。
その前に…市内の物産館でお買い物。
こぢんまりとした店内、団員さんでいっぱいに。
 
 
車窓から見た信濃大町駅。
今度はゆっくりと見て回りたいな。
お蕎麦も食べたかったし…
 
合唱団のみなさん、お疲れさまでした。
来週からの立ち稽古も張り切って行きましょう!
 
 
posted by 小澤和也 at 00:18| Comment(0) | 日記

2013年11月09日

農工祭

府中の農学部キャンパスへ。
農工祭を見るのは実に久しぶりだ。
 
野菜販売。
昔も今も変わらず大人気。
 
さっそく、お目当ての
グリークラブ・ミニコンサート会場へ向かう。
教室はすでに満員、
立ち見も出るほどの盛況ぶり。
 
オープニングの学歌に続き、
まずは男声合唱から。
(八木節、よかった!)
 
第2ステージは女声。
女子美音楽部の有志が助っ人参加。
(ありがとう!)
 
続いて曲ごとに編成、指揮者が替わり、アラカルト的に数曲を披露。
ちょっと面白かったのが「CMのお時間です」。
〜さてこれは何の歌を歌っているところでしょう?
(答:行こうみんなで「ワー○マン」!)
 
そして最終ステージは混声合唱。
(選曲、よかったね)
 
なかなかよいコンサートだった。
歌の基本がしっかりしているからこそ、ユーモアもウケ狙いも聴く側にきちんと受け止めてもらえるのだと思う。
 
明日もがんばって!
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 22:23| Comment(0) | 日記

2013年11月05日

エリヤ、そしてファンデルステーネさん

 
ムジカ・ポエティカ2013
メンデルスゾーン『エリヤ』公演へ。
(4日、所沢市民文化センターミューズ)
 
淡野弓子さん主宰のハインリヒ・シュッツ合唱団・東京を中心とした声楽&器楽アンサンブル。
この団体の演奏を拝聴するのはリスト『キリスト』についで二度目。
今回も、フルーティストの岩下智子さんにご案内いただいた。
また、テノール独唱にヘント出身の Zeger Vandersteeneさんが出演されるということで、個人的には二重の楽しみということに。
 
メンデルスゾーン晩年(それはあまりに早過ぎるものであったが)のこの傑作、じっくりと堪能した。
ファンデルステーネさん、想像通りの美しい声!
標題役、バリトンの浦野智行さんの堂々たる歌唱にも惹かれる。
さらに、ピリオド金管楽器&ティンパニの新鮮な響きも実に魅力的。
そして合唱も素晴らしくトレーニングされている…
はずなのだが、Tuttiで器楽(殊にオルガン)にことごとくマスクされてしまったのが惜しかった。
(サウンドチェック時はどうだったのだろう?)
木管楽器のソロはいずれも高いクオリティ。
ことに第31曲、アルトのアリアにおいて独唱に寄り添うフルートのオブリガードは真に美しかった。
 
全42曲(厳密にはプラス導入部&序曲)、2時間半あまりを客席で体験し改めて思った。
本作のような物語性の強いオラトリオでは、指揮者の担う責任がいかに大きいか、ということ。
各曲のテンポ設定は言うまでもなく、曲間のいわゆる "間" の扱いをどうイメージし、構築すべきか。
 
(カーテンコール。一枚だけ撮らせていただいた)
 
終演後…思わぬ幸運が。
岩下さんの計らいで、ファンデルステーネさんとお話しすることができたのだ。
氏は母国ベルギー国内でペーテル・ブノワ作品を多く手掛けられており、その幾つかを僕は映像で拝見しているのだ。
 
挨拶もそこそこに、僕がペーテル・ブノワを研究していることを伝えるとファンデルステーネさんは途端に相好を崩され、フランデレンとその音楽について大いに盛り上がることに。
別れ際には氏のオペラアリア集CD(私家版のようだ)を頂戴した。
…やっぱりフランデレン人はイイ方ばかりだ!
 
 
幸福と幸運に恵まれた一日に感謝。
そして岩下さん、どうもありがとうございます。
 
 
 
posted by 小澤和也 at 12:43| Comment(0) | 日記

2013年11月03日

はちみつキャンディ

 
先日いただいた
「伊香保グリーン牧場」のはちみつキャンディ。
 
まろやかでやわらかい味。
ここのところ少し荒れ気味な喉にも
とっても優しい。
 
うむ、これは助かるなあ…
お気に入りになりそう。
posted by 小澤和也 at 23:57| Comment(0) | 日記

2013年11月02日

「変ロ長調な気分」のモーツァルト

ここのところ、仕事の合間にモーツァルトを聴くことがまた多くなってきた。
 
最近無性に惹かれるのが、1776〜79年頃、いわゆる「ザルツブルクでの鬱屈期」の作品たちだ。
(77〜78年のパリ楽旅期はひとまず措くとしよう)
 
それらはあたかも、彼の音楽に理解を持たないこの街に嫌気を覚えつつも、大きく翅を広げようとする直前の "さなぎ" のような。
 
例を挙げれば、
・ハフナーセレナード
・ピアノ協奏曲「ジュノーム」
・戴冠式ミサ曲
・交響曲第33番変ロ長調
・ディヴェルティメントニ長調KV334
・協奏交響曲KV364
…etc.
 
我々はウィーンでのモーツァルトの八面六臂の活躍を、そしてかの地でのさらなる円熟を知っている。
 
でも実際にはこの「鬱屈期」において、既にモーツァルトの音楽は充実し切っていたのだと思う…『若さの完成形』とでも言おうか。
 
このあたりまで書いて、ふと気付いた。
この時期には「変ロ長調」の傑作が多いのではないかしら?と。
 
上に挙げた交響曲の他にも
・ディヴェルティメントKV287
・ピアノソナタKV333
・ヴァイオリンソナタKV378
やや後年になるが
・グランパルティータ(13管楽器のセレナード)KV361
など。
 
この「清澄でありながらかすかに仄暗い」変ロ長調が、この時期のモーツァルトの心情を表しているのかもしれない…
そんなことを考えてみた。
 
単なる偶然かもしれないけれど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 00:55| Comment(0) | 日記