〜Hoogmis(荘厳ミサ)のつづき〜
[グローリア]
Snel doch statig(速く、しかし荘重に)ニ長調 4/4拍子
これまでの多くのミサ曲の慣例に従い、三つの部分に分けられる。
まず、キリエと同様、前奏を持たずにいきなり「神に栄光あれ」がffで現れる。
この主題は、トランペットのファンファーレのように直線的で力強い性格のものだ。
ここでの大小合唱は、あるときは掛け合い、またあるときは一体となって、神への賛美を歌う。
次の「地には平和」は
「・・ドー|ーシレソ|ミ…」というしなやかな音型(2度下行→3度上行→5度下行→6度上行)で歌われ、冒頭の男性的な主題と絡みながら進んでゆく。
「あなたに感謝を捧げます」に入る所で、唐突にニ長調から変ロ長調へと転じ、それと同時に新しい「コラールのフラグメント(断片)」が鳴り響く。
このフラグメントは、
「ドーーー|レーーー|・ミファミ|レーーー|ド…」と、シンプルで大らかなもので、大合唱と金管楽器により奏される。
これを巧みに展開し、変ロ→変ト→ニ→変ロと転調を繰り返した後、「全能の父」の部分では大小合唱が無限に続かんとばかりに延々と応酬を重ねる。
そしてニ長調に戻り、これまでの主題を扱いながら「主なる神、神の子羊、父の御子」と歌い、第一部分を結ぶ。
Gaande(アンダンテ)ト長調 3/2拍子
第二部に入ると管弦楽は沈黙し、アカペラの二重合唱となる。(オルガンが下支えの形で加わる)
ここでは大小合唱の掛け合いのみならず、女声/男声の交唱、さらには小合唱がSolo/Tuttiの形で立体感を持たせるなど、ブノワの創意工夫が発揮されている部分である。
バスがやや速度を落として歌う荘重なフレーズと、それに対応するかのような小合唱(Solo)の情感豊かなメロディの対比が美しい。
Eerste Tijdmaat(最初の速度で)ニ長調 4/4拍子
「あなただけが聖なる方」以降、第一部分の楽想が再現される。
最後は速度を減じ(Breed en krachtig=幅広く、力強く)、コラールフラグメントの音型によって「アーメン」が堂々と歌われる。
(つづく)
2010年03月31日
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