2023年10月12日

ブルックナーの命日に

1011日はブルックナーの亡くなった日。

(1896年没)

何かCDを聴こうかとも思ったのだけれど、昨日の『ブロムシュテットさん来日見合わせ=N響とのブルックナー公演中止』の報が未だ胸に重くのしかかり、今ひとつ気分がのらない。


その代わりにこちらを聴くことにした。


NHK-FM

《大作曲家の時間 ブルックナー》

最終回

(Youtubeにアップされている音声)

番組前半

https://m.youtube.com/watch?v=O_yoRr9gEkQ

番組後半

https://m.youtube.com/watch?v=hrP5Hv9x7A8


31回にわたってオンエアされたシリーズ最終回は第9交響曲の第3楽章を、土田英三郎氏の綿密な解説とともに聴くものであった。

(当時はこのような専門的・学術的な内容の番組がリスナーにおもねることなく放送されていたのだと思うと感慨深い)


前半ではアダージォの全編にわたる解説ののちシューリヒト&ウィーン・フィルの名録音が流され、後半は未完に終わった第4楽章のスケッチをこの放送のためのピアノ演奏 (pf: 草野裕子を用いて紹介してゆくという実に貴重な記録


録音を聴きながら改めて調べてみると...

この《大作曲家の時間 ブルックナー》は19839月〜翌年3月の放送だったようだ。

土曜朝の番組だった記憶がある。

当時僕は高校生、毎週オーディオタイマーをセットして登校、帰宅してから貪るようにエアチェックを聴いていた。


この最終回も部分的にではあるがよく憶えている。

上述の第4楽章フィナーレスケッチのピアノ演奏があたかも「最後の審判」の場面のように僕の心をえぐったのだ。

1楽章のそれ以上に激しく厳しい第1主題、少しも歌謡的でない第2主題、壮麗な呈示部結尾のコラール主題と順に聴き進みつつ、(ブルックナーがいかに巨大なフィナーレを構想していたかに思いを馳せる。

さらに第1主題モティーフによるフーガの主題が紹介された後、コラール主題の再現が18小節にわたって鳴り響き...


演奏は突如停止。


(これでブルックナーの楽譜は終わっています...これ以後はコーダを含めてまったく書かれていません」

(土田氏のナレーション)


ブルックナーの筆が止まった瞬間...

この部分を繰り返し聴いてはいつも泣きそうになっていたおかしな少年だったことをここに告白する。


あれから40年経った今でもいわゆる「第4楽章の補筆完成版」に一向に食指が動かないのは、この体験が原因かもしれないな、と思ったりもする。

そしてもし...

「愛する神」がブルックナーにこのフィナーレを書き上げるだけの時間をお与えになっていたら...

posted by 小澤和也 at 01:42| Comment(0) | 日記
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