幻想曲第3番 op. 18 作曲: 1860年あるいはその少し後、パリ 初演: 1861年3月、アンジェル・タイユアルダ (ピアノ) 出版: Richault社 (パリ) ブノワの代表作 ペーテル・ブノワの全作品中、現在もっともよく知られているのがこの “幻想曲第3番変ロ短調 op.18” でしょう。多くのピアニストに取り上げられレコーディングも行われています。また吹奏楽やクラリネットアンサンブル用に編曲されていることからもこの作品の人気がわかります。 ドイツ諸都市への遊学を終えたブノワは1859年5月、新たな拠点としてパリへ移ります。彼をこの「芸術の都」へと駆り立てたのはオペラ作曲家として活躍したいという強い願望でした。国内外の多くの作曲家がパリでの成功を目指していたのです。 ピアノ曲を量産 ブノワは1859〜61年にかけて集中的にピアノ曲を作曲し、それらの多くはパリで出版されました。大半は幻想曲やマズルカ、奇想曲といった小品ですが、他に “ソナタ変ト長調(1860)” や組曲形式の “物語とバラッド集 op.34(1861)” といった大曲もあります。 この第3番を含めてブノワには4曲の幻想曲がありますが、そのいずれもが調号 (シャープやフラット) を多く用いた色彩的でロマンティックな響きをもつ調性で書かれています。 第1番: 変イ長調 (フラット x4) 第2番: 嬰ヘ長調 (シャープ x6) 第3番: 変ロ短調 (フラット x5) 第4番: 変ホ短調 (フラット x6) 初演評 第3番op.18は初演を行ったアンジェル・タイユアルダに献呈されました。その際のコンサート評では次のように述べられています。 『ブノワ氏は正しい流派の作曲家である。彼のピアノ曲は、この種の作品にしばしば見られる指の曲芸的技巧を唯一の長所とするものとは一線を画している。(...) op.18およびop.20の“幻想曲” を見れば、彼が非常に注目に値するピアノ作品を書きながらも、音楽的であり続けたかったということが納得できる』 【参考音源(CD)】 フランダースの音楽 Vol.1 ペーテル・ブノワ ピアノ曲集 ヘーヴェルス (pf) Talent DOM2910 34 こちらはデ・ベーンハウウェルの演奏↓↓ |
2024年02月08日
ブノワを知る10曲 (2)
posted by 小澤和也 at 14:45| Comment(0)
| 音楽雑記帳
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