2017年11月28日

バチカンに響いた『花は咲く』

 
NHKテレビで放送された「バチカンに響く花は咲く」を視聴。
この10月にバチカン・日本の国交75周年を祝う記念ミサが執り行われ、その中で『花は咲く』が歌われたのだそうだ。
 
僕自身このメロディを聴くたびに (あるいは想像するだけでも)、“あのとき” のさまざまな記憶が呼び起こされる。
そして常に “忘れまじ” という堅い決心と遣り場のない哀しみとがないまぜになった、どうしようもなく切ない気持ちでいっぱいになるのだ。
 
 
ビカリアート聖歌隊の歌声が流れ出す。
サン・ピエトロ大聖堂の豊かな残響、その中で
ゆったりととられたテンポ。
まさに「祈りの音楽」だ。
コーラスに寄り添うオルガンも、心のざわめきをすべて取り去ってくれるかのような清らかな響き。
テキストはオリジナルの日本語。
おそらくは
“Ma-scilona, juchimici-ni,
  Halukase, kaolu...” etc.
のようにルビが振られていたに違いない。
とはいえ発音はイタリア語式であるから、人→いと、励ましてる→あげましてる、そして何といっても花→あな になってしまうのは致し方ないところだろう。
 
このように、僕らのよく知るそれとはいささか趣を異にする『花は咲く』ではあったが、僕の心は静かに、しかし深く揺さぶられた。
声そのものの持つ “力“ を聴いた気がする。
 
 
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0) | 日記
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