NHKテレビで放送された「バチカンに響く花は咲く」を視聴。 この10月にバチカン・日本の国交75周年を祝う記念ミサが執り行われ、その中で『花は咲く』が歌われたのだそうだ。 僕自身このメロディを聴くたびに (あるいは想像するだけでも)、“あのとき” のさまざまな記憶が呼び起こされる。 そして常に “忘れまじ” という堅い決心と遣り場のない哀しみとがないまぜになった、どうしようもなく切ない気持ちでいっぱいになるのだ。 ビカリアート聖歌隊の歌声が流れ出す。 サン・ピエトロ大聖堂の豊かな残響、その中で ゆったりととられたテンポ。 まさに「祈りの音楽」だ。 コーラスに寄り添うオルガンも、心のざわめきをすべて取り去ってくれるかのような清らかな響き。 テキストはオリジナルの日本語。 おそらくは “Ma-scilona, juchimici-ni, Halukase, kaolu...” etc. のようにルビが振られていたに違いない。 とはいえ発音はイタリア語式であるから、人→いと、励ましてる→あげましてる、そして何といっても花→あな になってしまうのは致し方ないところだろう。 このように、僕らのよく知るそれとはいささか趣を異にする『花は咲く』ではあったが、僕の心は静かに、しかし深く揺さぶられた。 声そのものの持つ “力“ を聴いた気がする。 |
2017年11月28日
バチカンに響いた『花は咲く』
posted by 小澤和也 at 23:59| Comment(0)
| 日記
この記事へのコメント
コメントを書く