新しいペンケースをゲット。 そのトリッキーなフォルムに ひと目で惹かれてしまった。 実は…マチ無し。 |
2015年02月27日
2015年02月24日
助演初稽古
立川市民オペラ公演『愛の妙薬』、 本日より助演のみなさんが稽古に参加。 ベルコーレ軍曹と兵隊たち。 「なんと! 明日の午前には発たなければ…」 アディーナ木下さんと ベルコーレ大川さん。 アディーナ木下さんと ジャンネッタ鈴木さん。 こちらはインチキ薬売りのドゥルカマーラ (写真中央・東原さん)とその部下たち。 「さあさあ、こちらが 偉大な医者で博識のドゥルカマーラ博士…」 みなさん早くもノリノリ。 合唱団とのコラボがほんとうに楽しみだ。 副指揮・碇山さんもこの日初タクト。 立川市民オペラ公演『愛の妙薬』 3月14&15日(いずれも14時開演)、 たましんRISURUホールにて。 みなさまどうぞお運びください。 |
2015年02月18日
札響のシベリウス
札幌交響楽団 東京公演2015を聴く。 (17日、サントリーホール) 演目はシベリウス生誕150年の交響曲ツィクルスより、第5・第6・第7の3曲。 指揮は音楽監督の尾高忠明さん。 最初に演奏されたのは交響曲第5番。 この作品が1曲目にくるというのは珍しいのではないだろうか。 慎重に、手堅く進む音楽。 第1楽章のコーダや全曲の結びには、程よい抑制と巧みなコントロールが効いていたと思う。 ただしそのぶん、祝祭的雰囲気や解放感はやや薄かったかも。 第1楽章、前半のMolto moderatoからスケルツォ部Allegro moderatoへと繋がってゆく長い移行部、そしてこれと対応するフィナーレ、細かな刻みが次第に幅広い楽想に取って代わられる箇所がともに見事だった。 続く第6番は僕の愛してやまない作品。 第1楽章冒頭をはじめこの曲の多くを占める弱音部での高弦の艶やかさ、木管の音色のブレンドの美しさにこの楽団の美質を聴く。 後半の2つの楽章で時折、陶酔を破る刺激的な響きが生じていたのがちょっと残念。 これはあくまで私見だけれど、マエストロの示すテンポとオケの進もうとするそれとの間に、ほんの少しのズレを覚えるスリリングな一瞬も…実演ならではのせめぎ合いであろうか。 そしていよいよ、ツィクルスの最後を飾る第7交響曲。 ところが… 始まってすぐに客席から断続的に鈴の音が。 これで集中を削がれてしまった自分が情けない。 そして最後の音が消えぬうちの嬌声&無粋な拍手、これも悲しかった。 演奏はがっちりとした楷書体のスタイル。 あまりに説明的という声もありそうだが、僕は大いに楽しんだ。 アンコールは「アンダンテ・フェスティーヴォ」。 そしてオーケストラへ、さらにはこの公演で音楽監督を退かれる尾高さんへの鳴り止まぬ(こちらは本物の)あたたかい拍手。 素晴らしい演奏会だった。 |
2015年02月17日
そば屋さんの暗号
日曜日の仕事前。 移動途中の乗換えついでに駅そば店に立ち寄る。 食べたのはミニカツ丼セット。 店員さん『そばとうどん、どちらになさいますか?』 僕「そばでお願いします」 店員さん『温かいおそばでよろしいですか?』 僕「はい」 出された料理と一緒に食券が戻ってきた。 そこに赤ボールペンで書かれていた "14おそ" の文字にふと目がゆく。 食べながらさっそく考えた。 ("14" はきっと席番号だな) ("おそ" って何だ?おそばのことかな? …だったら "そ" だけでいいはずだよなあ) 何となくスッキリしないまま食べ終わり、かけそばのつゆを飲んでいるとき… ひらめいた! (温かいおそば=おんそば="おそ") そうだ! きっとそうに違いない! さりとて真相(?)を店員さんに訊くのもはばかられ、そのまま店を出た。 次に寄った時には ミニカツ丼+冷やしうどん でオーダーしてみようか。 |
2015年02月15日
ブノワ (32) : オラトリオ『スヘルデ』[2]
(アルテヴェルデの霊魂のアリア) 【第2部・前半】 ここでの登場人物は非常に多岐にわたり、しかもそれらのほとんどが史実に基づいたものである。 よって、第2部のテキストを理解するには、フランデレンの歴史を知ることが大前提となるのだ。 12-13世紀頃、フランデレンの地は自治都市の集まりであり、商業・貿易の要として大いに栄えた。 これを狙ったのがフランスである。 1297年、フランデレン伯領はフランスに併合される。 しかしその後、民衆が蜂起しフランス軍を追い出した。[1302年、金拍車の戦い] このとき戦ったとされる『獅子爪党(フランデレン側)』と『百合党(フランス側)』、そして蜂起のリーダー『ニコラス・ザネキン』の霊魂がまず登場する。 2つの党は男声合唱で、ザネキンの霊魂はバスで歌われる。 詩人 「おお、美しいスヘルデの流れよ、 おまえは私の心の中に高潔な 我らの英雄たちの姿を呼び起こす 霊たちの行列がそこに現れる、 おまえの岸に、靄のように etc.」 獅子爪党 「もしスヘルデに自由がないのならば 墓の中より我らは叫ぶ、 "フランデレンの獅子!" と」 百合党 「我らはあいつらを滅ぼす、 野を駆ける者たちすべてを」 ザネキンの霊魂 「自由よ、 おまえは民を奮い立たせるだろう、 我らの種族は暴力を許さない!etc.」 百合党 「獅子爪よ、 もしお前たちが立ち向かうならば 我らはお前たちを怯えさせてやる」 フランデレンの人々 「フランデレンの獅子! 我らは決して奴隷にはならない!」 次いでフランデレンの政治家『ヤコブ・ファン・アルテヴェルデ』の霊魂が現れる。 彼はフランデレンの利権を巡りイギリス・フランス間で生じた百年戦争(1339-1453年)の時代における自治都市連合の指導者であった。 ここで彼(バリトン)の歌うアリアは全曲中の白眉といっても良いだろう。 (ただしテキストはやはり今ひとつ詩情に乏しい…) 「私は死の覆いを脱ぎ捨てる フランデレンは生命の証を再び与えるのだ! 人々は墓より立ち上がるー 彼らは敬虔な種族であり、 法を守り、 平和の中に活力を求め、 そして交易をより尊ぶ 武人のように争うのではなく!」 フランデレンの人々 「自由!交易! フランデレンの獅子!」 百合党 「我らは死んでゆく… 暗い墓よ、 我らの悲しみを和らげよ!」 ここで音楽は変わり、第1部で登場した二人の恋人のシーンとなる。 そして、自由を勝ち取るためのフランデレンのさらなる戦いの場面へと… この続きは改めて。 (つづく) |
2015年02月11日
ブノワ (31) :オラトリオ『スヘルデ』[1]
ペーテル・ブノワ『スヘルデ』
全三部からなる
ロマン的・歴史的オラトリオ
1868年完成、ブノワ34歳。
台本はエマニュエル・ヒールの作。
音楽はほんとうに素晴らしいのだが、歌詞がフラマン語であること、またテキストの内容も叙事詩的かつ啓蒙的で詩情に欠けること(有り体に言えば泥臭く、きな臭い)から、ベルギー国内ではまず演奏されにくい作品だ。
以下、その泥臭いテキストを抜粋して追ってみる。
【第1部】
主な登場人物…詩人、青年、少女、船乗り(たち)、農民たち
詩人は全三部を通し、各々の冒頭に登場する。
「おおスヘルデ、私はおまえの声を聞く
スヘルデは歌う、楽しげで優しい言葉を、
喜びと愛の言葉を!
また同時に深遠な和音を奏で、
その響きはあまねく伝わり、
そして心の中へ入り込んでゆく」
青年と少女(彼らも全三部に登場)はスヘルデを讃え、愛を歌う。
「歌え、美しいスヘルデよ、
眠っている恋人のために…
彼女が僕の夢を見ますように、
僕がおまえの岸辺の花を摘む間!」etc.
「歌って、美しいスヘルデよ、
私の心の安らぎのために!
私はおまえの岸辺で口づけされる、
愛の夢の中で!」etc.
〜とまあ、二人は終始こんな調子である。
そこへ船乗りの掛け声が。
「ホーイ、オー!
波が飛び跳ねている、
加わりたい者たちは皆、
出航せよ!」
続いて農民たちの歌。
「陽の光は傾き
そして穏やかに西へと沈む
入江の葦や小枝の中から
蛙やナイチンゲールたちの歌が
高まり始める」etc.
青年
「密やかな楽しい声が
僕をスヘルデへの船出に誘う」
少女
「豊かな魔法の歌が
私を船出への願望へと目覚めさせる」
このようなやり取りがしばらく続くと、
青年
「愛はすべての者を招き寄せる!」
「僕の腕の中に来て、
愛しい人!」
少女
「あなたの声は私の心を揺り動かす、
波のさざめきのように」
二人
「出航しよう!」
船乗りたち
「ホーイ、オー!
彼らは出航する!」
と、突然盛り上がって唐突に終わる。
この第1部は、ブノワ(と台本作者ヒール)による『フランデレン民族への励ましの呼びかけ』のようなものなのだと思う。
直情径行でかなり不器用ではあるが。
(つづく)
2015年02月06日
ゆったりと、豊かな時間
仕事帰りに神保町へ立ち寄る。 目指すは古書店…ではなく、いつもの喫茶店。 そしていつものマンデリンをオーダー。 他の店でも同じものをいただくのだけれど、不思議とそれぞれに味が違うのだ。 静かな、居心地のよい店内。 ここでは読書も、頭の整理も大いに捗る。 豊かな時間の流れ。 今日のマンデリンの味がまた格別だった。 やっぱりお代わりをいただくことに。 カップの変わるのがこれまたうれしい。 ごちそうさまでした。 |
2015年02月04日
『愛の妙薬』レクチャー
立川市民オペラ公演『愛の妙薬』 レクチャー&ミニコンサート、 盛況のうちに終演。 (たましんRISURUホール・小ホール) まずはキャストの場当たり稽古から。 コーラスも加わって "開幕の合唱" を通す。 名アリア『人知れぬ涙』を歌う ネモリーノ・藤牧正充さん。 アディーナ・木下周子さんとの二重唱。 第2幕、村娘(女声合唱)たちに突然チヤホヤされるネモリーノ。 演出・澤田康子先生の楽しいお話に、客席は笑いの連続。 合唱団にとっても、人前で歌う貴重な機会だった。 普段の稽古によって身につくものとはまた一味違う、「舞台の特別な空気感」を体得できたのは大きな収穫だと思う。 公演まであと5週間あまり… これから稽古にもさらに熱が入ることだろう。 みなさん、お疲れさまでした。 |
2015年02月02日
音楽ノート 5周年
この『音楽ノート』を書き始めてから、今日で満5年となりました。
ブログをご覧くださっている皆さま、またコメントやお言葉をかけてくださる皆さまの応援に励まされ、ここまで続けることができました。
音楽の魅力、楽しみ、そして喜びを皆さまと分かち合えるよう、これからも努力を重ねてまいります。
今後とも『音楽ノート』をよろしくお願い申し上げます。
2015.2.2.
小澤和也
ご来場御礼
港北区民交響楽団 第55回定期演奏会、 無事終演。 (1月31日、みなとみらいホール) 桜木町、09:00am…快晴。 楽屋入り。 プログラム第1曲、チャイコフスキー/スラヴ行進曲は会心の出来。 管打楽器がここぞとばかりに鳴り渡り、弦も思い切りよく弾ききった。 続くモーツァルト/ハフナー交響曲。 5ヶ月あまりの練習期間中、一貫して弦楽セクションの響きにこだわってきた。 (古典派音楽、ことにモーツァルトでは音色が美しくないと形にならないのである) それゆえ、特にヴァイオリンパートの皆さんはかなり苦労したと思う。 本番は「現段階におけるベスト」の演奏になったのではないだろうか。 そしてチャイコフスキー/第3交響曲。 彼は生涯に6曲の(番号付)交響曲を書いたが、ロシアの土の香りをそのまま音化したような第1(冬の夢想)&第2(小ロシア)、俗に「後期三大」と呼ばれ演奏機会の多い第4〜第6(悲愴)のはざまに位置するこの第3交響曲はとても地味な存在なのだ。 そのせいもあってか、練習が始まってしばらくの間は、オーケストラから出てくる音にどことなくよそよそしさを感じざるを得なかった。 様子が変わってきたのはこの年明け頃からである。 いよいよ「作品が手の内に入って」来た! …じっくり待った甲斐があったというものだ。 もともと区民響のキャラクターにフィットしたチャイコフスキー、そこへさらに作品への親和性が加わり自信に溢れた演奏に。 お客様からも、びっくりするほど多くのお褒めの言葉を戴いた。 アンコールはバレエ音楽「眠れる森の美女」〜ワルツ。 達成感と高揚感、解放感も手伝ってか実にのびのびと楽しい音がした。 入場者数は1200名。 補足すれば「プラス1匹」とのこと。 演奏会の数日前に、介助犬の入場が可能かどうかの問い合わせがあったのだそうだ。 快くOKを出されたオーケストラ事務局に心からの敬意を! (余談であるが、おそらくは日本でただ一匹の「チャイ3を聴いたわんこ」ということに!?) 港北区民響の皆さん、お疲れさまでした! ご盛会おめでとうございます。 そして会場へお運びくださった皆様、ありがとうございます。 |