2019年07月16日

拙編 ドーデー/アルルの女 (2/2)

 
前回投稿のつづきです。
 
 
ドーデー『アルルの女』(1872)
全3幕5場からなる戯曲
 
【主な登場人物 (再掲)】
§フランセ 
(カストゥレの農家の老主人。フレデリの祖父)
§バルタザール
(フランセの農家に長く仕える羊飼いの老人)
§フレデリ
(農家の若主人。フランセの孫)
§ローズ
(フランセの息子の嫁でフレデリ&リノサンの母親)
§マルク
(ローズの兄。船乗り)
§リノサン
(フレデリの弟。白痴)
§ミティフィオ
(馬の番人。アルルの女の情夫)
§ルノーばあさん
(カストゥレの近くに住む老婆。バルタザールのかつての恋人)
§ヴィヴェット
(ルノーばあさんの孫娘、ローズは彼女の代母)
 
 
【第2幕第2場】カストゥレ農家の台所
 
[♪No.15: 間奏曲]
・第1景
マルクと水夫が早朝の狩に出かける支度をしているところへローズがやってきて、大切な話があるから行かないで頂戴、と告げる。楽しみにしていた狩をお預けにされて不満顔のマルク。
 
・第2景
そこへヴィヴェットがやってくる。6時の船で祖母の待つ村へ帰るとのこと。朝食の準備が間に合わず慌てる彼女にマルクは『そいつは俺が引き受けた』と親切に応対する。船の座席を取るためにヴィヴェットは急ぎ出てゆく。
 
・第3景
マルクの独白。『陽気で誰にでも優しいあの娘が行ってしまうなんてほんとに残念だ...ベル・アルセーヌ号(マルク所有の船)の甲板を、ああいう可愛い、小鳥みたいな娘っ子が飛びあるくの、悪かあない!』
 
・第4景
バルタザールがやってきて、長靴を履いたまま懸命に火を起こしているマルクをからかい、マルクも罵り返すが、そこではたと気づく。『そうか!お前も招ばれたんだね?...今朝、家のものの寄合いがあるらしいんだよ...』
 
・第5景
フランセとローズも加わり家族会議が始まる。ローズはフランセに、このままではフレデリが傷心の苦しみのうちに死んでしまう、アルルの女との結婚を許してやりたいと訴える。家の名誉を重んじるフランセは大反対。バルタザールも『あばずれをこの家に入れるなんて!』怒りのあまり暇乞いをするバルタザール、それを止めようとするフランセ、出たければ出て行けばいいとローズ。バルタザールは続ける。『この家には長いこと一家を導く主人がいない』
 
・第6景
フレデリが台所へ下りてくる。ローズは息子に『お前、死んじゃいけない、アルルの女がどんなひどい女でもいいから嫁にお貰い...』と告げる。フレデリはその言葉に深く感動する。『許してくれるんですね、お母さん...』しかしフランセはじめ一同の顔色を見てさらに言葉を継ぐ。『いいえ、いけません...私はあの女を貰いません...うちの名を名乗らせる女はそれにふさわしい女だけです...』
 
・第7景
折しもそこへ、ヴィヴェットが船着場から戻ってくる。フレデリは彼女を引き寄せ『お祖父さん、どうです?この子なら、うちの娘と呼んでも恥ずかしくはないと思いますが...ヴィヴェット、私の心の悩みを癒す女になってくれないか?』嬉しさのあまり言葉を失うフランセとローズ。ローズの胸にすがるヴィヴェット。バルタザールは啜り泣きながら『よく言ってくれた、神様がきっと祝福してくださるよ!』
[♪No.16: フィナーレ(フレデリとヴィヴェットの愛のモティーフ)]
 
 
[♪No.17: 間奏曲(メヌエット)]
【第3幕第1場】カストゥレの農家の前庭
 
[♪No.18: 間奏曲(カリヨン)]
・第1景
聖エロワの祭りの日。フレデリとヴィヴェットの婚礼を控え、花々で飾られた前庭。忙しく立ち回る召使達とそこへやってきたバルタザールが言葉を交わしている。『羊に囲まれて幸せに一生を終えたい...これがわしの星回りさ』とバルタザール。
 
・第2景
マルクが登場。これからルノーばあさんがここへやってくると聞き、彼女とは昔いい仲だったのだろう?とバルタザールに冗談半分で水を向けるが、バルタザールは激怒する。『その話だけは禁物だ!ちょっとでも言ってみろ、承知しないからな!』
 
・第3景
[♪No.19: メロドラマ〜ルノーばあさんのモティーフ]
フレデリとヴィヴェット、フランセ、ローズそしてルノーばあさんらが盛装して入ってくる。久々に訪れたカストゥレの農家のあちらこちらを懐かしく眺めるルノーばあさん、そしてバルタザールとの久々の再会。長い抱擁...二人は思い出を語り合う。
[♪No.19: メロドラマ〜バルタザールとルノーばあさんの愛のモティーフ]
 
・第4景
ヴィヴェットはフレデリが今でもアルルの女のことを忘れていないのではと密かに気にかけていた。それが例の手紙のせいだと知ったフレデリは彼女に空っぽの上衣のポケットを見せる。『手紙はバルタザールが今朝返しに行ったよ』『嬉しい!』フレデリはヴィヴェットを抱きしめる。
[♪No.20: メロドラマ(フレデリとヴィヴェットの愛のモティーフ)]
 
・第5景
そのときミティフィオがバルタザールのところへやってくる。彼は今夜アルルの女をさらって逃避行に出るつもりだとバルタザールに告げる。そのやり取りを物陰から目にしたフレデリは逆上、槌を手にミティフィオに襲いかかる。フレデリに飛びつくバルタザール。『放せ、まずあいつだ。それからアルルの女だ』ローズが二人の間に割って入る...そこへ松明の灯り、聖エロワ!聖エロワ!と叫びながら庭へと入ってくるファランドールの一隊...歌と太鼓、そして踊り。
[♪No.21: ファランドール]
 
 
【第3幕第2場】養蚕室
 
[♪No22: 間奏曲]
・第1景
中庭では婚約の祝宴が続いている。
[♪No.23: 合唱(三人の王の行列、ファランドール)]
中に納屋や養蚕室、子供部屋のある高い塔の建物の一室にひとり佇むローズ。彼女だけはフレデリの異常に気づいていた。『今夜も寝ないで見張らなくちゃ...』
 
・第2景
そこへフレデリが現れる。ローズは息子の本心を聞き出そうとするが、フレデリは話をはぐらかしてしまう。『何でもないんだよ...俺はただ忘れようとしてるんだ』彼は寝室へと戻ってゆく。
 
・第3景
ローズの独白。『かわいそうに...あの恐ろしい恋が、まだあの子を離さないのだ...女は行ってしまった。それであの子は死のうとしているのだ...』『子供ってものはなんて恩知らずなんだろう!...ああ!母親って惨めなもの...何もかもくれてやって、何も返しては貰わないのだ...』
[♪No.24: 合唱(三人の王の行列)]
 
・第4景
そのときリノサンが寝室から出てきて、今夜は何もなさそうだよとローズに伝える。
[♪No.25: メロドラマ(白痴のモティーフ)]
部屋でのフレデリの様子などを語るリノサン。彼はもうイノサンではなかった。すっかり智慧づいた彼の顔を驚きのあまりじっと見つめるローズ。『お母さん、あたいの名はジャネだよ...この家にはもうイノサンはいないよ』
 
・第5景
ふたたびローズひとり。『この家にはもうイノサンはいない、って?もしそのために不幸が起こったら...いや、神様は子供を一人返してくださって、別の子供を取り上げるなんてことはなさらない...』ローズは寝室へ入ってゆく。
[♪No.26: メロドラマ(ローズのモティーフ、フレデリの苦悩のモティーフ)]
 
・第6景
午前3時。『夜が明ける...山羊は一晩じゅう闘った。そして暁け方に...』半狂乱のフレデリが現れる。『あの男に抱かれている女の姿が見える...ああ!いまいましい幻!』そう呟くと納屋へ向かう階段を上がって行く。『フレデリ!どこへ行くの?』『あれが聞こえない?あいつがあの女をさらってゆく...待ってくれ!』『開けておくれ、フレデリ!...お前と一緒に死なせておくれ!』懸命に戸を叩くも開かない。ローズは狂ったように階下へ走り窓を開け、恐ろしい叫び声をあげて倒れる。
 
・第7景
リノサンがローズのそばに跪く。『お母さん!お母さん!』駆けつけて庭を見たバルタザール『ああ!...』やってきたマルクに『あれをごらん!恋で死ぬ男もいる!...』
[♪No.27: フィナーレ(フレデリの苦悩のモティーフ)]
 
ー 幕 ー
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 08:14| Comment(0) | 日記