2018年も残すところあと十数時間。 今年もさまざまな出会いと経験に恵まれた。 『ラ・ボエーム』(せたがや名曲コンサート)。 音楽スタッフとして改めて学ぶことの多いプロダクションだった。 新通英洋マエストロ、演出・青木真緒さん、そして素晴らしいキャストの皆さまに感謝。 オペラでは他に立川の『椿姫』、そして立ち稽古を1日だけご一緒した金沢歌劇座の『リゴレット』。 いま思い返せば一瞬の出来事のようだが、これまで手掛けたことのなかったこの作品に一週間没入することができた...やはり得難い時間であった。 作曲家ではハイドンとメンデルスゾーンに深く触れることができた。 エステルハージ家の楽長として創意に溢れた交響曲を書き続けた壮年期のハイドン。 (おおむね第40〜70番台にあたる...ただし作曲年代と番号順は一致しない) これらの作品を時系列を追って読むことにより見えてきたものは実に多かった。 恥ずかしながらこれまであまりシンパシーを感じられないまま来てしまっていたメンデルスゾーン作品。 初期の室内楽 (ピアノ四重奏曲や弦楽四重奏曲、同八重奏曲など) を集中的に聴き込んで、目から鱗が落ちる思いであった。 何という熟達の筆! メンデルスゾーン研究は今後も続ける...声楽曲、ことにオラトリオをもっと識らなければ! 音楽以外では、木下杢太郎の詩と出会えたこと、堀口大學 (僕にとっては『月光とピエロ』『月下の一群』がすべてであった) をより知ることができたこと、そしてゲーテの『エグモント』を (今さらながら) じっくり読む機会が持てたことなどが貴重な体験であった。 これらすべてのことに心からの感謝を。 みなさまどうぞ佳い新年をお迎えください。 これからもこの「音楽ノート」をどうぞよろしくお願いいたします。 |
2018年12月31日
2018年を振り返る
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2018年12月24日
祝・第50回演奏会!ホルツ・ブラス・カペーレ
横浜で活動する市民吹奏楽団ホルツ・ブラス・カペーレ。 先月、50回目の定期演奏会を開催しました。 おめでとうございます! 僕はコンサートには伺えなかったのですが、すてきな記念品とパンフレットを頂戴しました。 記念品はホルツ公式キャラクター「ひげラッパ」があしらわれたタオルとマグネット。 パンフレットには『ホルツの軌跡』と題して、1990年の創立以来の活動の記録 (力作!) がびっしりと。 創立当初は一団員として、そしてのちには指揮者として深く関わったホルツは、僕にとってやはり特別な存在。 「吹奏楽団作りたいよね!」 そんな思いで集まった十数名 (もう少し多かったかな?) で開いた設立集会、あのときの会議室の空気は今でもよく憶えている。 練習日をどのように設定するかで大いに議論したのも懐かしい。 「土曜日は仕事が」「毎日曜がすべて練習に充てられてしまうのはちょっと...」etc. それならばと提案されたのが 「“隔週の” “連続する土日” に練習を行う」 という斬新(?)な意見。 ダメ元で採用してみたところ、これが意外とうまくいったのには皆びっくり。 (現在はどのようにされているのかしら...) 固定の練習場を持たず、またいわゆる「部活動のOBOGバンド」でもないスタイルでここまで運営を続けるにはさぞご苦労も多かったことでしょう。 これは僕の想像ですが、メンバー同士の献身的な協力はもちろんのこととして、発想のしなやかさ=良い意味での「緩さ」、これらが継続の原動力となっているように思えます。 ぜひ第60回、さらには70、80回と楽しく回を重ねて行かれますように。 そして、またご一緒できる機会がありますように。 |
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2018年12月08日
Es lebe Champager der Eeeeeerste!
立川市民オペラ公演『こうもり』、 合唱団の立ち稽古がスタート。 合唱指導の先生方のもと、およそ半年間にわたって磨き上げてきた皆さんの音楽が、演出・直井研二先生による愛情とユーモアに溢れた演技指導と融合してどんな “化学反応” をみせてくれるか、今からとても楽しみだ。 『こうもり』の合唱ナンバーといえばまず思いつくのが「シャンパンの歌」、別名「ぶどう酒の燃える流れに」。 〜王も皇帝も 名誉を愛するけれど それと同じくらい好きなのが 甘いぶどうの飲みものさ〜 etc. 続いて全員で歌われるリフレインの締めが Es lebe Champagner der Erste! (シャンパーニュ1世、万歳! ) ”シャンパンが一番(the first)!“ にも掛かっている...なんとも粋な言い回し! 男女でグループを作り、グラスを持つポーズをとるだけで、合唱団の歌声が豹変する... すでに化学変化は起きているようだ。 一昨日のプローべは都合により急遽音楽稽古に変更。 でも、演出プランをひと通り学んだこのタイミングで、改めて楽譜をかっちりと確認しながら歌えたのはかえって良かったかもしれない。 スコアに書かれた強弱やテンポの緩急の指示、あるいは歌詞のほんの一言に、登場人物たちの心の機微が込められているということ。 ”声でもって場面を描く”、その領域まで到達したいというのが僕の希望だ。 (歌詞と音符だけでなく) これらのニュアンスまでぜーんぶひっくるめてモノにする、これすなわち暗譜である、と。 §立川市民オペラ公演2019 喜歌劇『こうもり』 (原語上演・日本語台詞) 2019年3月16日(土) 17:30開演 /17日(日) 14:00開演 たましんRISURUホール |
posted by 小澤和也 at 12:47| Comment(0)
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2018年12月01日
合唱団あしべと『四季の雨』
金曜日は合唱団あしべのレッスンへ。 かれこれ20年近くご一緒している女声コーラスグループである。 秋の本番 (江戸川区合唱祭) を終え、先月から新たに手掛けている唱歌『四季の雨』。 素朴な味わいの旋律、穏やかにそして情感をこめて綴られた詞をもつ美しい歌だ。 降るとも見えじ、春の雨、 水に輪をかく波なくば、 けぶるとばかり思はせて。 降るとも見えじ、春の雨。 昨日は練習の合間にふと思いついて、ダーク・ダックス&中澤桂さんの歌う同曲を聴いていただいた。 (スマートフォンとYouTubeに感謝...便利な時代になったものである) 「ダーク・ダックス、ほんとうに優しい歌声ですね」 「とっても素敵ねぇ、中澤先生」etc. メンバーから歎声があがる。 「ではもう一度歌いましょうか」 すると驚いたことに、皆さんの表情が実にいきいきと変貌しているではないか! 潜在していた表現意欲が目覚めたかのような艶やかな歌声。 まさかこんな “化学反応” が起こるとは! 歌い終えて。 「びっくりするほど上手になりましたね! ライバル意識が芽生えましたか?」 「はい...大いに刺激を受けました」(アルトHさん) 一同爆笑。 ともあれ、とても佳い時間となった。 ところがこの動画 (原田泰治さんのグラフィックデザインがこれまた美しい)、どういうわけか3番 (をりをりそそぐ秋の雨...) までしか歌われていない。 僕もうっかりそれに気付かずお聞かせしてしまった。 再生が終わってから皆さん顔を見合わせ 「“冬”も聴きたかったわねぇ(笑)」 その後、4番まで収録されているものをネット上で見つけた。 (同じアレンジだが歌っているのはダーク・ダックスのみ) 先のものよりもテンポがゆったりとしている。 次の機会にはこれをあしべの皆さんに聴いていただこうかな。 |
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