ヴィルヘルム・フルトヴェングラー。 (1886.1.25〜1954.11.30) 僕にとって、その音楽のみならず、思想(著作も含めて)や精神、ひいては彼という人間そのものに強い興味を覚えるとともに心底惚れ込んだ最初の音楽家である。 彼の演奏との出会いは、たしか没後30年企画の一連のLPレコードだったから、そろそろ長い付き合いになる。 のちの30年のうちに、どうした巡り合わせか、気付けば同じ音楽家になっていた。 この先、一生をかけて、フルトヴェングラーの芸術の真髄に迫ってゆきたい。 今日聴いたディスクは リヒャルト・シュトラウス『メタモルフォーゼン』、'47年のライヴ録音。 作品の完成が '45年であるから、完全なる「同時代の音楽」だ。
再現芸術としての演奏とは何か、音楽の解釈とは何か、ということを深く考えさせられる凄味のある演奏である。
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2014年11月30日
大指揮者の没後60年に
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2014年11月27日
ダンテ『神曲』の入口へ
タイトルだけは知っていて、いつか読破しようと思いつつ一向に手をつけることのできない文学作品が恥かしながらいろいろある。 『源氏物語』や『坊ちゃん』『こころ』以外の夏目漱石作品、『旧約/新約聖書』(これらを文学と呼んで良いかはともかく)、『パンセ』など… ダンテ『神曲』もそのひとつ。 何しろルネサンスといえばダンテ、ダンテといえば神曲、である。 (かなり強引だが) 辞書を引くと、それぞれこんな風に載っている。 【ダンテ・アリギエーリ】 (1265〜1321)イタリアの詩人。中世と近世の分水嶺に位置する。政治に加わるが追放され、半生を放浪しながら文学に精進。etc. 【神曲】 ダンテの詩編。地獄編、煉獄編、天国編の三部に分かれ、人間の霊魂が罪悪の世界から悔悟と浄化へ、さらに永遠の天国へと向上、精進する径路を描く。etc. 『神曲』は様々な音楽作品とも深い繋がりをもっている。 リストは地獄編の凄絶な印象を「ダンテを読んで」というピアノ曲に描いているし、チャイコフスキー作曲の「フランチェスカ・ダ・リミニ」は同じく地獄編の登場人物の名前である。 そしてなんといっても… プッチーニの「三部作」。 「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」の3作品がそれぞれ地獄編、煉獄編、天国編に対応するといわれている。 これは読まねば!… と思いながら、だいぶ経ってしまった。 今回こそはと固く決心をし、自分の中でちょっと仕掛けをして期限を設けてみた。 それでも、数百ページの大作にいきなり挑むのは心許ないということで、手はじめに読んだのがこれ。 いわゆる "解説本" であるが、これのおかげでようやく入口に立てたような気がする。 (阿刀田高さん、今回もお世話になりました) ここで挫けてただの知ったかぶりになってしまわぬようにがんばろう。 |
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2014年11月21日
私的・ぶらり途中下車の旅
ふと思い立って、長瀞へ。 目的は『紅葉を愛でる』…それだけ。 秩父鉄道。 長瀞駅に到着。 まずは岩畳へ。 続いて宝登山神社へ向かう。 平日だけあって人影もまばら。 凛とした空気に触れることができた。 息をのむ美しさ! お参りを済ませてから、徒歩で上長瀞へ。 鄙びた街道をてくてくと。 気分はさながら太川陽介か舞の海か、といったところ。 上長瀞駅。 最後に目指すは、月の石もみじ公園。 日没後はライトアップされるのだそう。 今日いちばんの、燃えるような赤。 これを見られただけでも、来た甲斐があったというものだ。 柔らかな景色をたんと味わう。 気持ちのよい小旅行だった。 |
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2014年11月16日
演奏会のごあんない
これから出演するコンサート等のお知らせです。 §港北区民交響楽団 第55回定期演奏会 日時…2015年1月31日(土) 14時開演 会場…みなとみらいホール 大ホール 曲目…チャイコフスキー/交響曲第3番、スラヴ行進曲 モーツァルト/交響曲第35番「ハフナー」 出演…小澤和也(指揮) §立川市民オペラ公演 2015 『愛の妙薬』 日時…2015年3月14日(土)、15日(日) いずれも14時開演 会場…たましんRISURUホール(立川市市民会館)大ホール 曲目…ドニゼッティ『愛の妙薬』 主な出演…木下周子/ステパニュック・オクサーナ(アディーナ)、大澤一彰、藤牧正充(ネモリーノ) 澤田康子(演出)、古谷誠一(指揮)、小澤和也(合唱指揮) 詳しくは 立川市地域文化振興財団ホームページ をご覧ください。 みなさまのご来場をお待ち申し上げます。 |
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2014年11月10日
農工祭 ミニコンサート
農工祭ミニコンサートを聴く。 (9日、府中・農学部キャンパス) オープニングは混声による東京農工大学歌。 新しいヴァージョンを初めて聴いた。 7th、9thが響くモダンな和声付け。 男声ステージ。 松下耕『Ave Maria Scholaris』が題名の通り若々しさにあふれた楽しい曲だった。 女声ステージ。 (画像ピンボケご容赦) 初々しい歌声。 7月に演奏会で歌った『うたをうたうのはわすれても』をまた聴くことができてよかった。 これから少しずつ、声の色、表現の幅を広げてゆけるといいな。 お約束の「お楽しみ」ステージも。 『あゝ人生に涙あり』では水戸黄門が出現。 (始まって早々に髭が外れかかっている) 1年生有志で一曲披露してくれたのも嬉しい。 最後に全員(混声)で『となりのトトロ』『きみ歌えよ』他を演奏。 全体を通して、歌・演出ともにクオリティ高く、なかなか楽しめた。 3人の学指揮H君、Sさん、Y君、よかったよ! メンバーのみんなも…お疲れさま。 |
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2014年11月06日
魅惑の室内楽
ピアノ・平野裕樹子さんご出演の 『魅惑の室内楽 Vol.2』へ。 (4日、ヤマハホール) プログラムの最初はモーツァルト/クラリネット・ヴィオラとピアノのための三重奏曲変ホ長調K.498「ケーゲルシュタット・トリオ」。 1786年(『フィガロ』と同じ年)という彼の順風満帆期に書かれた作品だけあって、終始明るい気分に彩られている。 モーツァルトらしく端正な演奏、品川秀世さんの美しいクラリネットの音色が際立っていた。 続いて、レフラー/4つの詩曲 op.5 を聴く。 作曲家レフラー(C.M.Loeffler)は初めて聞く名前。 1861年の生まれということはマーラー、ドビュッシー、シュトラウスらと同世代ということになる。 ソプラノ独唱(堀万理絵さん)がボードレールとヴェルレーヌによる美しい詩を優しく、語りかけるように歌う。 その歌に寄り添いつつも、ときに激しく対峙するヴィオラ(手塚貴子さん)。 そして総体を一段高いところから統べるピアノ… それらの調和がじつに見事であった。 後半はまず、フランセのトリオ(モーツァルトと同じ編成)から。 洒脱、喜悦、そしてスリリングなフランセの音楽を手堅くしっかりとまとめあげた演奏(勿論良い意味で)であった。 速いテンポの楽章ではクラリネットとヴィオラのキャッチボールを見るよう。 大いに楽しめた。 そして取りは、この日の編成に合わせて書かれた『シャンソン「枯葉」をめぐる四つの風景』というメドレー風の作品。(編曲:内田祥子さん) 難しいことを考えず、のんびりと聴く。 佳い演奏会だった。 プログラム全体を通して、平野さんのピアノの統率力、そして抜群の安定感が光っていた。 平野さん、ありがとうございました! |
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2014年11月03日
ある日の風景
少林山達磨寺にて。 達磨と菊。 菊花展の準備がのんびりと進んでいた。 霊符堂に納められた達磨たち。 ゆるやかに、そして鮮やかに。 だるだるという名の喫茶店。 |
posted by 小澤和也 at 20:48| Comment(0)
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