立川市民オペラ公演 「アイーダ」合唱立ち稽古、 今日は大ホールのステージにて。 今回のリニューアルで、主に客席スペースが綺麗に! 第1幕、傷ついた使者の登場。 ラダメスに軍旗を託すアムネリス。 休憩時間。 ちょうど見学にみえていたオーケストラのハープ奏者さんに、美しい竪琴の構え方を教わるアムネリスの侍女たち。 第2幕、凱旋の場面…王の入場。 実際のステージで、本番で用いる小道具類を携えての練習。 自ずと熱気を帯びてくる。 本番まであと半月! |
2014年02月27日
今日は大ホールで
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2014年02月23日
プロポーションのビゼー、サウンドのシューマン
港北区民交響楽団とのプローべへ。 (22日、港北公会堂) まずはビゼー/交響曲から。 「各々の音の形をモーツァルトやハイドンを奏でるときのようにイメージして」と伝えたら、スケルツォと終楽章のプロポーションが格段に良くなった。 1855年、17歳のビゼーが書いたこの作品、色彩の豊かさやカンタービレの点ではもちろんロマン派的であるが、全体の構図は古典派音楽に近い気がする。 後半はシューマン/第2交響曲。 久しぶりにフィナーレ&第3楽章を聴く。 バート練習や分奏の効果だろうか、作品に対する苦手意識(あるいは食わず嫌い的よそよそしさとでも言おうか)がかなり改善された様子。 余裕のある楽段ではしっかりとシューマンの響きがした。 これは直感だけれど… シューマンの交響曲、サウンド的にはこのオーケストラに合っていると思うな。 もっとも、創りあげていくうえでの手間と根気は必要だが。 本番は5月、ここからが楽しみだ。 |
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2014年02月19日
バンダの楽譜
来月の「アイーダ」で用いるバンダの楽譜(パート譜)をこしらえた。 今回の編成はオリジナルより小さいため、足りない音をあれこれやり繰りして再構成。 ついでにミスプリを直したり練習記号(A, B, C...)を書き加える。 バンダ【banda 伊】は直訳すれば楽団、バンドということだが、オペラにおいてはピット内のオーケストラと別に舞台袖などで演奏をする「別動隊」を指す。 演出上の、また音楽的にもいわば「取っておき」の存在ゆえ出番はあまり多くなく、楽譜にもバンダならではの表記が幾つか見られる。 『160小節休み』 まあこの程度ならオーケストラの楽譜にもしばしば現れるか。 『呼ばれるまで休み』 プレイヤーにとってはありがたい指示ではないだろうか。 そして… 『残りは休み』 (=この先はもう出番なし) はいお疲れさまでした、となる。 それでもバンダはオペラに無くてはならない存在だ。 「アイーダ」では第2幕、第4幕でバンダが大活躍します。 会場ではぜひ、バンダのサウンドにも耳を傾けていただければと思います。 §立川市民オペラ公演 ヴェルディ「アイーダ」 2014年3月15日(土)、16日(日) @たましんRISURUホール |
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2014年02月14日
シューマンを辿る(5)
§ピアノ四重奏曲変ホ長調 op47
1842年10〜11月、前作のピアノ五重奏曲の完成からほとんど間を置かずに作曲。
この頃のシューマンの旺盛な創作力には、ただただ驚嘆するばかりだ。
これまでに書かれた室内楽曲と同様、全4楽章からなる。
第1楽章が、冒頭に象徴的な音型(モットー)をもつソナタ形式であること、また終楽章では対位法的要素を積極的に用いるなど、五重奏曲との構成上の共通点も多い。
一方で、第2楽章は終始不安の影を帯びたようなスケルツォ、第3楽章はひたすらに美しい旋律が展開されるアンダンテというふうに、前作と絶妙な対比をなしているのだ。
この四重奏曲もチャームポイントに溢れている。
例えば、冒頭楽章の序奏部で示されるモットー音型[g-f-g-as、階名で歌えばミ-レ-ミ-ファ]がアレグロの第一主題となって現れる瞬間には爽やかな朝の空気のようなものを感じる。
また第3楽章のテーマはいかにもシューマンらしいロマンティックなものであるし、さらにはその結びに次の楽章の主題の萌芽(階名でソ-ド-ラ、とV字を描く音型)が暗示される部分なども、心憎いほどの創意に溢れている。
そして今回スコアを読み、いくつかの盤で何度か繰り返して聴くうちにふと気付いたこと。
それは、作品のそこここに散りばめられている「ベートーヴェンへの思い」である。
まず、第1楽章の静かな冒頭はあたかもベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲の奥深いたたずまいを思わせる。
(僕が特にイメージするのは、同じ調性で書かれたop127だ)
そして呈示部が終わろうとするとき、ふっと気配が変わり冒頭の序奏が回帰する…
この瞬間が『悲愴ソナタ』の同じ楽章を連想させるのだ。
さらに第3楽章、先に述べた「ソ-ド-ラ」の音型のあと、天に昇ってゆくような16分音符の音型がヴァイオリン、ヴィオラとピアノで奏されるのだが、僕にはこれが『荘厳ミサ』の「クレード」のエンディングと重なって聞こえる。
そして終楽章…
シューマンのこのポリフォニー、モーツァルト「ジュピター」のフィナーレのそれに例えられることが多いのだが、僕にはそれと同じくらいに『ハンマークラヴィーア・ソナタ』の痕跡を感じるのだ!
これらはすべて、僕の思い込みかもしれない。
でも…
この頃のシューマンの頭の中には、偉大なバッハ、そしてベートーヴェンの姿が大写しにされていたに違いない、そう思えてならないのである。
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2014年02月13日
佳境のアイーダ
立川市民オペラ「アイーダ」、 公演まであと4週間あまり。 合唱団、ここまでまずまず順調に仕上がっている。 オーケストラ(立川管弦楽団)と合同での音楽稽古。 (2/2および2/9) 気合の入るソプラノ。 マエストロを待つ演奏者たち。 今回も、助演の皆さんが多数参加してくださる。 (第2幕、戦利品を携えての凱旋行進のシーン(2/6)) こちらは今日の稽古前の準備風景。 演出助手・岡田先生の指示のもと、合唱団員が床にテープを貼って山台や階段などを擬似再現しているところ。 (この作業が毎回必要なのだ) 立川の皆さんの「チームプレイ」をじわじわと感じるこの一週間であった。 公演は3月15&16日、 たましんRISURUホールにて。 みなさまどうぞお運びください。 |
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2014年02月08日
新たな居場所にしようかな
立川駅から稽古場へ向かう道の途中にあるカフェ。 ちょっと前から気になっていたお店。 こぢんまりと、静かな店内。 この日はジャズが小さくかかっていた。 好きなタイプのお店かも。 (読書や譜読みにぴったり) 少しだけ悩んで、結局マンデリンをいただくことに。 次回は違う豆にしようかな。 ドルチェやランチも美味しそうだった…また今度。 |
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2014年02月06日
佐村河内さんのこと
Twitterでも少しつぶやいたけれど、改めて自分の頭を整理する意味も込めて、言葉を補って書いてみる。
僕は氏に密着取材したNHKスペシャルを何度も見たし、東京ミッドタウンで開かれた展覧会にも出かけた。
話題作となった「交響曲第1番 HIROSHIMA」、僕はもちろんスコアを読んではいないし充分に理解するほど聴き込んでもいないから、作品についてどうこう言える立場ではない。
ただ、音楽を愛する一個人として、少なくともこの曲は「聴かれる価値のある」ものだと思う。
それは、氏が聴覚にハンデを持つという(メディアがことさら強調する)事柄と関係なく、だ。
そんな僕が今回のニュースを耳にして思うこと。
ただただ驚いた、そしてがっかりした…
これが全てである。
誰それを憎むとか、これまで氏のものとされていた作品はすべて無価値だとか、そういったことは感じなかった。
とはいえ、レコードや出版、興行に関連して金銭や権利に絡む諸問題が発生することはもちろん理解している。
が、それは当事者間で解決されるべきことだ。
そのことと、書かれた作品の良し悪しは別だと思いたい。
何処かに解決の落としどころを見出して、これらの曲が聴かれる=演奏される機会が失われてしまうことのないよう希望する。
良い作品は残り、そうでないものは自然に忘れ去られる〜
それが芸術作品本来の生命力だと僕は考えている。
さて、まもなく冬季オリンピックが開幕する。
氏のものとされる楽曲をセレクトした高橋大輔選手にとって、このタイミングでの騒動は真に気の毒としか言いようがない。
ぜひ「曲そのもの」と一体となって、最高の舞台で最高の力を発揮されますよう。
そして…
ソチでの高橋選手の演技とそこに流れる音楽が、下世話に撹乱されることなく静かに見守られるよう、心から願ってやまない。
posted by 小澤和也 at 00:30| Comment(1)
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2014年02月02日
今日で4歳
「小澤和也 音楽ノート」。 スタート以来、本日で満4年となりました。 いつもご覧くださっている方々、『いいね!』をつけてくださる皆さまに、心より御礼申し上げます。 美しい音楽、そしてそこから生まれる感動を大切に、これからも精進を続けてまいりたいと思います。 今後とも「音楽ノート」をよろしくお願いいたします。 2. 2. 2014 小澤和也 |
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2014年02月01日
シューマンを辿る(4)
§ピアノ五重奏曲変ホ長調 op.44
1842年9〜10月に作曲。
この年の夏に3つの弦楽四重奏曲を書き上げたシューマンが続けて手掛けたのがこの作品である。
もともとピアニストを志し、また技法的にもピアノ的発想で作曲することの多かったシューマンにしてみれば、この流れは至極当然のものだったであろう。
第1楽章はアレグロ・ブリランテ、ソナタ形式。
華麗で力強い第一主題がこの楽章の中心をなし、そしていわゆる「主題労作」の進歩の跡が著しい。
一方で、しっとりと優美に奏でられる第二主題はいかにも「夢見るロベルト」といったところか。
展開部も、先に書かれた弦楽四重奏曲に比べ充実が図られている。
この部分ではピアノが大活躍だ…クララはさぞ素晴らしく弾いたのだろうな。
再現部以降は型通りに進む。
第2楽章はロンド形式的。
行進曲のモードで、幅広くと記されている。
まず、単調なリズムに乗ってポツリポツリと主要テーマ(ハ短調)が奏される。
葬送行進曲風というよりも、感傷的な、訥々とした "語り" といった雰囲気か。
第一の副主題はハ長調。
「優しきうた」と勝手にタイトルを付けたくなるような、シンプルで胸に沁みる旋律だ。
弦楽器(八分音符)とピアノ(三連符)の伴奏音型のリズムの微妙なずれも味がある…ブラームスの先取りのよう。
主要テーマ回帰の後に、突如激しくうねるような第二副主題が現れる。
その余韻がさめぬ中で主要テーマがヴィオラによって再び呈示され、さらには第一副主題がエスプレッシーヴォで戻ってくる瞬間の美しさに、聴く者の心は静かに揺さぶられるのだ。
そして最後に、訥々と語るテーマが現れ、ひそやかにこの楽章を閉じる。
続く第3楽章は2つのトリオをもつスケルツォ。
主部は6/8拍子、リズミカルに音階の上行・下行を繰り返す、シンプルな力強さをもつもの。
第一のトリオは変ト長調に移り、「ド↓ファ|ソ↓ド|〜」と揺れ動く5度下行を含んだゆったりとした主題に始まる。
また第二トリオは2/4拍子、変イ短調でもってせわしない音型が16分音符で奏でられる。
全体に明快な構成、運動的な楽章である。
第4楽章はソナタ形式的であるが、主要な2つの主題以外にも耳に残るフレーズがあったり、第一主題の再現が主調でなされないなど、構成としてはかなり自由である。
(正直なところ、スコアを見るまではよく分からなかったことをこっそり告白したい)
コーダに入ってからも、新しい素材が登場したり、突然フガートが現れたりと目まぐるしく進む。
ところが…
最後のクライマックスと思われたその瞬間、第1楽章第一主題による堂々たる二重フーガが始まる!
これにより、音楽は一気に大団円の気分となるのだ。
元来シューマンの中に備わっていたロマン性に加え、バッハの対位法、さらにはベートーヴェン的な古典派様式の佇まいをも包含した「質的に巨大な作品」だと思う。
posted by 小澤和也 at 17:06| Comment(0)
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