2015年07月09日

30年ぶりの再会

 
 
杉本毅&小枝佳世 デュオリサイタル
〜クラリネットとピアノの夕べ〜 を聴く。
(6/26、鶴見・サルビアホール)
 
演目は
ヴィドール/序奏とロンド
メシアン/鳥たちの深淵
ベートーヴェン/ソナタ第32番ハ短調
休憩を挟んで、
フォーレ/夜想曲第8番
ラヴェル/ラ・ヴァルス
ヴェーバー/協奏曲第2番
と盛りだくさん。
そして、フランスものとドイツものが絶妙なバランスでミックスされている。
 
ヴィドールは音楽院の試験曲として書かれたものらしく、技巧とカンタービレがほどよく散りばめられた小品。
続くメシアン…これには圧倒された!
静寂、絶望の叫び、そして鳥の声という3つの事象が凄まじい緊張感をもって対峙する。
10分近くにわたった杉本さんの独奏、見事の一言に尽きる。
 
会場内の雰囲気がピリリと引き締まった中、小枝さんの独奏によるベートーヴェンが始まる。
第1楽章は手堅く。
そして第2楽章の変奏曲が進むにつれ、紡がれたベートーヴェンの音符たちが空間を自在に飛翔するさまが見て取れた。
ハ長調の最後の和音が消える…思わずそっと手を合わせたくなる、何かこう、とても大切にしまわれていた "たからもの" を見せていただいたような気分に。
 
ここまでで既にお腹いっぱい。
後半はゆったりとした気分で聴かせていただくことに。
フォーレと「ラ・ヴァルス」は連続して演奏された…小枝さんのアイディアだろうか、面白いと思った。
ラヴェルの音楽の魔力にひとしきり酔いしれた後、杉本さんが再び登場しいよいよヴェーバー。
第2番のコンチェルト、第1楽章はまずまず型通りに運ぶが、続くアンダンテではレチタティーヴォ風の独奏が印象的だった。
そして…終楽章ロンドは軽快なポロネーズ。
杉本さんの華麗な技巧が全曲を通じて冴え渡る。
晴れやかな気分のうちに終演となった。
 
 
終演後、ロビーにて杉本さんと久々の対面。
30年ぶりということになる。
 
実は僕が高校生の頃、吹奏楽部のクラリネットパートをたびたびご指導いただいていた。
ある日、レッスンに見えられた杉本さんに一度だけお話を伺ったことがある。
そのときの言葉が今でも忘れられない。
『みんなには、(三年間で燃え尽きてしまうのではなく)卒業した後もずっと楽器を続けてほしい、音楽を好きでいてほしいと願っている…そう思ってもらえるよう、僕はみんなに音楽のよろこびを伝えたいんだ』
 
杉本さんは僕のことを憶えてくださっていたようだ。
僕は伝えた。
「今も…音楽やってます!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 11:56| Comment(0) | 日記