![]() きょう1月25日はヴィルヘルム・フルトヴェングラー (1886-1954) の誕生日。 最近ディスクを取り出す機会も減っていた...ひょんなことから時間もできたし、久しぶりにいろいろ聴いてみようかな。 ということで 気ままなレコードコンサート、開演。 まずは大好きなシューマン/第4交響曲から。 (ベルリンフィル、1953/5/14、セッション録音) この演奏を聴くと必ずといっていいほど思い出すのが 『作曲家の仕事が第一次的な創造であるとすれば、演奏家の仕事はいわば追創造であります。あとから創造するーナッハシェップフェンなのです』 という丸山眞男の著作中の言葉だ。 第1楽章の序奏部から終楽章コーダまで、全編に渡ってむせ返るような浪漫の香り。 スコアに様々な手を加え、ここまで濃密なシューマンの音世界を描き切ることのできた「時代」というものに対し、半ばジェラシーにも似た羨望を覚える。 (現代においては…ここまでやるにはリスクが少なくないのではないか) 60年以上前のモノラル録音から、オーケストラの無限の色彩が浮かび上がる。 続いてブラームス/第4交響曲を聴く。 世評の高いベルリンフィルとの1948/10/24ライヴ盤で。 あの有名な冒頭h音の神秘的なアウフタクトはやはり美しいと思う...しかしーこれが“ライヴのフルトヴェングラー”の語法なのだがーあっという間に加速減速を繰り返す激動の音楽になってしまうのがちと困りものである。 (個人的には嫌いでは決してない) もしフルトヴェングラーがこの曲のセッション録音を遺してくれていたら...などと考えてしまう僕は天邪鬼だろうか。 BPhのサウンドは極上、特に第2楽章再現部における弦セクションの濃密なアンサンブルは胸を打つ。 ![]() 3曲目はフルトヴェングラー/第2交響曲。 1951/11-12月、ベルリンフィルとのセッション録音。 正直なところこれまでしっかりと聴き通したことはほとんどなく、もちろんスコアも所持していない。 今回も「気ままに」いくことに。 作風はブルックナー、ブラームス、マーラー等独墺系ロマン派シンフォニストからの影響大。 (シベリウスも含めて良いかも) 形式としては古典的な4楽章形式の中に、ベートーヴェンの「苦悩から勝利へ」というプロットに近いものが描かれている。 これが第二次世界大戦末期〜指揮活動禁止期の彼の脳裡に響いていた音楽だったのだということを思うと...感無量である。 気分がすっかり重くなってしまった。 モーツァルト/グラン・パルティータを聴きながらお開きとしよう。 1947/11-12月、ウィーンフィルメンバーとのセッション録音。 |
2019年01月25日
フルトヴェングラーの誕生日に
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0)
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2019年01月13日
『瀬戸の花嫁』小考
あまりに唐突だが... 小柳ルミ子の『瀬戸の花嫁』が大好きだ。 (山上路夫作詞/平尾昌晃作曲) 昭和47年のヒット曲である。 旋律はもちろんのこと、歌詞もフルコーラス完全に憶えている。 バックの伴奏 (当然ながらあの頃は “打ち込み” なんてものはなかった) も心がこもっていてとても素晴らしい。 海鳥の鳴き声のような効果音、裏メロのヴァイオリン...etc. なかでも特に好きなのが イントロ〜Aメロ部で毎4拍目に入る「トゥ ![]() ![]() もしこの曲を演奏する機会があったら (まずないだろうが)、ぜひこのパートをやりたい! でも... 何の楽器か分からない(苦笑) そこで「瀬戸の花嫁 4拍目」でインターネット検索してみたところ、 ...出てきた! (スゴイぞGoogle!)。 確証はないが、コンガによるムースコール “moose call” という特殊奏法のようだ (直訳すると“ヘラジカの鳴き声”)。 南の島を思わせる、どこか長閑なこの「トゥ ![]() ![]() ![]() ところで... この歌のもつ “純粋さ” はどこから来るのだろう? 少し考えて...気づいたことがある。 (勿体ぶって言うほどのことでもないが) メロディの出だしをハ長調のドレミ〜で、拍子もリズムも一切無視して書いてみよう。 ミファソ ソラミソ ドレミミレドシ ラシドドシラソ ファミレレシラソ etc. この調子で1コーラス目の終わりまですべて “全音階” のみで書けるのだ。 (ソ♯やシ♭などの音が一切出てこない...ピアノの白鍵だけですべて弾ける、と言い換えてもよい) この旋法的な単純さがこの曲の “混じり気のない美しさ” に繋がっているのではないかと感じるのである。 |
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2019年01月02日
本年もよろしくお願い申し上げます
明けましておめでとうございます。 本年がみなさまにとって幸多き一年となりますように。 ![]() (文芸の神様、弁財天) 本年の私のテーマは「己」。 これまでにも増して “己の意に忠実に” 歩んでゆく所存です。 今後とも「音楽ノート」をどうぞよろしくお願い申し上げます。 平成31年元日 小澤和也 |
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| 日記