2019年10月22日

合唱団あしべの皆さんと

 
第41回 江戸川区合唱祭に
合唱団あしべの皆さんと出演した。
(10月20日、船堀タワーホール 大ホール)
 
今年の曲目は
§ 四季の雨 (文部省唱歌)
§ はたおりむし (新実徳英)
§ いのちの記憶 (二階堂和美)
 
 
昨冬から歌い始めた「四季の雨」。
素朴な味わいの旋律、そして情感のこもった歌詞があしべの声にぴったりではないかしらとずっと思っていた曲である。
 
「(歌の中で) はたおりむしが弾いてた楽器、何だと思われますか?」
レッスン中にこう尋ねたことがあった。
メンバーの意見は「ヴァイオリン」でほぼ一致。
(もちろん僕も)
「ではここの “たーらっららー...” のくだり、ヴァイオリンの節回しみたいに歌ってみましょうか」
その日から歌が急に良くなった。
〜あの瞬間はほんとうにうれしかったなあ...
 
映画『かぐや姫の物語』のエンドロールで流れる「いのちの記憶」も、一聴して (あしべで歌ってみたい!) と直感した歌。
技術的には難しいポイントがいくつもあったが、メンバーの詞への想いの強さがそれらを充分補ってくれていたように思われる。
 
 
ステージを無事終えて、満面の笑顔。
 
あしべ指導陣の貴重な(?)3ショット!
ピアノ平岡祐子さん(左)、ヴォイストレーナー・ソプラノ坂野早苗さん(中央)
 
 
あしべのステージを聴いてくださった別の合唱団の先生からあたたかいお言葉を頂戴した。
打ち上げの席でそのことを伝えると、一斉に「うわぁ!」と歓びの声が上がったのだった。
こうした心の震えと交流が、今後のさらなる励みに繋がるのだろうと確信している。
同時に...
この数ヶ月の努力が報われた瞬間でもあった。
 
 
 
あしべの皆さん、ほんとうにお疲れさまでした、そしておめでとうございます!
次週からまた新しい曲で、楽しく歌いましょう。
posted by 小澤和也 at 19:36| Comment(0) | 日記

2019年10月19日

立川市民合唱祭のご案内

 
立川市民オペラ合唱団と
第45回立川市民合唱祭に出演します。
曲目は、来春の公演に向けて目下取り組んでいるプッチーニ『トゥーランドット』より第1幕抜粋です。
その他、コーラスをこよなく愛する市内の合唱団・グループの皆さんが多数出演されます。
 
2019年10月27日(日) 12:20開演
たましんRISURUホール 大ホールにて
 
市民オペラ合唱団の出演は15:00頃の予定です。
お近くのみなさま、
ぜひお運びくださいませ!
posted by 小澤和也 at 00:50| Comment(0) | 演奏会情報

2019年10月08日

コーヒーを買いに

 
根を詰めてデスクに向かっていると時間の経過が早い。
気晴らしを兼ねて、コーヒーを買いに自転車で出かける。
 
 
いつも気さくなマイスターがメキシコ/クルスグランデを淹れてくださった。
ああ...美味しい...
 
 
これまでに何度か買い求め、家で飲んでいるメキシコだが、この風味がどうしても出ないのだ。
 
 
店内のBGMはこの日もバッハ。
お馴染みの旋律が時折流れるのだが、大半は初めて聴く曲だった。
「何をかけていらっしゃるんですか?」
と尋ねると、マイスターはにっこりと笑って
「これです」
 
 
『アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳』だった。
〜こんなにチャーミングな曲集だったのか〜
子供らの教育目的で、また家庭での愉しみのために書かれたものだそうだが、聴いていて実にゆったりとした気分になれる。
 
 
「どうぞ...皮ごとお召し上がりになれます」
マイスターが葡萄を出してくださった。
 
 
鮮やかな黄緑色!
さっそくひと粒頬張る。
甘くて、瑞々しくて、自然と顔がほころんでしまう。
品種名を伺ったのだが...忘れてしまった。
 
 
きょう買い求めたのは上のメキシコと、もう一つ「エチオピア/イルガチェフェ」。
念入りに焙煎され選別された粒ぞろいの豆たち。
マイスターのこだわりが感じられる。
 
 
 
コーヒーとバッハと葡萄と。
ささやかな幸せに溢れたひとときだった。
 
 
さてと...
これを書き終えたらメキシコを淹れるとしよう。
 
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 22:37| Comment(0) | 日記

2019年10月01日

カリンニコフ(6): 悲しき歌

 
 
§ 悲しき歌  Chanson triste
 
作曲: 1892-93年
出版: 1901年、“ピアノのための4つの作品” の第1曲として
 
 
全24小節、2分足らずの可憐な小品。
4分の5拍子という珍しい拍子で書かれているが、終始 <3拍子+2拍子> という一定の周期の中での揺らぎであり、むしろある種の心地良さを感じる。
ギターや歌を好み、ヴァシリーの音楽的才能を目覚めさせた彼の父親に献呈された。
 
 
[第1-8小節]
昔語りのようなト短調の美しい旋律。
自然短音階的に上下行し、その表情は淡く静かな憂いを湛えている。
一方これを支える伴奏のハーモニーは和声的であるため、ところどころハッとするような瞬間が現れる。
(例えば第4小節の4-5拍目、および第8小節1-2拍目など)
 
 
 
[第9-16小節]
メロディの起伏がやや大きくなり、カリンニコフ作品の特徴でもある巧みな和声の運び (変ホ長調→ハ短調→ト長調)ともあいまって音楽は一瞬高まりを見せるが...それも束の間。
主調であるト短調のドミナント (属音) 上に落ち着き、はじめの旋律が回帰する。
 
 
[第17-21小節]
“pp  mezza voce”(ピアニッシモ、半分の声量で) でもって冒頭の旋律が繰り返され、静かに曲を閉じる。
 
 
 
《カリンニコフの交響曲からは彼の病苦の痕跡が全く見られない。ピアノの前でだけ、彼はその胸中を吐露することができたのだった》
《彼のピアノ作品は野に咲く花のようである。シンプルでチャーミング、そしてあれこれと声高に主張することがない》
 
(「ロシア・ピアノ曲集/リャプチコフ」CD解説より自由に引用させていただきました)
 
 
 
 
posted by 小澤和也 at 16:03| Comment(0) | 音楽雑記帳