ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調〜第2楽章
ヴァーグナーが「舞踏の神化」と呼び、また一部からは「酒場で作曲されたシンフォニー」と揶揄されたほど、明るく生気にあふれた第7交響曲。
そんな中で、この第2楽章は特異な存在感を放っている。
スコアに記された速度表示はアレグレット。
よって厳密には「緩徐楽章」とは言えないのだが、その曲想は重く、しっとりとした趣である。
イ短調(ハ長調の平行調)という、プレーンな調性。
単純なリズムの反復で形づくられた主要主題と、次第に悲劇性を帯びてゆくその変奏。
そして、中間部(イ長調)の慰めるような木管楽器の柔らかな響き。
これらが相俟って、
〜雑じり気のない哀しみ〜
がたおやかに表出される。
魂の平安への、静かな祈りの音楽である。
2011年04月11日
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