2015年11月07日

『プッチーニの愛人』

 
 
映画 "Puccini e la fanciulla" を観る。
(6日、イタリア文化会館)
 
 
 
邦題は『プッチーニの愛人』。
(いつものことだが原題とはニュアンスが微妙に異なる)
パオロ・ベンヴェヌーティ監督による2009年の作品。
 
トッレ・デル・ラーゴで『西部の娘』を作曲中だったプッチーニ。
1909年、その家で働いていたメイド、ドーリア・マンフレーディが自殺するというショッキングな事件が起こる。
ドーリアがプッチーニ夫人から、彼女の夫との不貞の疑惑をかけられ責められたというのが自殺の原因とされており、この映画ではその発端となったある出来事からドーリアの死までを淡々と描いたものになっている。
1909年ということは、これはスキャンダルからちょうど100年後の映画化ということになろうか。
 
登場人物たちの台詞は極力削られている。
その代わりというべきか、トッレ・デル・ラーゴの美しい風景、そしてプッチーニの甘く激しい音楽(プッチーニ自身が弾くピアノという形で表現されている)が全編を通して支配的であった。
(あとこれはまったくの余談だが、作品中のプッチーニは常にタバコをふかしている)
 
音楽に携わる者として、また一人のプッチーニ・ファンとして、この映画はなかなか楽しめた。
ただ、最後の場面(ドーリアについて言及される)でシューベルトの『死と乙女』(カルテットのほう)が流れ出すのがいささか唐突に思えた。
乙女=das Mädchen=la fanciulla という繋がりから選ばれたのだとしたら、それはあまりに単純ではないかしら…
 
ともあれ、この映画との幸運な出会いに感謝。
同時にこれは「『西部の娘』を勉強したまえ!」という天の声だったなのかもしれないな。
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 00:55| Comment(0) | 日記