2017年01月19日

恋の鳥

 
 
 
新潮文庫の北原白秋詩集を読んでいて、『恋の鳥』という詩を見つけた。
 
  捕らへて見ればその手から、
  小鳥は空へ飛んで行く、  etc.
 
ん?...これは!
カルメンの歌う『ハバネラ』そのものではないか!
調べるとすぐに分かった。
大正8 (1919) 年1月、芸術座が上演した『カルメン』の劇中歌とのこと。
作曲は中山晋平、歌ったのは芸術座の看板女優・松井須磨子である。
神西清氏の巻末解説によれば、「歌劇『カルメン』の英訳本から意訳したものだそう」だ。
七五調の、リズミカルで洒脱な詩になっている。
 
その他、この本には載っていないが『煙草のめのめ』『酒場の唄』といった劇中歌も書かれているらしい。
オペラの中で女工達が歌う所謂『けむりの歌』、リーリャスパスティアの薄暗い酒場の光景が浮かんでくる。
どんな内容なのだろう...?
 
 
恋の鳥
ー『カルメン』の唄よりー
(カルメンのうたふ小曲)
 
捕らへて見ればその手から、
小鳥は空へ飛んで行く、
泣いても泣いても泣ききれぬ、
可愛い、可愛い恋の鳥。
 
たづねさがせばよう見えず、
気にもかけねばすぐ見えて、
夜も日も知らず、気儘鳥、
来たり、往んだり、風の鳥。
 
捕らよとすれば飛んで行き、
逃げよとすれば飛びすがり、
好いた惚れたと追つかける、
翼火の鳥、恋の鳥。
 
若しも、翼を擦りよせて、
離しやせぬとなつたなら、
それこそ、あぶない魔法鳥、
恋ひしおそろし、恋の鳥。
 
(詩集より引用させていただきました)
posted by 小澤和也 at 12:35| Comment(0) | 日記
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