§ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲
ジョージ・セル指揮クリーヴランド管('64年録音)
初めて聴いたのは大学生の頃である。
当時、本業の勉強もそこそこに、サークル活動の合唱に熱中し演奏会や展覧会にもせっせと通っていたものだった。
ある日、美大に通う友人からブラームスのLPを借りた。
その余白に入っていたのがこのハイドン・ヴァリエーション。
(メインは第3交響曲だったと思う…そちらの記憶はほとんどない)
その友人も、「変奏曲がとてもいい」と言っていた。
そしてこう付け加えた…「これを聴いていると『青』を感じるの」
「ふーん…」
躍起になって聴いたが、当時の私にはよく解らなかった。
(さすがは美大生だな…面白いこと言うなぁ…)
なんて思っていたかも知れない。
つい最近、久しぶりにCDを買い求めて聴いてみた。
確かに「色」を感じる!…『青』、あるいは『碧』に近いか。
この指揮者の清廉な音楽創り、そしてオーケストラの切れ味良い音の断面に、光る碧が見えるような気がするのだ。
そのときに友人が感じた『青』と同じかどうか、今となっては知る由もないが…
磨かれた音色と完璧なプロポーションがこのうえなく魅力的な演奏である。
木目の手触りのようなベイヌム盤、長編小説のようなフルトヴェングラー盤など、他にも好きな演奏は多いが、現在のお気に入りはこのセル盤である。
2010年02月18日
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