山枡信明テノールリサイタル 2014 へ。 (15日、横浜みなとみらい小ホール) 今回も、魅力的なプログラム。 ・シューマン/リーダークライス op.39 ・ブラームス/歌曲集 ・平井康三郎/歌曲集 ・マーラー/さすらう若人の歌 中でも、シューマンがとっても楽しみ。 シューマンの歌唱に先立って、『子供の情景〜第1曲 よその国と人々について』が小林周子さんのピアノで演奏された。 リーダークライスの第1曲『異郷にて』へ向けて気分を繋げてゆく、何ともチャーミングな計らい。 そして山枡さんの歌が始まる。 歌に寄り添うピアノが単なる伴奏でなく、協奏あるいはほとんどアンサンブルの如くに聴こえるような絶妙のバランスに思わず息を飲む。 "鳴らして" しまいさえすれば声(のパート)は容易に客席へと届くのだろうが、山枡さんはあえてその方法を採らない。 op.39、僕の大好きな作品だ。 『静寂』『月夜』など、単独で歌われるナンバーも多いこの曲集だが、こうして全12曲を通して聴くことにより、アイフェンドルフの詩のもつ独特の味わいがより際立つ、そんな貴重な体験であった。 その他の演目ではマーラー『さすらう若人の歌』も素晴らしかったが、この日の僕の中でのもう一つの収穫はブラームスかもしれない。 彼のリートをこんなに "わくわくして" 聴いたのはおそらく初めてだったろう。 山枡さんの繊細な表現、そして字幕を目にしているかのようにクリアに浮かぶ言葉たち。 シューマンとは一味ちがう、「楷書体のロマンス」とでも言ったようなブラームスの情感を堪能した。 山枡さん、 ご盛会おめでとうございます。 素敵な時間をありがとうございました。 |
2014年08月21日
山枡信明さんのシューマン
posted by 小澤和也 at 22:52| Comment(0)
| 日記
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