1825年、今からちょうど200年前の10月25日 ─
「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス、ウィーンに生まれる。
私が最初に(6-7歳頃だっただろうか)大好きになった作曲家である。父にせがんでシュトラウスのレコードをかけてもらったことをよく憶えている。ボスコフスキー&ウィーンフィル、特製の青い樹脂ケースに収められた2枚組のLP盤であった。
彼の音楽を『母乳のようなもの』と評したのは志鳥栄八郎だったか。私にとっても真にそうである。私を音楽の道へと(ベートーヴェンやモーツァルトよりも先に)いざなってくれたのは、シュトラウスの柔らかく心地よい肌触りのメロディだったのだ。
彼の作品から一曲だけ選べと言われたら、私は迷わず「南国のばら」を挙げる。ロマンティックかつ絢爛たる序奏部、溢れる気品のなかに微かに憂いを含んだワルツ主題たち、そしてコーダ最終盤において主調(ヘ長調)にて回帰する第4ワルツ後半の旋律の高揚感...どれもがこのうえなく私の心を震わせるのだ。
オーケストレーションのセンスも忘れてはならない。とりわけホルン、ハープおよびトライアングルの用法の素晴らしさはいわゆる「実用音楽」の域をはるかに凌駕していると思う。

