2015年07月31日

冬の旅

 
テノール・山枡信明さんの歌うシューベルト『冬の旅』ゲネプロを拝聴する。
(かながわアートホールにて)
 
ホルツブラスカペーレとの練習でよく利用したアートホール…懐かしい。
 
会場の第1スタジオ。
 
ホールで聴くのとはまたひと味違い、歌手の息遣いやピアニストの表情を肌で感じられるような、贅沢な空間。
 
『冬の旅』は全24曲の連作歌曲集。
曲間の間(ま)の取り方や調性の選択(しばしばキーを上げる必要が生じる)は考え抜かれ、しかも極めて自然であった。
特に親しみのある曲の場合、えてして移調が気になるものだ。
個人的には第5曲「菩提樹」がそれ。
山枡さんはオーソドックスに長2度上げ、ホ長調を嬰へ長調にして演奏された。
僕のイメージとしては「木陰がより天国に近づいた」ような印象に。
 
僕はこれまで、この『冬の旅』を聴く際にはバス・バリトンを無意識のうちに選んでいたような気がする。
そのほうがなんとなく合うように思えたのだ。
でも今日、山枡さんの声でこれを体験し、改めて
【この、さすらいの旅[=死]へ向かう主人公は…若者なのだ!】
と気付かされたのだった。
(実に月並みな感想だが)
 
ピアノの小林周子さん、いつもながら素晴らしい伴奏…否、協奏というべきだろう。
あるときはハープ、またあるときは管弦楽、オルガン、そして最後はライアーのように。
 
全曲を聴き終えての感想は…
まだちょっと言葉にならない。
ただそれは、シューベルト(&ミュラー)のこの作品へ向けて注いだ、山枡さんと小林さんによる「追創造」(単なる再現でなく!)の瞬間であったと思う。
 
音楽って、素晴らしい。
 
 
posted by 小澤和也 at 23:37| Comment(0) | 日記
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