2012年03月12日

終演、そして感謝

立川市民オペラ「トゥーランドット」、
二日目(千秋楽)も無事終演。

この日、オーケストラは正午前から特別にプローべを実施、
合唱も開演直前に最後の確認を行った。
「音楽は生き物であり、
昨日と同じに進む所など一つもない。
いま一度初心に戻って、公演初日と同じ気分で歌ってください」
と申し上げた。

午後2時の開演に先立ち、さきの震災犠牲者の方々を追悼して一分間の黙祷を会場のお客様とともに捧げる。
そして始まった第1幕、
前日に優るとも劣らない集中力でプッチーニのドラマが展開される。
カラフの松本薫平さん、リュー役の砂川涼子さんはじめ、キャストの皆さんの輝かしい歌声が劇場を満たした。

第2幕で登場のトゥーランドット・津山恵さんの美声はまさにこの役に相応しかった。
合唱団も、感情のこもった熱い響きでもって、マエストロのタクトに応える。

そしてクライマックスの第3幕…
僕は金魚鉢でペンライトを振りつつ、もはや祈るような思いであった。
最後の合図を送り、急いで舞台袖に走る。
公演にお見えになれなかった合唱指揮の倉岡先生に代わり、カーテンコールに出させていただく栄誉を仰せつかった。
合唱団とともに、お客様からの温かい喝采を受ける…このうえない喜び。

このときの僕は、特定の何かに対して、誰に対してということもなく、ただただ感謝の気持ちで一杯であった。

「音楽ができる幸せ」。
これがあるから、辛い瞬間があってもやっていけるのだ。
そして明日からも…「音楽に生きる」。
posted by 小澤和也 at 23:44| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。