2014年12月28日

後輩たちの歌声

 
 
東京農工大学・女子美術大学混声合唱団
第57回定期演奏会、
開演前のステージリハーサルに立ち会う。
(28日、府中の森芸術劇場ウィーンホール)
 
 
 
ウィーンホール。
いつもながらほんとうに響きがよい。
 
 
第1ステージ。
田中達也『朝の交響』
学生指揮者N君、よかったよ!
 
続く第2ステージは
Chilcott『A Little Jazz Mass』
1曲目を通した後、サウンドのバランス等を指揮の高嶋邦幸先生と確認、楽器のレイアウトを変更。
 
 
はじめ上手寄りにあったドラムス&ベースはこの位置へ。
 
 
インストゥルメントとコーラスの
新鮮なコラボが心地よい。
 
 
そしてメインの第3ステージへ。
信長貴富『初心のうた』
 
 
アンコール曲では高嶋先生のソロも。
 
今年は部員数が増え、響きの厚みに加え安定感がぐっと増した気がする。
この日は指導者の立場というよりは、一人の先輩、OBとして彼らの歌声をゆっくりと味わった。
 
リハーサルが終わったところで、今年もやむなく中座。
演奏会本番も会心の出来映えだったと聞く。
合唱団のみんな、お疲れさま!
そして、おめでとう。
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 22:17| Comment(0) | 日記

2014年12月24日

チャイコフスキー第3交響曲 考

 
つい先日、チャイコフスキーについて、また今回の演奏曲目である彼の第3交響曲について、来月客演する港北区民響の広報ご担当の団員さんとやり取りをした。
あらかじめ幾つかの質問を頂いており、それにアンケートのような形で答えるというものである。
その時の回答に加えて、いま僕の頭の中にあるものをつらつらと書いてみようと思う。
 
 
Q1
チャイコフスキーに対してどのような印象をお持ちですか?
 
《内気な天才。
なのに、
孤独に苦しみ、
自信を持てなかった人。》
 
彼の数奇な生涯、その中で書かれた幾多の名曲について思うとき、実にさまざまなイメージが湧いてくる。
それは彼を取り巻く複雑な人間関係に似て、なかなかピタリと言い当てられる表現が見つからない。
悩みに悩んだ末に浮かんだのが、上の言葉であった。
 
 
Q2
第3交響曲の特徴について、また独自の視点があれば。
 
《チャイコフスキーの交響曲のなかで最も地味な存在の第3番ですが、実は出世作『白鳥の湖』と同じ時期に書かれた作品です。
第1楽章、朗らかな第1主題に続いて奏でられるしっとりとしたオーボエのメロディは、有名な『白鳥の湖〜情景』のテーマと関連があるように思えます。
そして全体に、バレエのシーンが思い浮かびます…
例えば第2楽章は優雅なワルツ、第3楽章は二人の主人公による愛の場面、第4楽章は美しい妖精たちの軽やかな群舞、そしてフィナーレは壮麗な舞踏会…とでもいったような。》
 
チャイコフスキーの(マンフレッドを除く)6つの交響曲の中で唯一の「長調」作品であること、
なぜか5楽章からなっていること(交響曲は通例4楽章形式)、
そして『ポーランド』という多分にピント外れな副題が付いていること etc.
とにかく、一見「ツッコミどころ満載」の曲なのだ。
 
第1、第2交響曲をロシア国民楽派の影響下で作曲したチャイコフスキー。
やがて彼らと距離を置き、自己のスタイルを模索し始めたのが1874年頃だと思われる。
その後の主要作とおおよその作曲年代は次の通り。
 
1874年
第2弦楽四重奏曲
1875年
第1ピアノ協奏曲、ゆううつなセレナード、第3交響曲
1876年
白鳥の湖、組曲「四季」、スラヴ行進曲
 
このように、彼の代表作と呼ぶにふさわしい曲たちと並行して第3交響曲は書かれているのだ。
スコアをじっくりと読み込めば、熟達の技法をもってよく作られているのが分かる。
 
ちなみに副題の『ポーランド』は、のちの時代にとあるイギリスの指揮者がつけたもので、第5楽章がポーランド起源の舞曲「ポロネーズ」のリズムを持っているからということらしい。
当然、チャイコフスキーのあずかり知らぬ所であり、楽曲全体のイメージとはなんら無関係である。
 
 
明けて1月31日、みなとみらいホールにて、港北区民交響楽団の皆さんと第3交響曲を演奏します。
なかなか取り上げられる機会のない作品です。
みなさま、どうぞお運びください。
 
 
posted by 小澤和也 at 23:49| Comment(0) | 日記

2014年12月19日

いまやネモリーノは百万長者よ…!

 
 
立川市民オペラ合唱団のプローベへ。
(18日、錦学習館)
この日の稽古場(講堂)はいつもより広くてのびのび。
 
『愛の妙薬』の立ち稽古は待望の第2幕に入る。
〜村娘たち、そわそわしながら登場。
純朴だがいまひとつパッとしない主人公のネモリーノ青年、その叔父さんが亡くなり莫大な遺産が彼の手に…という噂を聞いたのだ。
そこへやってきた、何も知らないネモリーノ。
我先にと彼にすり寄ってゆく娘たち〜
 
と、こんな場面。
短い時間でめまぐるしく、しかもスムーズに一人ひとりが動き回る演出だ。
集団としての「塊」でもってなんとなくぞろぞろと動くのではまったく面白味が出ない。
裏を返せば実に「美味しい」見せどころだと思う。
そして、この部分の音楽がまたとても楽しいのだ。
女声合唱の皆さん、がんばろう︎
 
 
§立川市民オペラ公演
ドニゼッティ/愛の妙薬
2015年3月14日(土) &15日(日)
14時開演
@たましんRISURUホール
 
みなさま、ぜひおはこびください。
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 19:36| Comment(0) | 日記

2014年12月17日

ダンテの入口へ


 
トーク&レクチャー
ダンテ『神曲』の衝撃 を聴講する。
(13日、青山ブックセンター)
 
 
 
出演は『神曲』三部作の新訳を刊行された原基晶さん(伊文学・東海大学講師)、そして美術ライターの橋本麻里さん。
 
以前よりずっと(いつかは読みたい…読まねば…)と思っていた『神曲』。
先日、偶然にこのレクチャーのことを知り「今だ!」と飛びついた。
図書館であらかじめ、原さんの訳で『地獄編』(三部作の第一作)を途中まで読み(図書館で借りた)この日に臨む。
 
ダンテ・アリギエリは13-14世紀のイタリアの詩人。
政治にも加わるが混乱の中で追放の憂き目にあい、後半生は放浪のうちに文学に精進することとなった。
その代表作『神曲』は前述のように『地獄編』『煉獄編』『天国編』の三部からなる叙事詩。
人間の魂が罪悪の世界から浄化、そして永遠の天国へと向かう過程をダンテ自身が巡りゆく形で描写している。
 
さて、レクチャーである。
サブタイトルは
「14世紀の叙情詩は西欧文化に何をもたらしたのか」。
配布されたレジュメでは『神曲』の概説、受容史から文学・政治との関連が解説されるようになっていたのだが…
原さんのお話はひたすら自在に飛翔を続け、橋本さんがそれを巧みに、ときに必死にナビゲートしコントロールするというスリリングな展開に。
橋本さん、お疲れさまでした。
 
レクチャーの中で原さんが朗読された
『地獄編』第3歌、とっても素敵だった。
はじめは原語(イタリア語)で、次いでご自身の訳詩で。
そこには生き生きとしたリズムがあり、トーンがある。
あたかも音楽を聴いているようであった。
 
レクチャー終了後、改めて『地獄編』を購入。
もう怖くない。
原さんと橋本さんのおかげで、もうダンテの入り口まで来ることができたから。
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0) | 日記

2014年12月14日

師走のメサイア

 
 
 
昭和音楽大学の『メサイア』公演を聴く。
(みなとみらいホール)
 
 
 
ヘンデルの代表作のひとつであるオラトリオ『メサイア』。
「メシア(キリスト)の誕生、もたらされた福音」「メシアの受難」「メシアの復活、救いの完成」の三部から構成され、独唱によるレチタティーヴォとアリア、そして合唱が聖書の言葉を紡いでゆく。
 
久しぶりにライヴで聴きながら、比較的小振りで素朴な色合いの宗教絵画を一つずつ順に眺めてゆくような、そんな気分がした。
絢爛な絵巻物のような激しいドラマ性の代わりに、ほどよい明るさと静けさとがそこにある。
またそれだけに、時折現れる「神のトランペット」や有名な「ハレルヤコーラス」が一段と輝きを放っていた。
 
管弦楽、合唱とも手堅い演奏。
とりわけトランペットが実に見事!
独唱では、ソプラノ内田智子さんとバス田中大揮さんの美声が光っていた。
 
 
 
終演後のクイーンズスクエアはさながらイルミネーションのオンパレード。
 
今年もあと少し。
 
 
 
posted by 小澤和也 at 23:54| Comment(0) | 日記