2019年08月28日

ケルテス生誕90年

 
きょう8月28日は
イシュトヴァン・ケルテスの誕生日。
1929年生まれ (ドホナーニ、ハイティンクらと同年) であるから、今年で生誕90年ということに。
 
 
最近入手したCDをじっくりと聴くことにする。
 
 
ドヴォルザーク/チェロ協奏曲ロ短調
ピエール・フルニエ独奏
スイス祝祭管弦楽団
(1967. 8.16. ルツェルン音楽祭ライヴ)
 
 
ケルテスはこの曲をセッション録音していないのでこれが初音源となる。
ドヴォルザークは言うまでもなく彼にとって得意のレパートリー。
第1楽章冒頭、独奏チェロが入ってくるまでの3分間余り、ケルテスの棒のもとでの管弦楽が実に雄弁だ。
ケルテスは特に何か変わったことをしているわけではないのだが、よく聴くと細かなアゴーギクを駆使しており、しかも楽節ごとのテンポの移行が実にスムーズなのである。
 
フルニエの弾くドヴォルザーク、僕はこれまでクーベリック(1954年)、およびセル(1962年)と共演したセッション録音を聴いているが、このライヴ盤では当然ながら一層闊達で熱のこもった演奏を繰り広げている。
そして、それに見事に寄り添っているケルテスの棒の巧みさ!
 
ケルテスはほんとうに “合わせ物”が上手い!!
 
 
CDケース内に収められている2ショット。
共演時のものとすればフルニエ61歳、ケルテスはもうすぐ38歳、ということになる。
 
 
「プラハ」「ジュピター」、ベートーヴェンの奇数番交響曲、シューマンの交響曲 etc.
ケルテスで聴いてみたい曲はまだまだたくさんある。
英BBC、あるいはイスラエルあたりに録音テープが眠っていないものかしら...(´-`*)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 22:58| Comment(0) | 日記

2019年08月20日

ご来場御礼

 
 
 
東京農工大学グリークラブ 第39回演奏会、
おかげさまで無事終演しました。
(8月11日、小金井宮地楽器ホール)
 
 
 
第1ステージ:
男声合唱組曲『秋の瞳』(八木重吉/松下耕)
 
第1曲「貫ぬく 光」冒頭の和音が決まった瞬間に僕はこのステージの成功を確信した。
学指揮K君、GJ!
 
 
第2ステージ:
女声合唱組曲『ねこに こばん』(まど・みちお/大田桜子)
 
少人数ながらホールの美しい残響を味方につけ、清々しい歌声を聞かせてくれた。
学指揮Sさん、そしてピアノの後藤佐和子さん、ありがとう。
 
 
第3ステージ:
女声合唱のための『湖国うた紀行』(松下耕)
 
実にチャレンジングな選曲であった。
特に「甲良の子守歌」と「船おろし歌」は作品全体を俯瞰するのが難しく、曲の “かたち” を掴むのに皆苦労していた。
それでもコツコツと積み重ねつづけ、変化が見え始めたのは演奏会一週間前...ここからの進化は凄かった!
本番での彼らの自信に溢れた歌声は僕への最高のプレゼントのように思えたのである。
 
 
第4ステージ:
さくらももこの詩による無伴奏男声合唱曲集『ぜんぶ ここに』(さくらももこ/相澤直人)
 
曲想、そして詩の味わい、いずれもが今年の農工グリーメンのキャラクターにぴたりとはまった...まさに選曲の勝利!
稽古を重ねるごとにメンバーがこの歌を好きになってゆくさまが手に取るように感じられた。
本番中、(ああ、おわりたくないな) と思いながら終曲「自分のほんとう」を振った...こんな感覚は農工グリーの演奏会では久しぶりのことである。
 
 
 
 
恒例(?)、
演奏会のしおりに記された「当日の持ち物」。
今年はさらにグレードアップしていた!
(3行め)
 
 
 
指揮者楽屋のすぐそばに給湯スペースがあるのを知り、今回はセット一式を持ち込んだ。
〜開演20分前、
楽屋でもマイドリップコーヒーでリラックス〜
 
 
 
舞台監督Tさん、ヘルパーチーフYさんはじめ、この演奏会を支えてくださった皆さま、ありがとうございます。
そして、酷暑の中ご来場くださいました皆さまにも心より御礼申し上げます。
 
 
今後とも東京農工大学グリークラブをどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 
posted by 小澤和也 at 23:23| Comment(0) | 日記

2019年08月17日

ペーテル・ブノワの誕生日に

 
 
きょうはフランデレンの作曲家ペーテル・ブノワの誕生日。
(1834/08/17-1901/03/08)
 
世代としてはブラームス (1833-97) とほぼ同じ、ベルギー生まれということではセザール・フランク (1822-90) と同郷。
その後半生をアントウェルペンでの音楽教育に捧げたため、作曲家としてはほとんど忘れられている...母国ベルギーにおいてですら。
 
ブノワは生涯のうちに幾度となく作風を変え、最終的には啓蒙的・国民主義的なスタイルとなった。
それゆえ、純粋な芸術性や普遍性に乏しいという印象がどうしても拭えない。
しかし、そこへ至る以前、特に30歳代初め頃までに書かれた作品はもっと知られてよいと思うのだ。
特に1858-63年作曲の『宗教曲四部作』は素晴らしいツィクルスである。
 
これまで、市販されている音源は非常に少なく、僕の把握している限り第2曲「盛儀ミサ」および第4曲「レクイエム」が各1種類あるだけであった。
 
『盛儀ミサ』
ラハバリ指揮 BRTNフィル&合唱団
 
『レクイエム』
ルールストレーテ指揮 コルトレイク室内管&合唱団 (LP)
 
そこへ今年、画期的なディスクがリリースされた。
 
『宗教曲四部作・全4曲』
デ・ワールト、ブラビンス&デ・フリーント指揮 アントワープ響、オクトパス交響合唱団他
(2013-17年 コンサートライヴ)
 
Royal Flemish Philharmonic (アントワープ響の旧名称) レーベルの自主制作盤。
 
第1曲『クリスマス』および第3曲『テ・デウム』に関してはおそらく初音源だ。
これを機に、多くの人々の耳に届いてほしいと願うばかりである。
 
Gefeliciteerd met je verjaardag, Peter!
 
posted by 小澤和也 at 23:54| Comment(0) | 日記

2019年08月10日

演奏会のごあんない

 
久々に専フィルに客演します。
プログラムはいずれも美しいメロディに溢れた名曲ばかり。
みなさま、どうぞお運びください。
 
 
§専修大学フィルハーモニー管弦楽団
§第47回定期演奏会
 
2019年12月13日(金) 開演時間: 未定
カルッツかわさき (川崎市スポーツ・文化総合センター) 大ホール
[川崎駅/京急川崎駅 下車]
 
ヴェルディ/歌劇「ナブッコ」序曲
ビゼー (ギロー編)/「アルルの女」第2組曲
カリンニコフ/交響曲第1番
 
専修大学フィルハーモニー管弦楽団
小澤和也 (指揮)
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 09:00| Comment(0) | 演奏会情報

2019年08月07日

カリンニコフ(4) 『弦楽のためのセレナード』

 
§弦楽のためのセレナード
 
作曲:1891年
初演:1893年1月26日、モスクワ
演奏時間:約9分
 
1891年、音楽演劇学校在籍中の作品。
(カリンニコフ25歳)
初演は音楽演劇学校の記念祭において作曲家自身の指揮、学生オーケストラにて初演された。
セレナードとしての特色は、冒頭に奏でられるピツィカートによって箴言のように現れ、叙情的でエレジー風ないくつかの旋律主題 (それらは互いに補完的でほとんど対照をなさない) が幅広く流れてゆく。
(CD解説書より拙訳)
 
 
楽曲の構成をもう少しだけ詳しく記してみる。
(25-61 などの数字は小節番号を、カッコ内の数字は小節数を表す)
 
 
Andantino, ト短調, 3/4拍子
 
1) 序奏部...1-8 (8)
2) 部分A (主要主題部)...9-24 (16) 
※繰り返し有り
3) 部分B (第一副主題部)...25-61 (37)
4) 部分A’ (主要主題部回帰)...62-76 (15)
5) 序奏部回帰...77-84 (8)
6) 部分C (第二副主題部)...85-116 (32)
7) 部分A” (主要主題部回帰)...117-147 (31)
8) コーダ (序奏部回想と結尾)...148-160 (13)
 
全体は上のように8つの部分からなる。
序奏部の楽想を要所に挟んだロンド形式 (A-B-A-C-A-コーダ) と見てよいだろう。
 
 
序奏部は前述の通り、弦のピツィカートによってシンプルに、しかし印象的に始まる。
主要主題は一本の明確な旋律線というよりは、ヴィオラ〜第2ヴァイオリン〜第1ヴァイオリンがフレーズを受け渡しつつ織りなす “音の綾” だ。
これまで聴いてきた『ニンフ』『組曲』のどのメロディよりも甘美な、独特の艶やかさをもった歌である。
(これら2曲との違いは何だろう...)
答えはすぐに分かった。
『ニンフ』や『組曲』では主に自然短音階
(ト短調なら ソ-ラ-シ♭-ド-レ-ミ♭-ファ-ソ) 
を用いてロシアの大地の香りを醸し出していたのだが、この主題はいわゆる旋律短音階
(ソ-ラ-シ♭-ド-レ-ミ-ファ#-ソ/ソ-ファ-ミ♭-レ-ド-シ♭-ラ-ソ)
が使われているのだ。
 
第一副主題は変ロ長調、ほのかな明るさを帯びた旋律がチェロを中心にのびやかに奏でられるが、主要主題の影が消えることはなく、ほどなく自然な流れのうちに最初のテーマが戻ってくる。
続いて現れる第二副主題は変ホ長調で始まるが、調性的にはかなり流動的である。
この部分Cの特徴はところどころに挿入されている変拍子であろう。
これによりあたかも「不意に立ち止まりーーまたおずおずと歩き出す」ような、どことなく淋しく不安げな表情が描かれているようだ。
 
三たび主要主題が 〜今度はト長調で〜 回帰、音楽は新たな展開へ向かうと思わせるがそれも長くは続かず、元のト短調でいま一度繰り返され最後のクライマックスを迎える。
その頂点では序奏部の音型がarco (弓奏) により「心に秘めた叫び」のように奏でられ、やがて遠ざかるように全曲を閉じる。
 
 
国民楽派的な語法が色濃く現れている『ニンフ』『組曲』に比べ、西欧風・ロマン派的な響きの要素をもった佳曲である。
もっと広く知られてよい作品だと思う。
posted by 小澤和也 at 09:27| Comment(0) | 音楽雑記帳