2022年02月23日

カヴァレリア・ルスティカーナの源流をたどる (4)


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[画像: マスカーニによる間奏曲(ピアノ譜)の自筆原稿(一部)]

「源流をたどる(3)」の続きです。

『カヴァレリア・ルスティカーナの源流をたどる』
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[第5場]
【サントゥッツァ、アルフィオ、およびブラーズィ】
怒りと絶望にひとり打ちひしがれるサントゥッツァのもとへローラの夫アルフィオが現れる。
サントゥッツァはたまらずトゥリッドゥとローラの関係を彼に告げて...
という物語のアウトラインはオペラとほぼ共通であるが、第4場と同様にその描写は戯曲のほうがいっそう生々しい。


サントゥッツァ: ああ、神様があなたを遣わされたんだわ、アルフィオさん!
アルフィオ: ミサはどのあたりかな、サンタさんよ?
サントゥッツァ: 遅かったですね。でもあなたの奥さんはあなたを探してトゥリッドゥと一緒に行きましたよ。
アルフィオ: どういう意味だ?

戯曲ではこれに続いて、オペラにはないサントゥッツァの台詞が挿入される。
『あなたの奥さんは祭壇のマリア様のように黄金をいっぱい身にまとって歩き回っていますわよ、あなたにとっても名誉なことでしょう、アルフィオさん』
強烈な皮肉、そしてサントゥッツァのローラへの嫌悪がここにも見てとれる。
アルフィオは当然のごとく、
『おい、それがおまえさんに何の関係があるんだ?』
とにわかに気色ばむ。
そしてサントゥッツァのさらなる一言「あなたが外で稼いでいる間にローラは家を飾り立てているのよ〜」に続くのだ。
[この「家を飾り立てる」は「(夫婦間の) 不義を働く」という意味なのだそう]


その後のアルフィオの台詞もなかなかである。
『(...)復活祭の日の朝から酔っ払ってるのか、それなら鼻からワインを絞り出してやる!』
『(サントゥッツァの言うことが)もし嘘だったなら、(...)その目で泣けないようにしてやる (目をくり抜く!)、おまえも、不名誉な一族みんなもな!』

そしてこれに応ずるサントゥッツァの言葉も痛切の極みである。
『アルフィオさん、わたしは泣くこともできないんです。わたしの操を奪い、そしてローラのもとへ走ったトゥリッドゥを見てももう涙も出なかった』

アルフィオはサントゥッツァに礼の言葉を述べ、教会へは行かずに家に戻る。
『(...) 女房が俺を探しているのを見かけたら、トゥリッドゥへの贈り物を取りに家へ帰ったと言ってくれ』


ミサが終わり村人たちが教会から出てくる。
最後に現れたブラーズィがサントゥッツァに気づく。
『サンタさんよ、もう誰もいなくなってから教会へ行くっていうのかい!』
サントゥッツァは
『わたしは大罪を犯してしまったのよ、ブラーズィおじさん!』
と言い残して教会へと向かう。


戯曲においては
この場面の後、サントゥッツァは全く登場しない。

(つづく)


[参考資料]
カヴァレリーア・ルスティカーナ/河島英昭訳 (岩波文庫)
オペラ対訳ライブラリー カヴァレリア・ルスティカーナ/小瀬村幸子訳 (音楽之友社)
イタリアオペラを原語で読む カヴァレリア・ルスティカーナ/武田好 (小学館)
戯曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」翻訳/武田好 (星美学園短期大学研究論叢第40号)
Cavalleria rusticana/Giovanni Verga (OMBand Digital Editions)
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posted by 小澤和也 at 21:20| Comment(0) | 音楽雑記帳
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