2020年04月22日

皆川達夫さん

 
 
皆川達夫さんの訃報を知る。
 
30年以上続けて来られたNHK「音楽の泉」の解説をつい先日退かれたばかり。
最後の放送の結びに『(...)体調にやや不安を覚えるようになりましたので〜』と挨拶されてはいたものの、まさかこんなに早く!...の思いしかない。
 
「音楽の泉」はもちろんだが、僕にとってはそれ以上に「バロック音楽の楽しみ」(NHK-FM) での皆川さんの名調子が強く印象に残っている。
番組のラストはきまって
『バロック音楽の楽しみ、(...)解説は皆川達夫でありました。みなさんご機嫌よう、さようなら』
そして流れてくるテーマ音楽が
シェドヴィル (伝ヴィヴァルディ)のソナタ集Op.13「忠実な羊飼い」〜第2番
であった。
(フルート: ランパル、チェンバロ:ヴェイロン=ラクロワ)
中高生時代、この放送をどれだけ聴いたことだろう。
[この番組のおかげで、僕にとっての古楽のイメージには朝の空気感 (夏はすでに蒸し暑く冬はほんとうに寒かった) と皆川さんの優しい語り口が今でも付いて回っているほどだ]
 
皆川さんの著書にも大変お世話になった。
新書で出ていた「バロック音楽」と「中世ルネサンスの音楽」は本が壊れてバラバラになるほど繰り返し読んだものだった。
 
なかでも「中世・ルネサンスの音楽」の本文中に、今でもソラで言えるほどの大好きなフレーズがある。
それは第5章...ブルゴーニュ楽派の巨匠ギヨーム・デュファイの項、皆川さんの筆が一瞬脱線しご自身が主宰された中世音楽合唱団の話題となるくだりだ。
 
《約三十人の多彩な顔ぶれの老若男女が、(...)古い合唱曲を歌うよろこびを体験している。(...)デュファイの作品には歌うたびに一回一回新しい発見があって、興味がつきない。(...)彼特有の節まわしが出てくると、メンバーたちは「そらまたデュファイ節」といって、うれしそうに笑う。》
 
皆川さんのチャーミングなお人柄が実によく表れている文章ではないだろうか。
正に音楽への愛と情熱に溢れた方であった。
 
皆川達夫さん、ありがとうございました。
どうぞ安らかに。
posted by 小澤和也 at 21:19| Comment(0) | 日記
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