本日11月30日は名指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの命日。 すっかり恒例となった「メモリアルデーにCDを引っ張り出して聴く」儀式、今回選んだのはブラームスの第1交響曲。 ウィーンフィルとの録音 (1947年11月) である。 ここ数年、WFのディスクの中で好んで聴くのはもっぱら彼のセッション録音だ。 「ライヴこそWFの真骨頂!」「WFのセッション録音は不完全燃焼」などとよく言われるが、そうとも限らないと僕は思う。 重さと濃さを強く感じさせる第1楽章。 アゴーギクは遅くなる方向へのみ働く。
唯一の例外が再現部ラストのaccelerando。
第2楽章に入っても、遅く張り詰めたテンポ感は変わらない。 再現部直前でさらに速度を落とす...ほとんど停止寸前まで。 第3楽章、ここでようやくcomodoな気分となるが、コーダで音楽はやはり沈み込む...空に憧れつつも。
そして第4楽章へ。
序奏部のテンポ操作が実に理知的、例のトロンボーンのコラールは霊妙な美しさ。
Allegroに入っていよいよWF節! ただし節度を持って。
ライヴ録音と異なり、劇性を殊更に強調することはないが、指揮者の意志の力が強く張り巡らされている。 オーケストラのサウンドからもWFの「ブラームス観」が伝わってくるかのよう。 繰り返し聴くに値する演奏ではないだろうか。 彼のレコードを聴き始めてから三十余年。 まだまだ「追っ掛け」続けたいと思う。
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2016年11月30日
フルトヴェングラー没後62年
posted by 小澤和也 at 23:20| Comment(0)
| 日記
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