2013年11月05日

エリヤ、そしてファンデルステーネさん

 
ムジカ・ポエティカ2013
メンデルスゾーン『エリヤ』公演へ。
(4日、所沢市民文化センターミューズ)
 
淡野弓子さん主宰のハインリヒ・シュッツ合唱団・東京を中心とした声楽&器楽アンサンブル。
この団体の演奏を拝聴するのはリスト『キリスト』についで二度目。
今回も、フルーティストの岩下智子さんにご案内いただいた。
また、テノール独唱にヘント出身の Zeger Vandersteeneさんが出演されるということで、個人的には二重の楽しみということに。
 
メンデルスゾーン晩年(それはあまりに早過ぎるものであったが)のこの傑作、じっくりと堪能した。
ファンデルステーネさん、想像通りの美しい声!
標題役、バリトンの浦野智行さんの堂々たる歌唱にも惹かれる。
さらに、ピリオド金管楽器&ティンパニの新鮮な響きも実に魅力的。
そして合唱も素晴らしくトレーニングされている…
はずなのだが、Tuttiで器楽(殊にオルガン)にことごとくマスクされてしまったのが惜しかった。
(サウンドチェック時はどうだったのだろう?)
木管楽器のソロはいずれも高いクオリティ。
ことに第31曲、アルトのアリアにおいて独唱に寄り添うフルートのオブリガードは真に美しかった。
 
全42曲(厳密にはプラス導入部&序曲)、2時間半あまりを客席で体験し改めて思った。
本作のような物語性の強いオラトリオでは、指揮者の担う責任がいかに大きいか、ということ。
各曲のテンポ設定は言うまでもなく、曲間のいわゆる "間" の扱いをどうイメージし、構築すべきか。
 
(カーテンコール。一枚だけ撮らせていただいた)
 
終演後…思わぬ幸運が。
岩下さんの計らいで、ファンデルステーネさんとお話しすることができたのだ。
氏は母国ベルギー国内でペーテル・ブノワ作品を多く手掛けられており、その幾つかを僕は映像で拝見しているのだ。
 
挨拶もそこそこに、僕がペーテル・ブノワを研究していることを伝えるとファンデルステーネさんは途端に相好を崩され、フランデレンとその音楽について大いに盛り上がることに。
別れ際には氏のオペラアリア集CD(私家版のようだ)を頂戴した。
…やっぱりフランデレン人はイイ方ばかりだ!
 
 
幸福と幸運に恵まれた一日に感謝。
そして岩下さん、どうもありがとうございます。
 
 
 
posted by 小澤和也 at 12:43| Comment(0) | 日記