§ブルックナー/交響曲第7番
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン('80年録音)
僕が買った最初のCDである。
〜もう25年近く前になるのか…ちょっとビックリだ。
当時の定価がたしか3300円。
貧乏な学生にはキビシイ額だったなあ…
(思い出した…僕はこれを大学生協で1割引で買ったのだった)
大切に大切に、繰り返し聴いていた記憶がある。
第一楽章冒頭より、SKDの決して派手でない、すべてのセクションが溶け合ったサウンドが美しい。
チェロとホルンのブレンドされた音色、ヴァイオリンと木管楽器の妙なる調和、全合奏での金管群の柔らかい力強さ…
ブロムシュテットさん(ついついこのように呼びたくなってしまう)の音楽づくりも、丁寧であると同時にきわめて自然である。
だから、緻密であっても息苦しくならない。
ブルックナーの音楽に「アイディア」や「工夫」「ひらめき」などは無用だと、僕はいつも思っている。
演奏者が聴衆に対して声高に「説く」必要はないのだ。
第二楽章も、過度の演出を避け、淡々とした(それでいて愛に溢れた)ブロムシュテットさんの「筆の運び」が却って心にしみる。
その終わり近く、崇拝するヴァーグナーの死を悼んで書かれたと言われるヴァーグナーテューバのコラール。
その静寂を破って(この盤では21分22秒付近〜)肺腑に突き刺さるようなホルンの「悲痛な」叫び。
…何という音色のコントラスト!
いろいろな「第7」を聴いたが、やっぱりここに「還って」きたくなる、そんな愛聴盤である。
2010年05月19日
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