ベルギー王国大使館よりご招待を賜り、素敵なコンサートを拝聴しました。 毛利文香(ヴァイオリン)トークコンサート 日本・ベルギー友好160周年記念 主催: 日本イザイ協会 この日演奏されたのはベルギーの作曲家で名ヴァイオリニストであったウジェーヌ・イザイ(1858-1931)の無伴奏ソナタ作品27より「第5番ト短調」「第2番イ短調」「第4番ホ短調」の3曲。これらすべてが私にとって実演に触れる初めての機会でしたが、目くるめく超絶技巧の奥に確たる造形美が見て取れ、(佳い作品を聴いた!)という率直な感想を抱きました。 イザイについて、また彼の作品に関して私はこれまでほとんど表面的な知識しか持ち合わせていませんでした。そのような私の心をも震わせてくださった毛利文香さんの演奏は、単に「美しい音色が〜」「完璧なテクニックが〜」といった次元をはるかに超えて作曲家の精神に深く迫るものであったと思います。 終始真剣な面持ちで音を紡ぎ続ける毛利さんのお顔が、時折ふっと柔らかな笑みをたたえる瞬間が何度かありました。そのたびに音楽もさっと表情を変え、新たな方向へと進んでいきました。 (この感覚は耳で聴いただけではわかり得ない、これこそが“作品に触れる”ということなのだな)...それが判るほどの距離でこの日の演奏を聴けたことにこのうえない幸せを感じました。 毛利文香さんのイザイ、素晴らしかったです。 作品はいずれも優れたものでしたが、中でも目を引いたのが「第2番イ短調」の各楽章に付けられた標題でした。 T. Obsession (妄執) U. Malinconia (憂鬱) V. Danse des ombres (影たちの踊り) W. Les furies (復讐の女神たち) 一瞥した瞬間に脳裡をよぎったのが、ペーテル・ブノワ「フルートと管弦楽のための交響詩」でした。この曲にも同じように「哀愁」「鬼火の踊り」といったタイトルが施されているのです。 ブノワはこれらを祖国フランデレンの伝承・民話から採っていますが、イザイのそれらはどのようにしてもたらされたのでしょう...実に興味深いです。 終演後のカクテルレセプションでは毛利さんやコンサートの司会進行をつとめられた村中由美子先生、日本イザイ協会の永田郁代会長ほか多くの方々とご挨拶かたがたペーテル・ブノワ研究会のことなどをお話しすることができました。こうした「ブノワを知っていただく」ためのさまざまなアクションが今後必要になってゆくのだな、と改めて感じ入りました。 |
2026年04月04日
毛利文香さんのイザイ演奏を拝聴しました
posted by 小澤和也 at 11:07| Comment(0)
| 日記
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