きょう11月30日はヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)の命日である。 何かCDを聴こうと、さほど深く考えずに取り出したのが... R.シュトラウス/交響詩集。 彼の作品のなかで、僕にとって飛び抜けて馴染み深いのは「ティル・オイレンシュピーゲル」だ。 高校生のときに(吹奏楽ヴァージョンで、だが)この曲を指揮したことがある。 当時、指導を仰いでいたA師のお宅にお邪魔すると必ず、『これを聴け!』とWF指揮の「ティル」のLPをかけてくれたものだった。 そして今日。 僕の心にもっとも迫ってきたのは「死と変容」であった。 1950年、WFの円熟期(しかし枯れていない!)の録音。 《余談だが...併録の「ドン・ファン」「ティル」はWFの死の年のレコーディング、ほんの少しだが緩み(疲れ?)を感じてしまう...名演であることに変わりはないのだけれど》 この演奏全体を支配しているのは、むせかえるような濃厚なロマンティシズム、加えて(作曲家シュトラウスと)同時代人である、というある種の確信であろうか。 楽曲自体が手堅い構築性と美しいフォルムを持っており、WFの流動性を重視する解釈とのバランスが絶妙だ。 ここまで書いて、ふと一年前のブログを読み返してみたら... 同じシュトラウスの『メタモルフォーゼン』を聴いていた! 《2014.11.30 大指揮者の没後60年に》 フルトヴェングラー、命日、シュトラウス... 去年の今日も同じような連想をしたということか。(苦笑) |
2015年11月30日
WFの命日に
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2015年11月29日
ふたたび南与野にて
まつきり三郎とスイングバイ・ブラザーズ 27thライヴを聴く。 (27日、cafè jazzmal) PA一切無しのアコースティックサウンド、 ドラムを用いないことにより際立つ ギター&ベースの存在感、 ホーンセクションのユニゾンとハーモニー、 そしてアレンジの妙… (ソロの見事さは言うまでもない) この日も堪能させていただきました! |
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2015年11月25日
光陵50周年
我が母校、神奈川県立光陵高等学校の創立50周年記念式典へ。 (24日、神奈川県民ホール) 吹奏楽部員にとっては「聖地」だった県民ホール…懐かしい。 (そういえば僕の指揮者デビューもこの大ホールだった) 校長や同窓会会長、来賓らのスピーチに続いて生徒会長が登場。 50周年を機に考案されたという、光陵のマスコットキャラクター「ごんたん」が紹介され、会場がどっと沸く。 会場に集まった全校生徒、OBOGらが声を合わせての校歌合唱(在校生はクラス毎に、あらかじめパート別に着席していたそうである…さすが!)、これにて式典の部は終わり。 後半は「記念演奏会」。 まず、ロイヤルコンセルトヘボウの首席ヴィオラ奏者・波木井賢さん(光陵5期生)、奥様でヴァイオリニストの菊地裕美さん、そしてお二人と親交の深い作曲家/シンセサイザー奏者のG.クルタークさんによる『Dialogueー対話』の世界初演が行われた。 続いて、光陵高校弦楽部がモーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第1楽章を演奏。 波木井さん、菊地さんも飛び入り(?)でご参加くださった。 その後、会場をホテルニューグランドに移し、記念祝賀会が開催された。 ゴージャスなペリー来航の間。 カーテンと屏風を取り去ると…綺麗な横浜港の夜景が! (画像のないのが残念) 校歌祭をきっかけに親しくさせていただいている先輩方と。 ここでも宴の「締め」は校歌と応援歌。 ヴィオラの波木井さん、応援歌を作曲した戸塚克郎さん(光陵2期生)が飛び入りで壇上へ! 僕は当初予定どおり指揮を担当。 式典の進行やスピーチ、祝賀会の企画演出、その他さまざまな瞬間に光陵らしい、細やかで気の利いた創意工夫を感じることができ嬉しかった。 『光陵生でよかった!』 心からそう思える一日であった。 |
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2015年11月19日
演奏会のごあんない
立川市民オペラ公演2016 プッチーニ/歌劇「ラ・ボエーム」 全4幕(字幕付原語上演) §日時:2016年3月12日(土)/13日(日) ともに14時開演 §会場:たましんRISURUホール(立川市市民会館)大ホール §演出:澤田康子 §指揮:古谷誠一 §演奏:今野菊子(pf)他 §合唱指揮:小澤和也 §キャスト(12日/13日) ミミ:宮澤尚子/佐田山千恵 ムゼッタ:保科瑠衣/別府美沙子 ロドルフォ:大澤一彰/笛田博昭 マルチェッロ:岡昭宏/須藤慎吾 ショナール:大井哲也/井出壮志朗 コッリーネ:狩野賢一/矢田部一弘 アルチンドロ:東原貞彦(両日) ベノア:岡野守(両日) パルピニョール:工藤翔陽(両日) 明日11/20よりチケット一般発売開始です。 詳細は をご覧ください。 我らが市民オペラ合唱団、半年間の音楽稽古を経て10月より立ち稽古がスタート。 最上の舞台をお目にかけるべく、役作りに余念がありません。 みなさま、どうぞお運びください。 |
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2015年11月14日
モンジャーニ・ドキュメント
「第25回モンジャーニ 宮ア京子と陽気な仲間たち」を聴く。 (三鷹市芸術文化センター風のホール) 立川市民オペラでご一緒しているソプラノ・宮ア京子さんが主催する楽しいコンサートにお誘いいただいた。 あいにくのお天気だったが、会場はお客さまでいっぱい。 以下、客席でのTwitterのつぶやきを再掲しつつ、演奏会を振り返る。 @kazuya_ozawa: パンフレットに挟みこまれていた チラシ。見たことあるなあと思っ たら立川市民オペラのものでした。 第一部は「イタリア公演『蝶々夫人』の思い出』と題し、桑島三幸さん(スズキ役)の語り、大園麻衣子さんのピアノ、そしてKyoko親衛隊の合唱が蝶々さんの可憐な歌に彩りを添える。 @kazuya_ozawa: 第一部は「蝶々夫人」ハイライト。 4月に伊・ビトントでタイトルロ ールを歌われた宮崎京子さん。 15歳に見える不思議! 画像が手元になくご紹介できないのが残念… @kazuya_ozawa: 大園麻衣子さんのピアニスティッ クかつシンフォニックな伴奏、否、 協奏に感動。 (第1幕のあの序奏では譜めくり して差し上げたかった…) @kazuya_ozawa: 婚礼の場面、舞台に現れた蝶々さ んご親戚の皆さん(合唱:Kyoko 親衛隊)が全員知っている顔ぶれ で… もう笑いを堪えるのに必死(^_^;) 合唱は、宮アさんとビトント公演に同行した立川市民オペラ合唱団有志の方々。 ハミングコーラス、なかなか美しかった。 (そして皆さん、和装が実にお似合い!) 休憩を挟んで…プログラム後半へ。 @kazuya_ozawa: 宮崎さんは第2部も振袖で登場。 蝶々さんに捧げるAve Maria (カッチーニ)のあとは懐かしい 日本の調べの数々。 『花嫁人形』『初恋』、 続いて親衛隊による『花』『日本古謡メドレー』、 再び宮アさんの独唱で『落葉松』が歌われた。 @kazuya_ozawa: 個人的に強く深い思い入れのある 「落葉松」(小林秀雄)、その後も 自分が振るときは平気なのだが、 今日客席で聴いて思わず涙腺がゆ るゆるに緩んでしまった。旋律は もちろんのこと、ピアノパートの あの完成度の高さは奇蹟のよう。 ここで今日はじめて、宮アさんがマイクを手にお喋り。 これがふだんのモンジャーニのスタイルのようで、客席の空気もいっそう寛いだものになった。 『見上げてごらん夜の星を』、そして最後に合唱も加わり『ふるさと』を全員で歌いお開き。 宮アさん、ご出演の皆さん、 ご盛会おめでとうございます! (カーテンコールを1枚だけ撮らせていただきました) |
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2015年11月11日
波西米亚人?…誰?
さっそくですが…
これ、ぜんぶオペラのタイトルの中国語表記なのだそうです。
みなさんはいくつわかりますか?
1.《托斯卡》
2.《蝴蝶夫人》
3.《玛侬・莱斯科》
4.《图兰朵》
5.《波西米亚人》
6.《贾尼・斯基基》
2.は問題なく『蝶々夫人』ですね。
発音を大雑把に書けば[フーディエフーレン]。
1.と6.は、漢字の音から見当がつきそう。
「斯」はガス(瓦斯)のス、
「卡」はカラオケ(卡拉OK)のカなので…
♪托斯卡=トスカ[トゥオスカ]
♪贾尼・斯基基=ジャンニ・スキッキ[ヂァニ・スヂヂ]
3.と4.は、まず簡体字の「元の字」を知るところから始めないと…
まずは3.から。
「玛」←「瑪」(これは予想どおり)
「侬」←「儂」(ビックリ!)
それぞれ発音すると[マ][ノン]
というわけで、なんと
♪玛侬・莱斯科=マノン・レスコー[マノン・ライスケァ]
4.は想像がつかず、答えを知ったうえで元の字を調べました。
「图」←「図」(かえって画数増えてないか?)
「兰」←「蘭」(原型をまったく留めていないぞ?!)
「朵」←「朶」(日本語だとダと読むそうな)
となり、
♪图兰朵=トゥーランドット[トゥランドゥオ]
最後まで悩んだのが5.。
「亚」がどうしてもわからない…
中国語の音にしてみても[bo•xi•mi•?•ren]。
仕方なく、わかる字だけGoogle検索してみると、
「波西米亚」=ボヘミア と出てきた。
ということは、
波西米亚人→ボヘミア人→ボヘミアン→…!!!
♪波西米亚人=ラ・ボエーム[ボヒミヤレン]
これはムズカしかった!
ということでフタを開けてみれば
すべてプッチーニ(普契尼)のオペラだったでした。
全部わかったあなたはスゴイ!
ps
上の出題?は、お友達のソプラノ・NさんのFacebook投稿を参考にさせていただきました。
Nさんは近く中国で公演を行われるそうです!
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2015年11月07日
『プッチーニの愛人』
映画 "Puccini e la fanciulla" を観る。 (6日、イタリア文化会館) 邦題は『プッチーニの愛人』。 (いつものことだが原題とはニュアンスが微妙に異なる) パオロ・ベンヴェヌーティ監督による2009年の作品。 トッレ・デル・ラーゴで『西部の娘』を作曲中だったプッチーニ。 1909年、その家で働いていたメイド、ドーリア・マンフレーディが自殺するというショッキングな事件が起こる。 ドーリアがプッチーニ夫人から、彼女の夫との不貞の疑惑をかけられ責められたというのが自殺の原因とされており、この映画ではその発端となったある出来事からドーリアの死までを淡々と描いたものになっている。 1909年ということは、これはスキャンダルからちょうど100年後の映画化ということになろうか。 登場人物たちの台詞は極力削られている。 その代わりというべきか、トッレ・デル・ラーゴの美しい風景、そしてプッチーニの甘く激しい音楽(プッチーニ自身が弾くピアノという形で表現されている)が全編を通して支配的であった。 (あとこれはまったくの余談だが、作品中のプッチーニは常にタバコをふかしている) 音楽に携わる者として、また一人のプッチーニ・ファンとして、この映画はなかなか楽しめた。 ただ、最後の場面(ドーリアについて言及される)でシューベルトの『死と乙女』(カルテットのほう)が流れ出すのがいささか唐突に思えた。 乙女=das Mädchen=la fanciulla という繋がりから選ばれたのだとしたら、それはあまりに単純ではないかしら… ともあれ、この映画との幸運な出会いに感謝。 同時にこれは「『西部の娘』を勉強したまえ!」という天の声だったなのかもしれないな。 |
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2015年11月06日
立川市民合唱祭のごあんない
立川市民オペラ合唱団のプローべへ。 前半は『ラ・ボエーム』。 次週の立ち稽古を踏まえ、第2幕をじっくりと歌い込む。 そして後半は、11/8(日)の市民合唱祭で披露する『カルメン』抜粋の最終確認。 今回は第1幕「けむりの歌」と第4幕開幕の合唱を歌う。 それぞれ長い前奏を持つので、これを利用して男声・女声それぞれに軽く舞台上での動きをつけてみた。 すると…歌が俄然良くなった! さすがはオペラ合唱団である。 §第41回 立川市民合唱祭 2015年11月8日(日)12:20pm開演 たましんRISURUホール 大ホールにて (立川市市民会館) 市民オペラ合唱団の出演は13:50頃の予定です。 指揮:小澤和也 ピアノ:三浦愛子 みなさま、どうぞおはこびください。 |
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2015年11月04日
パイオニア合唱団 ラストコンサート
パイオニア・ミューズ・コンサート2015 「モーツァルト/レクイエム」に出演。 (3日、東京芸術劇場) 9:30am、会場前。 前日からうって変わって抜けるような青空。 共演はパイオニア交響楽団、指揮は松岡究マエストロ。 プログラム前半は ブラームス/悲劇的序曲 ヴァーグナー/トリスタンとイゾルデより 1995年、『パイオニア交響楽団と歌う合唱団』として産声を上げたパイオニア合唱団(PHC)、そのデビューは奇しくも11月3日、曲目はモーツァルト/レクイエムであった。 当時僕はパイオニア社員であり、ごく自然な流れでPHC団員となった。 その後会社を辞め指揮を学び始めた頃、PHCは僕をトレーナーとしてあたたかく迎えてくださった。 そして2007年、ハイドン/オラトリオ「四季」で僕はPHCと共演する機会を戴いたのだった。 あのときの喜びと感動は今でも忘れられない。 そしてこの日。 わがままを言って一合唱団員としてステージに立たせていただき(もちろん練習には参加した)、感謝の思いをこめてレクイエムとアヴェ・ヴェルム・コルプスを歌う。 さまざまな思い出を脳裏に蘇らせながら。 忘れられない記憶が、またひとつ。 終演。 退場する合唱団員へあたたかい拍手を送り続けてくださった満場のお客さまにも、感謝。 |
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2015年11月01日
空腹時の救世主
ずっと以前から、お腹が空くと "性能" がガクンと落ちる体質だ。 具体的にはまず ・怠くなる 次いで ・口数が減る ・歩く速度が遅くなる ・頭の回転が鈍くなる etc. である。 さらに僕の場合は困ったことに 「お腹空いたな」と感じてからパフォーマンスが低下するまでがすぐなのだ。 「イエローゾーンがほとんど無くレッドゾーンに即突入」といったところか。 仕方なく、飴やチョコレートを持ち歩いたりしていた。 あるとき『それってブドウ糖不足だよねー』という話になり、 (ならば、ブドウ糖をダイレクトに摂取すればしのげるのかしら?) と考えた。 そして… ドラッグストアで手に入れたのがコレ。 ホントにただの "ブドウ糖"らしい。 持ち歩いて6日目の今日。 ついにその時が訪れた。 遅い昼食を15時にとり、17時半〜21時までみっちり稽古。 仕事を終え会場を出たところで…スーッと力が抜けるのを感じたのだ。 (来た!) 急いで鞄から袋を取り出し、一粒を口へ。 するとどうだろう、 あの怠さがみるみる消えてゆくではないか! かくして、僕の身体は無事レッドゾーンを脱することができたのだ。 これはもう手離せない! |
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